第64話 ロデムラート砦陥落

SIDE:西方面長 ノルダン

「ドッカーン!」「ガッシャーン。」

何かが割れる様な音がした。

「報告!防壁魔道具が破損しました。」

「直ぐに直せ!」

「ドッカーン!」「ガシュ、ガシュ、ガシュ、ガシュ」

今度は何の音だ。

「報告!バリスタからの攻撃始まり、バリスタの矢が城壁に突き刺さっています。」

「参謀長、観てきてくれ。」

「了解です。」

「副官は各団長を呼んで来てくれ。」

「了解しました。」

副官を送り出すと、入れ違いに伝令が飛び込んできた。お

「大変です!海側から船が遡上して来てます。鉄板をに覆われた船です。」

「ガシュ、ガシュ、ガシュ、ガシュ」

報告の間もバリスタの矢が突き刺さる音が聞こえる。

執務室から廊下に出ると

「ドッカーン!」「ガシュ、ガシュ、ガシュ、ガシュ」

「ギャー。」

「腕が!腕が!」

「治癒師を呼んでくれ。相棒の血がとまらない。」

「この野郎!【雷よ 無数の矢となりて 顕現せよ サンダーアロー】ゴフゥ」

「防壁魔道具が機能していない!やり返せ!

【火よ、槍となりて、顕現せよ ファイアランス】ウギャー」

「駄目だ、窓から顔を出したらウィンドブラストの餌食にされるぞ。」

「バリスタの矢が無いぞ〜!誰か持ってきて……「ザシュ」」

「クソ!誰か来てくれ。射手がやられた。」

城壁内通路は、敵のバリスタの矢が城壁を突き破り通路の反対側の壁まで届く勢いで止まっていた。

「報告、海側の見張り塔から魔法で船を攻撃していますが、上からですと鉄板に阻まれて、攻撃が通りません。」

窓を注意深く覗くと船が正面に来ている。

遡上していた船が止まり船首をこちらに向けると杭を打ち込み固定していた。

すると、川幅に橋が掛かった様になっている。

「そうか!船橋か!そんな物まで用意していたとは。バリスタの矢は階段になってしまった。」


ウィンドブラストを休まず打ち込み防壁魔道具の耐久時間を減らし、大型魔道具で負荷を掛けて防壁魔道具を壊し、壊れたのを見測って、バリスタの矢で階段を作り、船橋を掛ける。

王国を侮っていた。

私は、執務室に戻り、皆が集まってくるのを待つ。

副官、参謀長、各団長が集まった。

「砦を放棄し、ダビン港まで撤退時する。

撤退は魔法兵団、兵団、騎士団が殿しんがりを務めてくれ。

副官は、魔法兵団長と共に撤退の指揮を私は騎士団長と共に殿を指揮する。では各自撤退だ。」

「「「「はっ」」」」

「参謀長、通信管は使えているか?」

「まだ使えます。」

「では見張り塔の連中に撤退命令を出してくれ。」

「了解です。」

撤退命令を出して私は皆んなを送り出して最後に執務室から出ると執務室にファイヤボールを放った、そして、砦本館の各部屋にもファイヤボールを放って行く。

書類関係の焼却と部屋の再利用を遅らす為だ。

騎士達に門扉の前にストーンウォールを何層も造らせ馬に乗り砦を後にした。

「騎士団長、騎士団の残存戦力はどのぐらいだ。」

「半数ちょっとの572名です。」

「他はどうか?」

「歩兵が約2000名 魔法師が約800名程です。

兵団参謀と魔法兵団参謀が亡くなりました。

小隊長クラスも半数は駄目でした。」

「そうか。 取り敢えずダビン港へ急ごう。

追手はまだ来ていないが本館を燃やして来たから、直ぐにやって来る。」

「撤退命令を出すのが早すぎたのでは無いですか?まだ王国軍は城壁に取り付いていませんでしたが。」

「いや、船が来た時点で砦の陥落は決まってしまったと思う。 我々は碌な反撃が出来ていなかったのだから。

砦に立て籠もった所で少々の反撃が出来ても、援軍が間に合わないのであれば砦の陥落は早いか遅いかの違いでしかない。

それよりも次の防衛に数多くの兵士を送ることの方が重要だと私は判断した。」

「確かに、船が遡上してくるとは、それにあの魔法戦術、大型魔道具、ヴァリスタの矢は、初めて見聞きするものばかりでした。

ヴァリスタの矢が剣先の様になっており、素材が魔鋼でした。」

「あの矢で攻撃されたら防御は難しい。

防御魔道具で何処まで防ぎきれるか分からないが、兎に角ダビン港に到着しないことには始まらんな。」

対応策を考えながら進んでいくと、海が見えて来た。

そして、ダビン港の港街の城壁が見えて来た。

門まで辿り着くと、

「帝国軍騎士団だ!開門」

と騎士が告げると門扉が開かれる。

門扉が開かれると副官や参謀長それに各団長達が開いた先で、待っていた、

「軍団長、ご無事で何よりでした。」

「他は無事に辿りついた様だな。」

「はい、しかし兵士は2068名 魔法師は811名となってしまいました。」

「一息付いたら門の前に壁の設置をさせてくれ。もう、こちらからは味方が来ることは無い。

副官、防壁魔道具は持ってきているか?」

「はい、城壁に配置させている最中です。」

「魔法兵団長、魔法師にロックウォールの作成をさせてくれ。」

「了解致しました。」

「皆んな、代官屋敷に向かおう。

魔法兵団長は指示が終わり次第来てくれ。

防衛対策の会議を行う。」

「「「「「はっ」」」」」

皆を引き連れて代官屋敷に向かった。











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