【最終章:山川カンナ(7)】
「さて、
「哲郎君、この
「
「
「いえいえ。でもですね、僕、まだちょっと聞きたいことがあるんですよ。」
「答えるかどうかは
「高野さんのことなんですが、彼女がどんな
「一年前までの彼女なら殺さなかったわ。」
「この一年で
「彼女ね、アメリカで自分の研究室を持つことが
「えぇ。」
「その夢は、彼女の
「あ、そうなんですか。それは
「ええ、そうよ。だからね、私たちは
「
「私たちの
「
「
「そのアイテムはなんだったんですか?」
「
「えー、そこまで言ったなら教えてくださいよ。」
「P20のピペットマン。」
横から田畑太一郎が口を
「P20のピペットマンに
「そ、そんな・・・」と、
「高野恵美子の
「なんでだったんですか?」
「わからないわ。私たちが彼女の
「でも、だからと言って殺す
「彼女ね、自分の研究室を持つという
「あちゃー、ダークサイドに
「
「でも、口ではそう言っていても、本当は
「彼女の論文が近いうちにビッグジャーナルに
「あ、そうなんですね。なんか
「質問はもうない?」
「もう一つだけ聞いてもいいですか?田畑君を
「この坊やの日本のボスは知ってる?」
「あー、だからか。」
「俺の日本での
「田畑君、君のボスの
「そ、そんな・・・。」
「そんなことにも気付けない坊やは必要ないわよね」と、山川カンナが渡邉哲郎との会話を再開させる。
「まあ、そうなんですけど。田畑君には
「この坊やが
「そうすれば、
「そうよ。それが研究業界にとって良いことか悪いことかは言うまでもないよね。」
「それは
「
「ははは、
「それは男の子
「どうなんでしょう。でも、僕はもうとっくの
「ふうん、そうなんだ。まあ、いいわ。他にも質問はある?なければ、この後どうするか決めましょう。」
「もう質問はないですね。ありがとうございます、
「スーツケースに入っている
「まあそうでしょうね。でも、それをタダでやれっていうのは、さすがのカンナさんと言えども、ちょっと
山川カンナは
「
「
「三百じゃ
「そうですねぇ、
「
「田畑君の
「
「彼、助けてやってくれません?」
できるわけないだろう、と山川聖香が言い出しそうだったが、それよりも前に山川カンナが口を開いた。
「なぜ?」
「
山川カンナは何も言わずに、渡邉哲郎の顔をじっと見ていた。渡邉哲郎は、山川カンナが何かを言い出すのを
「まあ、カンナさんからしたら、彼は
バンの中での
「この
「ええ、もちろんですよ。」
「じゃあ、それでいいわ。でも、だとしたら、もう一つこちらの
「どんな?」
「この男との
そう言って、山川カンナはポケットから一枚の
「これ、誰です?」
「
「
「
「え、そこまでわかってるなら、僕は
「私と山川聖香の二人が彼と会えるようにセッティングしてほしいの。でも、彼と会うのが私たちだということは、
「なんかよくわかりませんが、それくらいならお
「
「よし、
その口調は、いつものドーナツ屋から帰るときと全く同じものであった。
(「最終章:山川カンナ」終わり)
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