【最終章:山川カンナ(5)】
四人が乗ったバンは、十分ほど走ったところで
走っている間、
バンの
山川聖香がバンのエンジンを切ってあと、「さて、ここで少し話をしようか」と、山川カンナが言って、
その後、バンのうしろのドアを外から開けて、山川
しかし、山川
田畑太一郎は、どこかの
しかし、そんな田畑太一郎の考えなど誰も気にしていないかのように、山川カンナはテーブルセットの
そして、渡邉哲郎はテーブルを
「田畑君も早く
「さてと、どうしましょうか?」と渡邉哲郎が話し始めると、山川カンナが
「何が目的かと聞かれても、僕はただただ
「ふーん、そうなんだ。」
「でも、まさか・・・えっと、今はあなた方のことを何てお
山川聖香がキッと渡邉哲郎をにらみつけて何かを言おうとしたが、その前に山川カンナが口を開いた。
「
「えっと、じゃあカンナさんと呼ばせていただきますね。」
「どうぞご自由に。」
「はい。じゃあ
「あらあら、私は哲郎君とずっと会いたいと思っていたわ。」
「ははは、それは
「まあ、そうでしょうね。実はね、私たちも彼女が
「やっぱりそうなんですね。でもね、
「ふふ」と、山川カンナは
「あ、僕はいいです。
「
「あ、そうなんですね。じゃあお言葉に
山川聖香は、あまり
「お、この
「おい、
山川聖香は自分の分のペットボトルを渡邉哲郎に
田畑太一郎は、自分のペットボトルには
その水は、
「なんで高野さんを
「それはまだ言えないな。先にこっちの質問に答えてくれるかな。」
「はいはい。どんな質問にお答えすればいいですか?」
「高野さんのこと、どこまで調べた?」
「彼女の
「彼女の母親の
「あ、やっぱりそうでした?」
「でもね、婚約者は実は私たちのターゲットだったの。でも、それがわかったのは、ここ数年の話よ。」
「そうなんですね。
「そうね、私たちも今はそんなに
「ははは。ま、そういうことにしておきましょうか。」
二人が話しているあいだ、山川聖香は一言も言葉を
だが、山川聖香と田畑太一郎のそんな様子とは
「で、高野さんを殺したのは誰かわかる?」と山川カンナが聞くと、
「やっぱりわかってたのね。」
「まあ、トリックと言うことすらも
「ふふふ。じゃあ、どうやって殺したのかもわかった?」
「それはわかりませんね、
「
「なるほど。でも、安楽死って・・・。
「ふふふ、
「動物とかにも優しいですよ。」
二人の会話を聞いて、田畑太一郎は自分の耳を
「何を言ってるんですか?かなえさんが高野さんを殺した?渡邉さん、高野さんを殺したのはあなたですよね?」
「
その
「今はカンナ様が話をしている。
山川聖香がそう田畑太一郎を
「まあまあ、そんなに
と、渡邉哲郎がいつものような調子で話すと、山川聖香は
そんな
「ははは。カンナさん、お
「聖香さん、
「殺すぞ。」
山川聖香がそう言って手にした
それを聞いて山川聖香は、少し
「やーい、
そんなやり取りの間も、山川聖香の手にある
「さて、哲郎君、
「そうですね。えっと、どこまで話をしたんでしたっけ?ああ、そうだ、坂井かなえさんが高野さんを殺害したというところでしたかね。」
「そこの
「あれ、そんなことしても良いんですか?」
「ふふ、
「
「あなたの
「生まれついてのものなんでね。」
と、そこまで言って、渡邉哲郎は
田畑太一郎はずっと
その表情を見て渡邉哲郎は、「あの、カンナさん、田畑君がちょっと
「
「はい。」
山川聖香が
「あれ、
「ははは、そんなことはしませんよ。」
「だよね。だから
「はいはい。まあ、あまりにも
「T大学の
「え?」と、思わず田畑太一郎は口にしてしまった。そしてすぐに、「しまった」という表情になり、
「あれ、もうネタばれですか?僕に説明させるって言っておきながら、大事なところは自分で話しちゃうんですね。」
「ふふ、ごめんね。もっと
「いえいえ、僕に
そして、「と、いうわけなんだけど、これで僕が犯人じゃなくて坂井かなえが犯人だってわかった?」と、渡邉哲郎は、田畑太一郎の顔を見ながら、そう言った。
「それって、かなえさんの
「そうだよ。あそこは
「じゃあ、あの座談会があった日、最初は東棟の六階から連絡通路で西棟に行ったから、高野さんの
「そうだよ。その後で田畑君たちが
「そ、そんな・・・。」
「で、君と真中さんが帰ったあとに、坂井さんが
「な、なんで・・・かなえさんがそんなことを・・・。それに、
「高野さんの
「あれは・・・。」
「
「色は
「これで今日の坂井さんの
「今日買ったスーツケースには俺の
「少なくとも、高野さん
***
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます