第27話
何も起こらないまま、20分経過。
「夜になったら起こるとかありますか?」
「いや?何も見えないからそれはないと思います」
「じゃあ、今日は解決できないってことですか?」
「うーーん、いつまで待てばいーんですかね?普通」
「私に言われても」
「えー、楓さんこういうの詳しくないんですか?」
「なんですかそれ。こういうのって?」
「なんか、そういう本読んでます?」
「…雪見さん、こういうとかそういうとか、その表現じゃわかりません」
「…えー、じゃなんて言えばいーんだよー」
だだこね出した。めんどくさ。
「はぁ、他に言い方あるんじゃ…」
「出て行け…ここから…消えろ…」
え。声がした。
「な、なに!?この声!どっから?やば、怖!」
雪見さんは立ち上がってキョロキョロ。
「今の声、人の声と言うより、機械で加工されたような声でしたよ」
「え、まじ?楓さん怖くなかったんすか?」
「だって雪見さん、見えてないから」
「あー、そーでした」
「お前たちは…一緒にいてはならない…」
「はぁ?なんだって?」
「破滅する」
「は?どういうこと?おーい!誰かいる?」
雪見さんは叫ぶが、返事なし。周囲に人はいない。
「お前は呪われている…」
「へー、自分で言うんだ」
「雪見さん、このベンチの下から声が…」
「立ち去らなければ、呪う…」
「呪ってみろ」
雪見さんはベンチ下に顔を下げる。
「消えろ…」
「お前、誰だ」
返事はない。
「雪見さん、あちらが一方的に話してます。こちらの会話は聞こえてない」
「まじ?」
再び顔を上げた。
「監視されてるのかもしれません」
「楓さんは、熱?の反応とかわかるんですよね。この間スマホ探した」
「あ、それは、住職に言われ…」
「呪うぞ…」
「でもいつもできるかど…」
「呪う…」
「…うるさい。やってみますね」
とりあえずベンチ下。座ってる…たぶん、この、木のベンチの空洞部分?より下かな?熱、確かに…
バキッ
「うお!なんの音?」
雪見さんは、立ち上がる。
煙…
「バッテリーだったかも…」
「…壊したんすか」
「たぶん…」
「じゃ、カメラ!その辺、あるんじゃないすか?」
「そう、ですね」
私たちを見れる角度、そして、レンズが比較的見えないところ…
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