公園

第25話

「えー、楓さん、今日パーカーすか?」


「なんですか?文句あります?」


「いや、ちょっと、人の家行くのにその服は、ねぇ」


「なんですか」


「いや黄色とか、派手じゃん?」


「雪見さんは、秋でもまだそんなうっすい服なんですよね?その方が変ですよ」


「いや、これは作務衣さむえっつーやつ!寺でもらったやつだから間違いねぇ」


「そんなわけないです。ちゃんと生地が秋冬用のものがあるはずですよ?」


「は?知らない」


「えー、ずっとそんな薄着?」


「そういや、そうかな」


「持ってないんですか?」


「いやーわかんね。服とか」


「はぁ、わかんないのになんで黄色はだめなんですか?」


「なんか、ヤンキーっぽい?」


「それ、雪見さんですから」


「はぁ?俺のどこが?」


「全部ですけど」


夏の仕事からだいぶ間があいて、もう秋らしくなってる。たぶん、私が疲れたと思われたのか、仕事入れないでくれたのかな。


「だから、黄色は派手じゃないです」


「ならいーすよ」


なにそれ。適当すぎる。顔色はよいし、元気そうだ。


「今日は公園って聞いてましたけど。人の家ってなんですか?」


「あー、そうか。そうだったー、公園でした」


「外なんですよね」


「あーなるほど、だから派手にしたんすか」


「違いますけど。私服です」

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