第92話 転移スキル

皆んなの下に帰るべく、ドラゴンさんに転移の方法を教わるが全く解らない。ウェルウィンやムスカーノのいた場所を思い浮かべて、〝転移〟と唱えるも反応なし。


「ドラゴンさん、座標の定め方が分からいので転移しません。」


「う~ん。こればっかりは感覚じゃから説明が難しいのう。先ずは、視界で捉えた場所に転移してみるかの。ちょっと離れるで、わしの横に転移してみるか?」


ドラゴンさんの横を凝視して座標を固定して自分が立っているイメージを浮かべて〝転移〟と唱えた。 が失敗。転移出来ない。


「根を詰めても上手くはいかん。ちょっと、食料にする魔物でも狩らんか?

レッドドレイクじゃ。」


ドラゴンさんが呪文を唱えて結界を張りその中で魔法陣が光りドレイクが現れた。


「ほれ。討伐せい。」


「でも結界内は入れないんじゃ。」


「お主は若いクセに頭が硬いのう。

良いから入って討伐来てこい。」


「分かりました。では行ってきます。」


そして結界を触ると触った部分だけ消えて私が入ると、結界は復活した。


(そうか!小さなブロックの集合体で作ればいいんだ。 そして残っているブロックを増殖させる様に増やして穴を埋めれば守る側から攻撃出来るじゃないか!)

何かスッキリしたので、ドレイクとの戦闘に集中する。


ドレイクがいきなりブレスを吐く。

〝縮地〟で大きく躱し〝光線レーザーで眉間撃ち抜く予定が額に当ったレーザーが弾かれてしまった。もう一度ブレスを出そうしている口に向かって〝光線レーザー〟を魔力たっぷりにして発射した。上手い具合にブレスを吐く前の口に中に当たり貫通した。


「ちょっと焦りました。」


「ドレイクは下位とはいえドラゴン種だからな。鱗は物理耐性と魔法攻撃耐性を持っておるからのう。ブレス前の口に攻撃は最高の攻撃手段じゃな。ブレスを喰らわなければな。」


「結界も大変参考になります。」


「フフン。そうじゃろ。そうじゃろ」


「おぉ。死体が消えませんね。」


「ドラゴン種は当たり種にしておるんじゃ。

ドラゴンは全て素材になるからのう。血も内臓も薬の原料じゃ。そんなんじゃから、そのままにしておるんじゃ。

通常は魔石とドロップ以外は魔素に返ってしまう様になっておる。」


「そうなんですね。ではドレイクを解体します。」


「背の喉の後ろに当たる場所逆鱗があるじゃろ、そこに剣を差し入れて首を落とすんじゃ。血が吹き出すから待っとれ。」


そうドラゴンさんが言うと、ドレイクを浮かして結界を半円のボール型で作りその中にドレイクを入れた。 そして私は、逆鱗に剣を差し入れて喉に向かって切り裂き・もう半分も切り裂くと首が落ちた。


「ほれ、頭をさっさと仕舞わんか。劣化してしまうぞ。 そして、喉から一気に尻尾まで切り裂いてしまうんじゃ。」


言われた通り喉から一気に尻尾の付け根まで切り裂く、内臓を傷めないように皮に沿って。後は、肉皮の間に剣を差し入れて皮を剥いで行くと上手く解体出来た。ボールから血と内臓をインベントリに入れて皮も仕舞う。

そして脇腹の肉を大きく切って残りを仕舞うと、残した肉を火で炙って焼けた部分を削いでたべると上質な臭みの無い豚バラ肉に近いお味がしました。柔らかく口の中で油が溶けて、とっても美味しかった。


そして食事を終えると再度、転移の練習を始める。

さっきと、同じ様にしても駄目なのは解っているので、床にポイントを定め、その地面に足を置くイメージで〝転移〟と唱えると何と転移に成功した。


「「おぉ〜。」」


二人で感嘆の声を上げて喜ぶ。


「やりました。やりましたよドラゴンさん。」


「やったのう。これで少し意識すれば転移できるじゃろ。良かったのう。」


「もう少し練習していても良いですか?」


「無論、構わん、構わん。何時までもおれば良い。」


そうして、転移の練習を始める。

最初は5m程の距離を何度も何度も繰り返す。それを終わらし今度は、10mを何度も何度も。

そういえば魔力は少ないはずなのに魔力が減る感じがしない。変に思ってステータスを確認する。


※※※※※※※※※※※

名前 ヴァルグード・リートゥス

年齢 6歳

種族 ヒューマン+

性別 男性

職業

Lv、35

生命力 112

魔力  103(練気力120万 神力60万)

攻撃  114

器用  108

俊敏  113(スキル使用時230)

防御  120(スキル使用時1200)

知力 238

精神 224

運  178

〝スキル〟

ステータス

身体強化

身体金剛

痛覚耐性

縮地

分解

耕土

拘束

圧縮

抽出

撹拌

創造

重力軽減

空間拡張

自動修復

付与

言語理解

転移

スクリーン アクティブ枠«隠蔽»«解析»«顕  微»«透視»«遠見»«地図»

      パッシブ枠«検索»«鑑定»«人物照会»«多重発動»«感知»

インベントリ «容量∞»«時間停止»

全属性魔術 «火球»«水球»«風球»«土弾»«火矢»«水矢»«土矢»«風刃»«水刃»«火槍»«水槍»«風槍»«土槍»«雷槍»«火壁»«水壁»«風壁»«土壁»«竜巻»«水波»«光球»«光槍»«光線»

«治癒»«解毒»«ターンアンデッド»«浄化»


〝祝福〟

創造神の加護

智慧神の加護

エンシェントドラゴンの加護

※※※※※※※※※


「ドラゴンさん、スキルが生えました。

言語理解と転移がそれとドレイクを討伐したのでレベルも35に上がっています。」


「レベル35では未だまだじゃな。

でもその年では異常か。転移が使えるのじゃから、また来てレベル上げをすれば良い。」


「はい、これでいつでも何処にいてもドラゴンさんに会いに来れます。」


「わしには、寿命が無いからな。何時でも来るが良い。待っとるからな。」


「はい、教えてくださってありがとうございます。ドレイクもありがとうございました。

これで、失礼します。」


「それじゃぁな。 未だまだ強い魔物は溢れとる。気をつけるんじゃぞ。」


「はい、肝に銘じます。」


そう言って、4階層のベースキャンプに転移した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る