第19話

海の家まで歩きながら、雪見さんに拒否し続けた。


「そんな得体の知れないのを動かせたとして、私大丈夫なんですか?」


「たぶん?」


「適当すぎます!怖いです」


「あ、着きました」


あーあ、来ちゃった。ここの石の階段降りたら、すぐ到着だ。


「はぁ、嫌だな」


「雪見さん、今どんな感じに見えてます?」


「なんか、けっこういますよね〜。海の家の中もいるし、賑わってる」


「そうですか…」


何も見えない。懐中電灯を持ってるけど、雪見さんには暗闇でも見えてる?だって、海の家暗い…


「2階が家みたいですね。電気ついてます。階段上がらないとです…」


「はぁ、2階かー、はぁー」


なんか、めんどくさそうにしてる。


「階段が、通れないです」


え?


「人が詰まってますよ」


「それは…私は、通れるんですか?」


とりあえず、登ることにした。見えないし。


「え、楓さんにびびって逃げてます」


「そんなことあります?」


「後ろついて行きます」


「えー」


なんだか嫌だな。先頭とか。はぁーもう2階着いちゃう。


「ドア叩きますね」


「あ、子供もいる。年齢層広い」


雪見さんはキョロキョロしている…怖いこと言うんだから。


「すみません!ご依頼を受けて参りました、寺のものです」


すると、すぐに開いた。


「どなたですか?」


え…めちゃ、不審者がられてる!私の服装ラフすぎた!?年配のおじさんだけど、まだまだ元気そう。


「こ、こんばんは。最近、夜になると海の方が光るという…情報が…」


雪見さん、なんか言い淀んでる。


「は?誰がそんなこと」


「この辺を…通る方が…」


「この辺は夜、ほとんど人は通りませんよ」


「…そう、ですか…では失礼しました」


え、帰る?

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