第51話 その頃ロスランでは
SIDE:副代官オデット
私は、今ヴァルグード様が作られたアイテムバックを持ち、商業ギルドに立ち寄っている。
中に入ると周りの壁は白く入口には帯剣した警備が2人立っており、建物の中間位にカウンターが幾つも並び、
入口からカウンターまでに待合のベンチが4列並べられてカウンターに受付が商談の話を聞いている。
入口に入ると直ぐに商業ギルドの制服を着て案内の腕章を付けた茶髪赤眼の男性が話しかけて来た。
「これはオデット様本日はどの様なご要件でしょうか?」
「今日は、引き取って欲しい商品を持ってきた出来れば鑑定持ちに査定して欲しいのだが、今日は空いているかな。」
「例のダンジョン産でしょうか?」
「それも有るが、それ以外も持って来ている。」
「畏まりました。
副ギルド長をお呼びして参りますので暫く、おベンチでお掛けになってお待ち下さい。
それでは失礼致します。」
暫くベンチに座り呼ばれるのを待っていると、受付の方から言い争う声が聞こえる。
「ですから、行政府から何も発表が無いので、此方ではお答え出来ないんです。」
「そんな事言って、商業ギルドが粗方押さえようって魂胆だろ!そうじゃ無かったら紹介状ぐらい発行してくれても良いじゃないか!」
「何度も申し上げています様に、どこの、だれに、なにを、紹介すれば良いのか教えて下さいと言ってます。」
「だからダンジョンに出店したいって話だと言ってるだろうが!!」
「此の領にダンジョンがあるとの行政府からの発表が無いのです。
それをダンジョンがあるから、そこに行くための紹介状が欲しいと言われても、持って行く先が分からなければ書きようが無いと言っています。」
聞こえてきた話はダンジョン出店の紹介状を貰いたいが商業ギルドは持って行き先の宛名が無いと書けない。 の押し問答というわけか。
「なにを騒いで居るのですか? 騒々しい。」
「副ギルド長!聞いて下さい。
ダイム商会さんが、ダンジョンへの出店の紹介状を寄越せと迫って引いてくれないのです。」
「ダイムさん行政府が正式見解を発表しないことには何も出来無い事ぐらいご存知でしょう。
それに冒険者ギルドがちゃちゃを入れていることぐらい耳に入っているのでは?
それが纏まらない限り商業ギルドは何もお渡し出来ませんよ。」
「ぐっむぅ〜。」
「さあ、今日の所はお引き取り下さい。」
「また来る。」
そう言ってダイム商会は去っていった。
副ギルド長は受付嬢に何か耳打ちをして、
「オデット様、お待たせ致しました。
鑑定が必要との事とお聞きしています。
応接室にてお話を伺いますので、どうぞ
と言って副ギルド長がカウンター脇にあるスウィングドアを開いて、その奥の扉に誘導する。
「では、失礼して。」
私は声を掛けられたので奥の扉に進む。
「改めまして、副ギルド長をしております、エドワードです。
早速商品をお出し頂けますか。」
「この度、ガルチ村に副代官として着任したオデット・バロレ・ダランソンです。
取引したい商品ははこちらです。」
と言って、アイテムバック3個、マジックポーチ2個を背負い鞄から取り出しテーブルに置いた。
「拝見致します。」
副ギルド長はアイテムバックを手に取り鑑定をメートルとはする。
一瞬副ギルド長の顔に緊張が
「これはもしや、例のダンジョン産ですか
?」
「そう云う事にしておきましょう。」
「何やら、含みの有る
容積が10立方メートルとは素晴らしい容量ですね。
しかも時間経過が測定不能とは。
こちら全て鑑定して宜しいのですか?」
「是非、お願いします。」
副ギルド長はアイテムバックの残り2個とマジックポーチ2個を鑑定する。
「全て未登録の品でカバンの容量が10立方メートル、ポーチは5立方メートルですか、こちら全て時間経過測定不能と出ています。
こちらは全て買い取りですか?」
「アイテムバックの買い取りはいくらですか?」
「そうですね~、アイテムバックは市場に出回っている物は5立方メートルの品で時間経過が120分の1ばかりで、そちらでも買い取りは未登録で2000万ダラが上限です。
しかし持ち込まれた品々は時間経過測定不能ですからね、商業ギルドとしましてはアイテムバックは5500万ダラが精一杯です。
マジックポーチも2500万ダラが出せる精一杯なところです。」
「すべての品をこちらのギルドで引き取れるのですか?」
「ぶっちゃけますが、私の権限で買い取れるのはアイテムバックは1個とマジックポーチ一個が精一杯です。
それ以上の買い取りとなるとギルド長の許可が必要となりますので、商談としては引き取れないと、今は申し上げるしかありません。」
「それでは、アイテムバック1個とマジックポーチ1個を買い取りお願い致します。」
「畏まりました。
それでは残りの品々の鑑定書はお作り致しますか?ご存知とは思いますが鑑定書費用は10万ダラとなりますが。」
「お願い致します。」
「それでは購入代金と売買契約書、鑑定書をお作り致しますので
そう言って、副ギルド長は応接室から出ていった。
入れ替わりに男性職員がお茶を持って来てテーブルに置き出ていった。
男性職員はキャスターワゴンを引きこの上には大金貨と書類、そしてサイン用のインクとペンがあった。
「大変お待たせを致しました。
此方が代金の8000万ダラとなります。
そして売買契約書になります。
こちらにサインをお願い致します。」
一旦代金を受け取りおサイフ袋に収めて、売買契約書にサインをした。
おサイフ袋から小金貨3枚を出して、「こちらは鑑定書の代金です。」
副ギルド長に渡した。
「確かに頂きました。
此方が品々の鑑定書3枚となります。
どうぞお納め下さい。」
と副ギルド長は羊皮紙の鑑定書を私に渡した。
「確かに。 それでは私は次がありますのでこの辺で失礼。」
「お送り致します。」
と言って皆で応接室を後にした。
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