第24話
「…俺は、もともと」
お葬式は、たくさんの人がやってきた。
「客から、友達になって、それから…一緒にサーフィンして…あいつも忙しいから、会うのは、夏だけの期間限定でした。でも…」
声を振るわせながら、話す。
「あいつが、いて、よかった…見つかってよかった。ちゃんと、見送れて…
いや、死んでほしくなかった…」
啜り泣く声が響く。
「住職、本当にありがとうございました」
全ての式が終わってから、住職と話す時間ができた。
「いえ。あなたの友達を思う気持ちが、私と出会わせてくれたんだと思います」
「あの、後から聞きましたが、あの、ボーイの…あいつが見つけてくれたって…」
「そうです」
「みんな、あいつのことバカにしてた。俺も、よく知らなくて…バカにしたことがあったかもしれません。すみません」
「いえ、構いませんよ」
「今度チップでも渡そうかと思います」
「いえ、不要です。調子に乗ります」
「そうですか。じゃあやめときます」
「あなたに伝言があります」
「え?」
「宝くじが当たったので、それを全てあなたにということでした。こちらです」
「は?宝くじ?」
紙切れを手渡された。
「それを、海の家に来るみなさんにお渡ししてもらえますか?」
「…え、本当に?」
「はい。そして、できれば、海の家を守ってほしい」
「…わかりました。やってみます」
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