第34話 ダンジョンへの道
翌朝、日が昇ると同時に起床して厨房に、食料品を置いておく。
昨日のスープが残っていたので、スープを温め干し肉、パンで朝食を食べた。
みんなの分を置いて、外に出る。
朝のジョギングをしながら、住む所の整備を考えるがパウダーを成形する方法が浮かばない。
道は表面をだいたい綺麗に整えればば良いので正確さは気にしなくても良かったが建物はそうは行かない。
1時間程でジョギングを終わらせ屋敷に戻ると皆んなが玄関前に集まっていた。
「皆んな、おはよう。早いね~。」
「「「「「おはようございます。」」」」」
副代官のオデットが、
「今日は、ダンジョン迄の道の整備を行うのですが、ロスランから別班が到着するのは4日後と思われます。
それまでに住居を整えないといけませんが、ダンジョンの様子は見ますか?」
「ある程度、ダンジョンの魔物を間引いておかないとダンジョンブレイクしてしまうかも知れないから1日だけダンジョンを探索しましょう」
「畏まりました。 それでは出発しましょう。」
こうして東側へ向かって道を作りながら進んで行くと森が見えてくる。
森には魔物の気配がする。
「ヴァルグード様、ゴブリンがいます。」
「そのようだね、光属性魔術で薙ぎ払う?」
「そうして頂けましたら、怪我も追わず助かります。」
と云う事で、手に練気力と神力を集めれるだけ集めて右手の指先に集中させる。そして「〝
すると、木々がどんどん将棋倒しの様に、
奥へと倒れていく。
それを歩きながら回収していく。
ある程度迄行くとゴブリンの切断された死骸が無数に倒れている。
「これどうすべきかなぁ」
エーデルトに話を振ると
「ゴブリンはなんの素材にもならないんですよね。
ダンジョンでは死骸に魔石があるそうなんですがダンジョン以外の外にいるゴブリンは上位種以外魔石を持っていないのです。
不思議なんですが、ダンジョンブレイクして外に出てしまった魔物の魔石は小さくなったり、無くなっている様なんです。
ですからゴブリンは何も価値が無いといわれ討伐はその領の持ち出しで報奨金を支払うハメになってしまうんです。
ダンジョンは資源を生み出す宝箱でありますが、一方で魔物を吐き出す災害でもあるんです。
ですからダンジョンが発見されると冒険者ギルドに委譲する領主もいます。
管理を冒険者ギルドに任せ、それの売買に税金を掛けて領の収益にするのが、一番堅い方法です。」
「なるほどね。 副代官、うちはこのダンジョンをどうするつもりなのか聞いてる?」
「領主様からは、ヴァルグード様に一任すると伺っています。」
「僕、何も聞かされて居ないのだけど。」
「ダンジョンからガルチ村は直線で道を整備すれば20kmの距離です。
ガルチ村はダンジョンに向かう冒険者の最前地としてとても使い勝手の良い村となる訳ですから、ご領主様はヴァルグード様に御任せしたほうが発展するとお考えになっているのでは無いでしょうか。」
「ダンジョン村を作るには冒険者ギルドの協力が絶対に必要だな。
今度、ロスランの冒険者ギルドに話をしに行こう。
その時は皆んなついて来てね。」
「「「畏まりました。」」」
「では作業を始めますか!」
先に倒した木々をインベントリに回収して、
切り株を分解するその後を副代官とエーデルトが土壁を作っていく、
木のパウダーは在庫がたんまり有るので、倒した木々を使わない。
土壁の溝にパウダーを流してウィリアムに水を散布してもらう撹拌していると、ふとゴブリンを分解してしまえば腐敗臭とかに困る事も無いかと考える。
「ちょっと待って〜」
土壁を作っている2人に声を掛ける。
「どうしましたか。」
「ゴブリンはさ〜、このままだと腐るよね。
アンテッドとかに成らないの?」
「なるかもしれませんしならないかもしれません。」
「どういう事。」
「魔素の濃度によります。魔素の滞留する場所に死体を放置すればアンテッドになるかもしれませんが魔素の少ない場所であれば腐敗のみです。
それを食物にしてしまう魔物が森にはいます。 スライムです。
魔素が滞留して居なければスライムが全て片付けてくれますよ。」
「そうなんだ。じゃあ死骸は放置でいいね。」
「大丈夫です。」
と副代官からお墨付きをもらい、作業を続ける。
15km程進んで行くと坂が急になって来た。
これは直線で進むときついので、道を蛇行させる事にするが、ダンジョン村を創るスペースが無い。
ここで一旦休憩する。
「ダンジョンは直線だと後5kmって所何だけど、この坂じゃ真っ直ぐには進めない。
しかも村を造るには平らな部分がないと難しい。
ダンジョン村には冒険者ギルド、商業ギルド、宿屋や武器屋、道具屋、薬屋も必要となるし、自警団も作ってダンジョンブレイクには対応しないといけない。
なにか良い方法ある?」
「街の構想はひとまず置いておいて、道を作ってそれに添わせる様に階段状の段々で平地を作っては如何ですか?」
「それもありだね。良し!その案で町並みを想像しながら道を作ろう。
今日は遅くなってしまったからここで夜営して、明日に備えよう。」
こうして1日目のダンジョン街道の作成は終了した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます