第126話 古代魔法【 再構築⠀】
「セレスティア様、魔力解きましたよ 」
「そうだね、ありがとう春陽! これでやっと安心して話ができるよ 」
彼女が納得してくれたようでよかった。
それから俺はその生き返る方法とやらを話した。
◇
「へぇなるほど。外の器だけを再構築するってことか。たしかにそれができれば私はその器に入って復活、レイラは意識を取り戻す。全て解決になるね 」
「どうでしょうか? 」
「……仕方ない。春陽、君に賭けよう。いや賭けるしかないようだね、アウロラ 」
アウロラ?
彼女、もしかして気づいた?
(春陽、【
思ったよりも早くバレたようだな。
そう、その力を透明化して念のため力を解かない、というのがアウロラの提案とやらだった。
「セレスティア様、隠していてすみません。しかし本当に悪いようにはしませんので信じてもらえると嬉しいです 」
「まぁ今まで私も一緒に旅をしてきて君のスゴさと誠実さは知ってるつもり! だから信じるよ! 」
「ありがとうございます! 」
よかった、セレスティア様は信じてくれたみたいだ。
あとはアウロラがイメージで教えてくれた魔法を使うだけ。
「では一度地上へ下りましょう 」
「あぁ分かったよ 」
そうして俺と彼女はアーカシス様達がいる場所まで戻ったのだった。
もちろん仲間の元へ近付いてもらうのはまた彼女が力を発揮したことを考えると少しリスクがあるかもしれない。
しかし彼女は俺達を信用してくれた。
それならばこちらも信用する、それが1番良いと判断したのだ。
ちなみにアウロラにも相談したが、同じ意見だった。
「春陽、その感じ説得は成功したみたいだな 」
「はい、なんとか! 」
「それとセレスティア、久しぶりだな 」
アーカシス様はセレスティア様へ声をかけた。
「ええ、200年ぶりかしらね、アリアも久しぶり。2人とも、こんなことをしてごめんなさい 」
「それは身体が戻ったあと散々説教してやるから覚悟してなさい! 」
「え……えぇ分かったわ 」
あれだけ優位に立っていたセレスティア様が少し怯えた顔をしている。
しかしどこか懐かしい雰囲気を醸し出している3人の会話を聞いていると、昔から仲良かったことがひしひしと伝わってくるような気がした。
「あとアーカシス、あなたもよ? 私に許可なくここまで連れてきて。一つ相談があってもよかったんじゃない? 」
「あ……あぁ悪かった 」
やっぱりアリア様が序列的に1番強いみたいだな。
「あの……今から魔法発動しますね? 」
ちょっと神同士の久々の会話に割入るのは申し訳なかったが、アウロラが早くしろと急かしてくるので仕方なしに声をかけた。
「ええ、お願い! 」
「……あぁ頼む 」
「……お願いします 」
アリア様が食い気味に、それに続いてアーカシス様、セレスティア様の順に返事を返してきた。
(よし、春陽イメージを送ったぞ )
「あぁありがとう。セレスティア様、俺と手を繋いでください 」
「え……えぇっ!? 手、手を繋ぐの……? 」
彼女はかなり動揺している。
「はい、それで自分の姿を思い出してください。 ちなみに違うものを想像すると造り出せませんので 」
「あ、そういうことね。分かったわ 」
そう言って彼女は俺に手を差し出した。
「よし、準備はいいですね? 」
彼女にそう問うと、目を瞑ったまま頷いてくれた。
きっとイメージしてくれているのだろう。
「古代魔法【
この魔法により、彼女がイメージしているものを感じ取ることができる。
そしてそれを創り出すという工程だ。
一見簡単そうに聞こえるが、複雑な魔法式がありそれをアウロラに教えてもらわないとできない。
ただ別の世界からきた俺がそんな魔法式見てもわかるはずがないのだが、どうも俺はそれをイメージするだけで魔力が勝手に魔法式を組み立ててくれるみたいだ。
そのことを考えると、やはり俺はこの世界で特別な存在だったのだろう。
そしてこの魔法は順調に進み、その形を遂に再構築できたのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます