第14話 不穏な知らせ

お披露目会から5日が経過した。

朝のジョギングは欠かさず、午後の剣術鍛錬も続けている、素振りだけだけど。


そんな訳で、進捗確認の為「ステータス」

※※※※※※※※※※

名前 ヴァルグード・リートゥス

年齢 5歳

種族 ヒューマン

性別 男性

職業

Lv、1

生命力 30

魔力  15(練気力 120万 神力60万)

攻撃   8

器用  20

俊敏  20(スキル使用時130)

防御  25(スキル使用時520)

知力 138

精神 110

運  100

〝スキル〟

ステータス

身体強化

身体金剛

痛覚耐性

縮地

スクリーン アクティブ枠«隠蔽»«解析»«顕  微»«透視»«※遠見»«地図»

      パッシブ枠«検索»«鑑定»«人物照会»«多重発動»«※感知»

全属性魔術


〝祝福〟

創造神の加護

智慧神の加護

※※※※※※※※※※

ここで魔術の研究が停滞してしまった。


木々を切り倒す事は水刃や風刃で切り倒す事は出来ても根っ子の除去をどうしたら良いものか思案中で停滞している。

此処は新たな試みをする事にした。


それは異世界なら定番中の定番。

アイテムボックス若しくはインベントリと呼ばれる、異次元収納を習得したい。

〝アカシックレコード〟が異次元に存在するならばアクセス出来ている時点でそこにスペースを作れるのでは無いかと思う。

先ず、(スクリーンオープン)

歯車ボタンを押し、アクティブ枠とパッシブ枠を立ち上げる。

パッシブ枠をタッチしてキーボードパネルで収納と打ち込みenterキーを押してみる。

すると、パッシブ枠に収納が登録されたではないか!

石をスクリーンの立ち上がっている所に充てがってみるがスカッとすり抜けしまう。


収納する事が出来ない。

「あっ!!」

思わず声が出てしまった。

おマヌケにも程がある。

(収納)と頭の中で唱えると別のウィンドウが立ち上がった。

それに石を充てがうと、収納するではないか

「やった〜〜〜。」

このウィンドウに収納域を拡張する為に、神力を流し込んでみる。


収納のウィンドウに手を突っ込んで、神力をリンパ腺に乗せて指先から流し込むイメージでやってみるもなかなか動かない。

そういえば神力はそもそも練気力を抑え込む為に頂いた力だから練気力と一緒に動かさないと駄目なのかもしれない。


先に練気力を流し込んでその後を神力が沿う様に動くイメージで再度挑戦してみると、神力が動き出す。

どんどん流し込んでるとウィンドウの左上に

インフィニティのマークが光って点滅している。


流し込むのを止めるとマークの点滅が止まって文字が現れて来た。

〝容量は無制限となりました〟との表示

そして20秒後に文字は消えた。


晩餐のために食堂に向かっていると、セバスチャンが慌てた様子で、執務室に向かって行った。

食堂には兄姉と私、母は赤子の世話で自室で食堂なので後は父が来れば食事が始まるのだが、父ティモンが扉から顔を出して、

「カリアス、子供達だけで食事を始めてくれ」

と言って食堂を出て行く。


兄カリアスは、

「父上が忙しいそうなので先にいただこう。」

「神の恵みに感謝を」

「「神の恵みに感謝を」」

私達が食事を終える頃に、父ティモンが食堂に戻ってきた。


「お前達には未だ早いかも知れないが、ボロッカー山地とロスランの中間にあるガルチ村という村が魔物によって壊滅した。

これから俺は朝食を済ませたら騎士団を連れてロスランに向かう。

お前はアリーシアと末の子を守ってくれ。」


兄カリアスが

「分かりました。父上どうかお気をつけて。」

「父様、ご武運をお祈りします」

「父上、気を付けて」

「ありがとう、帰る時はお土産を買って帰るからな。 

それが終われば末の娘の〝命名の儀〟だから素早く終わらせて来るよ。」


食事を終わらせて食堂を出ると廊下で母アリーシアと出会でくわす、私は

「母上、おはようございます。」

「ヴァルちゃん、おはよう。」

朝の挨拶を済ますと、母アリーシアは食堂に、私は部屋へと進んだ。

2階に上がると部屋の前にはエーデルトが待っていて、一緒に部屋に入った。


「エーデルト、今日は早いじゃないか?」

「お話はお聞きですか?」

「村が魔物によって壊滅した話し?」

「そうです。ヴァルグード様、領主様にあの魔法のお話しされた方が良いのではありませんか?」


「それは止したほうが良いかな。

父上は直ぐに出かけてしまうし、それに僕は魔物と戦った事が無いし子供だ。

子供が大きな力を持っていると知れれば、良からぬ事を起こそうと考える者達が出てくる。せめてその対策が出来るまで秘密にしたい。」


「分かりました。

私も気が逸って浅慮な発言でした。

お許し下さい。」

「実は、僕も討伐に参加したいって言葉が喉から出掛かったんだ。でもまだ未熟者だから止めておいた。だからエーデルトの言いたい事は良く分かるつもり。

何時いつでも参加出来る様に鍛錬しないとね。」

そして、父ティモンは騎士団100名を引き連れて、ロスランに出発した。


私は、エーデルトと裏の林に向かい、魔術の鍛錬に勤しむ。

先ずは、木を切り倒す為に、

「〝水刃〟」

ウォーターカッターを発現させ木に当てたが

木が大きいので、深くは傷つけられない。

「〝風刃〟」

ウィンドカッターを発現させて違う木にぶつけるが効果はウォーターカッターと同じぐらいの威力だった。

「エーデルト、カッター系の魔法以外に、気を伐採する良い魔法は無いかな。」

周囲の地面を見渡すと木の葉や枝が落ちている。年月を掛けて分解されて腐葉土になる。

(腐葉土は作物の良い肥料に成るんだよな〜っ! そうだ、分解だよ!分解。

バクテリアの代わりを何かですれば良いんだ。)

木に抱きついてインベントリでやった様に、木に向かって練気力を輪切りをイメージして流し込む次いでに神力も流し込む。


木から離れて発現させる為、

「〝分解〟」

唱えると、

「スパン!」

細い光が木にぐるりと走った。

(«ピロン。»分解を取得しました。)

スキル取得の表記が現れたが無視して、

「エーデルト、木に体当たりしてみて。」

「畏まりました。」

と頷き、木に体当たりをすると、木が

「ギ〜〜ガサガサ、ドッカ〜ン」

と倒れた。

良いスキルが手に入った。







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