第29話

「つまり、彼女作ればいーじゃん?」


「そういうことじゃないでしょ」


「どんな女がタイプ?」


「ちょっと!変なこと言って!」


「このまま続けたければどうぞ?だけど、俺たちはあなたを助けられませんよ?この噂は広まってます。あなたがどれだけやったか知りませんが、誰か俺らみたく調べにきたとしたら、カメラの指紋とかそういうので特定されちゃいますよ」


「…つ、捕まる?」


「そーっすね」


「それは、嫌だ…」


「なら、他のことしたら?カメラとかそういうの得意なら、なんか、あるっしょ?楽しいこととか」


「部活とか、あ…SNSとかに写真をアップしたりとかは…どう、でしょうか?」


「僕は、遊んではいけないんです」


「いや、遊んでましたよね?いたずら」


「それは…」


「ま、捕まらない遊びがいーすよ?じゃ、帰りますか」


「あ、はい。…あ、ベンチのスピーカー?あれ私が壊しました。カメラも、すみません」


「え。お姉さんが…どうやって」


真っ青になってしまった。


「すみません!えっと…」


言えない…


「怪力なんですよねー。すみません。そうそう、俺らカップルつーか、兄弟みたいな感じ?ですよね」


「違います。帰ります」


「え、なんで怒るんですか」


「怪力じゃないんですけど!」

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