第41話 お祖父様がやって来ました

今日は、先ず東側に門扉を作って設置していこうと思う。

エーデルトと騎士2名に


「今日は、そろそろ城壁の門に扉を設置していこうと思う。

東側から南、西、北の順番で回ります。

手伝い宜しくお願いします。」


「「「畏まりました。」」」


代官屋敷を出発して東側の門扉設置場所に到着する。

先ず、木のパウダーを出して長さ4mで1m✕1m角の柱に丁番が5個付いた柱をイメージして、「創造」を唱える。

この作業を繰り返して4対8本の柱を製造した。これに厚み50cm高さ2、8m横幅2mの扉を丁番5個付きの扉を左右4対8枚製造する。

1対の門柱と扉を丁番で繋いで、城壁の横に1名様✕1m深さ1mの穴を「圧縮」で作り扉をセットした門柱を穴に差し込む。

起こして差し込んだら地面の隙間に砂を入れて「創造」と唱えて隙間を無くす。

反対側にも同じ手順で作業を行い外に向かって開く両開き扉の設置が完了した。


「あっ戸締まり用のかんぬきが無い!!」


コの字の閂を通す受け物を扉の両方に2個分づつ設置をして閂にする角材も用意した。

残りの3対の扉にも設置してインベントリに収納した。

(そう言えばインベントリそのまま使っちゃてるけど良いのかなぁ。後で誰かさんに怒られそう。)

続けて南側に向かい同じ要領で設置して西側に向かう途中に孤児の4人組と出会でくわす、


「なかなか出逢うことが無かったけど、元気にやっていたの住む所はちゃんとしている所を貰ったの?」


「ヴァルグード様、お久しぶりです。

副代官のオデット様から西側の民家を頂きまして、4人そこで共同生活をしています。

孤児院で兄弟のように生活していましたから、食料もふんだんに頂きまして何も不自由無く生活しています。メイドさん達と修復や片付けお直しを教えてもらっています。その手伝いで給金を頂いてますから、助かります。」


「そうなんだね。

困ったことがあれば何時でも言いに来ていいからね。他の仕事に挑戦したくなった時にも遠慮なく相談に来て欲しい。」


「有難うございます。

その時は宜しくお願い致します。」


そう行って、彼女達は代官屋敷の方角に歩いて行った。


「まだ片付け仕事はあるみたいだね。」


「今では、メイドの仕事も手伝わせて読み書き計算をメイド達が教えているみたいです。」


「それは良い事だね。」


そんな話をしながら西側に到着して門扉を設置して、ついでに屯所を手伝って貰いながら建築した。

西側を終わらして北側に向かっていると、

馬車が3台と騎乗した騎士6名がこっちにやってくる。先頭馬車の馭者がテリーだったので、副代官のオデットが帰還する一団という事は分かる騎士の護衛と云う事はお祖父様が来たのだろうが最後の幌馬車が分らない。

(なにか買い付けて来たのだろうか?

金属だったら嬉しい)

取り敢えずこちらが見ていることはあちらも分かっていると思うので馬車が止まるのを待つ。テリーが私を見つけて


「ヴァルグード様、只今戻ってまいりました!」


「お疲れ様でした。

僕たちは今から北側に問扉を設置しに行くから、代官屋敷で待ってて。」


「畏まりました。」


そう言って馬車達はすれ違って行った。

北側に到着して門扉を設置したので代官屋敷に戻る。戻ってみると、食料や金属もやはり買って来てくれた。

(種籾もありそうだ。)

畑作りも勧めないといけない、やる事が山積みだ。

執務室に行くと、お祖父様と副代官のオデットが何やら話をしていた。

私が執務室に入ると同時に二人、共に此方を振り向いた


「オデットお疲れ様でした。お祖父様お久し振りです。叔父様方はお変わりありませんか。」


「ヴァルグード様戻りました。

少し留守にするだけと思っておりましたが、ダンジョンの件で少し滞在が長引いて帰りが遅くなりました。申し訳ありません。」


それを聞いたお祖父様が


「ヴァルグード、久しいな。

お前がガルチ村の代官をすると聞いて、ティモンは頭がおかしくなったと本気で思ったぞ。

オデットが遅れたのは儂も同行した冒険者ギルドでギルド長がダンジョンの運営をギルドに全て任して欲しい。とゴネる。ゴネる。何度か話し合いしたがこちらが運営すると聞いて、発見者が自分だから。と訳分からん論理迄振りかざして譲らんのじゃ。」


「冒険者ギルドの話は分かりました。

お祖父様はこちらに来られたのはどういった用件で? ダンジョンに向かいたいと云うことですか?」


「ダンジョンも当然興味はある。

一番はヴァルグードに会うためじゃ。

可愛い孫が理不尽な仕打ちに打ち拉がれているのを慰めて、代わりに復興しようとな。

それに、ガルチ村の惨状を確認しておきたくてな、ロスランに来たガルチ村の生き残り達の中には村に戻りたいと言っている者もおるのでな。

しかし来てみると、すっかり様子が変わって

城壁まで出来とるし、村は未だまだスカスカじゃが主要な建物は完成しているようじゃの。ヴァルグード、短期間に良くここまで頑張ったのう。」


「有難うございます。

お祖父様には村の整備に必要なモノをご指南していただきたいのですが宜しいでしょうか?」


「構わんよ。それでは後で村を見て回ろうかのう。」


「はい!お願いします。」


「それで、ヴァルグード様、騎士達が見当たりませんがどこかで作業をしているのですか?」


「騎士達はダンジョンに向かわせているよ。

馬車と徒歩でダンジョンの行き帰りでどんな不具合があるかの確認とダンジョン内部での資源調査もお願いしている。」


「と云うことは、復興作業は今いる騎士2名とエーデルト其れとヴァルグード様4名で作業と云うことですか?」


「そう云う事だね。 ……何か問題?」


「森に行ってもらって建材にする木々の伐採をさせるつもりでした。

職方ギルドに建築依頼をしたのですが、建材が集まらないので半年は待ってほしいと言われまして、それならばこちらで用意するから人だけ手配して欲しいと頼んでいるのです。

ヴァルグード様が製作する建材は硬すぎて加工や釘打ち出来ませんよね。

なのでの建材が必要なんです。」


仰るとおりです。



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