第83話 ダンジョン町
出発がやや遅くなったので乗合馬車は母親達と買付の行商人だけだった様だ。
ダンジョン街もぐるっと6m程の城壁に囲まれた町で城門で冒険者カードを見せて入場した。
乗合馬車が未だ着いていなかったので、リックと騎士2人を馬車に残して、残りの皆んなで宿探しを始める。リックを含めると14名の大所帯の為、空いている宿は2部屋から3部屋が良い所だった。
東の城門周辺を当たっていると母親達も合流した。やはりダンジョンがあるために長期滞在契約が多く部屋が空いていても契約期間内は貸せないとの事だった。
なので、グループで分かれて宿を取る事にして、まずは3部屋空いていた宿屋に向おうとしたら、
「あのぅ、宿をお探しですか。宜しければうちの宿に泊まりませんか?」
声を掛けてきたのは獣人族の女の子だった。
「ん。馬車止められて、14名宿泊できるの?」
「だっ、大丈夫です。ちょっとここから遠いですが……。」
「全員で泊まれるなら距離は問題ないよ。」
「そうですか!それではご案内します。」
こうして獣人族の女の子に案内されて目的の宿に向かう、10分歩く、
「まだ掛かりそうなの」
ティナが音を上げ始めた。
女の子は、
「もうすぐですから。」
20分歩く、
「ティナ、限界なら馬車に乗っていて良いよ。」
と俺が声を掛けると、
「いやなの。ダンジョン探索も歩きなの。ティナは仕事なの。頑張るの。」
「そうか、じゃ頑張ろう。」
どんどん寂れて来て。ガラの悪そうな目付きの悪い連中がこっちを見ている。
すると、獣人族の女の子が指を指し、
「あそこが、私の両親が経営するお宿、幸福の鈴亭です。」
それは、寂れたと云うか草臥れたと云うか周りに合わせた造りと云う感じの洋館造りだった。なにか作りは代官屋敷に似ていた。
取り敢えず、柵もあり石造りの建物で馬車留めや厩もあって問題は無い。
獣人族の女の子につられて玄関に入ると別世界が広がっていた。
廊下は絨毯は敷いていなく板張りだが綺麗に磨かれて壁も綺麗に白く塗られている。2階に上がる階段もピカピカだ。エントランスに受付カウンターがありホテルのフロントの様になっていた。
「いらっしゃいませ。 幸福の鈴亭にご来店誠にありがとうございます。
当店はご宿泊費を前金で頂いております。何泊、ご宿泊なさいますか?」
「10日で14名お願いします」
「では統監のご説明をさせて頂きます。
4名様でご宿泊できるロイヤルスイートが1部屋。 3名様がご宿泊できるスイートが2部屋。2名様がご宿泊できるツインが6部屋。
1名様がご宿泊できるシングルが12部屋ございます。今は、シングル1部屋以外はご利用できますがどう致しますか?」
「それでは、ロイヤルスイートとスイート2部屋。 ダブルを1部屋とシングルを2部屋お願い致します。」
「畏まりました。
ロイヤルスイートが1日4名様ご利用で48,000ダラ。10日で480,000ダラ。
スイートが1日3名様ご利用で30,000ダラ
二部屋10日で600,000ダラ。
ダブルが1日2名様ご利用で18,000ダラ
10日で180,000ダラ。
シングルが1日1名様ご利用で8,000ダラ
2部屋10日で160,000ダラ。
合計1,420,000ダラのお支払いとなります。
お支払い方法は如何いたしますか?」
「商業ギルドカードでお願いします。」
「畏まりました。」
女性のフロントスタッフはカウンターにある引き出しからあの木札を出した。
{契約決済手形}
{ ダラ}
{日付 }
{幸福の鈴亭 印}
「それではこちらの手形板右端にある四角い部分線に合わせてカード置いて魔力を少し流して下さい。 はい、ありがとうございます。それでは、こちらがロイヤルスイート201号室のカギ。
こちらとこちらがスイート202号室、203号室のカギ。
こちらがダブル205号室のカギ。
こちらとこちらがシングル210号室、211号室のカギになります。
ご案内はそちらのスタッフが致します。
朝食は7時から10時まで夕食は6時から9時までとなっております。
1階に男女別々のお風呂がございます。利用期間は昼の1時から夜の10時までとなっております。
それではごゆっくりお寛ぎ下さい。」
「では私がご案内します。階段を上がって一番奥の突き当りにあるお部屋がロイヤルスイートの201号室になります………。」
各自案内されて家族単位で部屋に入って行った。私達はエーデルト、ウェルウィン、ムスカーノの4名でロイヤルスイートに宿泊だ。
部屋に入るな私は、
「最初外見でちょっとと思ったけど中に入ってびっくりだよ、この内装は高級宿屋だなぁって。これで一人12,000ダラは安いんじゃないか?」
「そうですよね。でも周囲の治安が悪そうです。其の辺をどうするか確認しないと、留守組は動けませんね。」
エーデルトがそう言うと、ウェルウィンが、
「今日のうちに私達で周囲を巡回してみます。」
「そうだね。そのまま外食してきて。屋台のご飯を買って来てくれる。大量に、これでお願い。」
そう言って、小金貨2枚を渡す、エーデルトが、
「少々多すぎると思いますが、ダンジョンで食べる分の食料も調達しましょう。」
「そうだね。店が空いていればその分も宜しく。 僕は調理道具でも作っているよ。呉れぐれも町中で抜剣しない様にね。その剣本当に切れ味は良いからね。」
騎士2人に向けて注意するとウェルウィンが、
「畏まりました。それでは行ってまいります。」
そう言って、3人は出掛けて行った。
護衛3人が出掛けたので、外には出られないからダンジョンで必要なトイレブースを作る事にした。
先ずは、木のパウダーで長方形の箱を作る
1m✕1,5m✕2mの箱に1,5mの面に扉を設置する床に二重丸と十二芒星の魔法陣を彫刻針に針先1mmの〝
このトイレブースを3箱作っておく。
そして、ブラックスパイダーの魔石を魔力と神力を練り混ぜながら魔石の魔力を追い出し充填させて魔法陣を刻み、輪間に〝魔素吸収〟〝魔力変換〟〝魔力補填〟〝魔力供給〟と刻んだ魔石を6個作成してこれを各々の魔法陣の中心に「創造」を唱えながら半円状にして接着した
ここに嵩上げ床を組付け中央に穴を開けて置く、それから土のパウダーで便器を「創造」を唱えて製作。表面は珪砂で「創造」を唱えてガラスコートを施した。
木のパウダーで便座を造り組み立てて各トイレブースに設置して完成だ。
トイレブースをインベントリに収納していると、エーデルト達が帰って来た。
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