第35話 ダンジョンのある山を
翌朝、早速ダンジョンへの道作りが始まる。
野営した場所からS時に道を作っていく。
森を抜けて岩がゴロゴロと転がっているところに出てきたそして待望の海が見えてきた。
海側は崖になっていると報告を受けているので魔物達は崖を伝いながらこちらに来るようだ。そのルートを確認しに行く。
「これがゴブリン達が伝ってきた崖か。
凄いなゴブリン。」
私が感想を述べていると ウィリアムが
「これは道ではありませんね。
足の踏み場が30cmしかありませんよ。」
そんな話に副代官が
「ここは土ではない為、土壁を作れません。
道の整備方法を改めて考えませんとダンジョンにたどり着きません。」
「そうだね、どうしようか、でもゴブリンジェネラルも居たのでしょ。ゴブリンジェネラルが此処通れる?」
エーデルトが薄笑いを浮かべながら
「足の指を鍛えていたんじゃないですか。
プフッ!」
自分で言って吹き出していた。
「冗談は兎も角、横移動ではなくて、縦移動したのではないでしょうか?」
ウィリアムがそう言って話を続ける。
「ゴブリンジェネラルであれば崖では無く、山を上り頂上から降りてきたのではないですか?」
「そう云う事か。ゴブリンであれば30cmでも足場になるけど、ジェネラルからすればただの崖の突起でしか無い。
そこで上は山なのだから、クライミングすれば登れる、それだけの腕力も体力もあるからね。という事は山の天辺を消滅させて平らにしたのち下に降りる階段を作れば良いんだ。」
「ヴァルグード様、それは流石に無理があると思うのですが、どうやって平らにするのです。」
副代官の言葉に
「それを今考えます。」
「そうですか。」
「取り敢えず、山の頂上まで行ってみよう。」
「畏まりました」
4人で登山を始める。
途中で大きな岩が行く先を遮る。
私は、その大きな岩に手を当て練気力と神力を流し込む木程素直には浸透しないが力任せに押し込んだそして満遍なく浸透した感じを受けて「分解」と唱えると
大きな岩は砂になって崩れたのでそのままにして先に進んだ。
そうして頂上まであと少しのところに来た
ここで地面に手を当て練気力と神力を頂上目掛けて流し込む。
10分程流しているが全然浸透させている練気力が万遍なくとは成らないので、浸透した範囲を「分解」と唱えて砂状に変えた。
すると砂が我々を襲うようにこちらに流れ落ちて来た。
慌てて「インベントリ」と叫んで発現させインベントリの口を広げてその砂を収納した。
山の頂上から5m下の3分の1が消失消失したので、同じ作業を繰り返した。
頂上が直径100mの更地になったのでダンジョンある側を除いたダンジョンまではけっこうな距離があったのでここからどうするか相談する。
「取り敢えずはここからダンジョンにたどり着く為の階段の作成をしますか。」
「我々に出来ることがなくなってしまいました。」
ウィリアムが言うと、副代官が
「私とウィリアムは村に戻っておきましょうか、エーデルトは護衛兼身の回りの世話で置いておきます。そうしておけば、ここでの作業を続けられます。
ガルチ村の受け入れは私とウィリアムで進めておきます。まだ使える建物は、数在りましたから大丈夫です。」
「そうだねここで中途半端に帰ってもダンジョンに冒険者を誘致出来ないしね。ダンジョン探索が出来る様に整えるまではやらないと行けない。」
「それではお先に失礼いたします。」
「失礼いたします。」
副代官オデットとウィリアムは村に戻っていった。村までは22km程、大人の足では5時間掛からないぐらいだ。無事帰れることを祈ろう。
次に、もう少し山の高さを低くしようと20mの範囲を深さ5mまで練気力と神力を浸透させると「分解」と唱えて砂状に変える。
これを4度繰り返して
最後は一段下がった場所に降りて残りを分解した。
更地になった天辺は130m程になったがそれでもまだダンジョンまでは程遠い。
村を出て3日目の朝が来た。
昨日は、頂上を20m低くした天辺は直径200mまで広くなった。
今日も頑張って頂上を低くしようと思う。
今日は20mの範囲を10mの深さまで練気力と神力を浸透させて「分解」と唱える。
砂状になった物をインベントリに回収するそれを9回繰り返して最後はまた一段下に降りて残りを分解しインベントリに回収する。
そうして、40m頂上を低くして天辺は直径400mまで広がった。
ダンジョンの洞窟は150m位下に見えていた。ここで階段を作ることにする。
60cmの高さで踏み幅が40cm踏み面の長さが1、5mの階段を螺旋状に削って行く。
計算上ダンジョンに辿り着くには、250段必要となる。
1段踏み込みを作っては次にという具合で
ダンジョンに背を向けた反対側から作り始め山側を垂直に削り地面を水平に削って降りていく、1段1分で段を作成し約4時間でダンジョンに辿りついた。
山を削り倒すとは思いもしなかった。
ダンジョンの手前の山側を深く掘り洞窟のような踊り場を作った。
そうしてダンジョンの入口と繋げる。
ダンジョンの入口は直径5m程の洞窟になっており、外からは中が見えない。
ダンジョンの入口付近でエーデルトが
「入ってみますか?まだ日は高いですから、4時間ぐらいは探索出来ますよ。」
と誘ってくる。
私もワクワクが止まらず、
「行っちゃうか?」
「行っちゃいましょう!」
そうして私とエーデルトはダンジョン探索に向かった。
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