【最終章:山川カンナ(2)】
アウトレットモールの
「え、そんな悪いですよ。だって、さっきのランチもかなえさんが僕の分まで出してくださったんですから。」
「日曜日にこれだけ
「でも、僕も
「じゃあ、とりあえずご飯にいきましょうか。ちょっと気になるベトナム
「ええ、もちろんです。ベトナム
「じゃ、そこに行こうか。」
ベトナム
坂井かなえは「
ベトナム
その様子をみて、田畑太一郎は自分の
「ううん、
と、坂井かなえは少し
田畑太一郎は自分の
「高野さん、本当にどこに行ってしまったんでしょうか。あ、でも、このタイミングでこんな話をするのもあんまりよくないんですよね・・・すみません。」
「ううん、いいの。実は今日はその話もちょっと太一郎君としたいなと思ってたの。」
「あ、そうなんですか?もしかして、山川聖香さんから何か新しい
高野恵美子の
「山川さんからは
「そうなんですね。」
「でもね、ここ
「え?わたなべさんって、渡邉哲郎さんですか?」
「うん。ほら、しずえちゃんが日本に帰るちょっと前に、フードコートでみんなで
「渡邉さんから
「ええ、高野さんの事件について、色々と聞かれているの。」
田畑太一郎は
もちろん、渡邉哲郎が
そのときに、日本に帰った真中しずえは
「どんなことを聞かれたんですか?」
心の中の
「うん、それがね・・・」と、そこまで話をして坂井かなえは
次に坂井かなえが口を開くまでは、ほんの一分にも
「実はね私、高野さんからちょっと気になることを聞いていたんだ。」
「え、どんなですか?」
「高野さんの
「
「うん、
「どんな言葉だったんですか?」
「『僕が死んだとしても、これがあれば君は大丈夫。
「そういうことを言う男性がいないとは言い切れませんが、そのあとに
「うん、私もそう思う。」
「で、そのプレゼントって何だったんですか?」
「ピペットマン。」
「は?」
あまりにも
「ええ、私たちが
「二十マイクロリットルとかの少量の
「うん。それを渡されてそんなことを言われたから、その場では高野さんは『何を
「まあ、そうなりますよね。」
「でも、その後に
「そのピペットマンって、高野さんは
「うん、普通に使ってた。
「そうなんですね。で、そのピペットマンって今も彼女の
「ううん。今は私の
「え?」
「このまま高野さんが
「それは
「ありがとう。」
坂井かなえは少し
「あのね、そのピペットマンのことで
「高野さんのピペットマンと
「渡邉さんが、そのピペットマンを
「え、どういう
「あ、ごめん、ちょっとわかりやすく
「そうですね、
「私、渡邉さんとはあのときが
「高野さんが、
「うん。でも、そこからかな、渡邉さんからの
「ピペットマンのことも
「ううん、それは言ってない。でも、なぜか渡邉さんの方から、高野さんが
「え、なんで知ってたんでしょうか。」
「どうだろう。もしかしたら、高野さんの
「そういうとき、渡邉さんの
「ほとんどがテキストメッセージとかメールだから
二人の
「そのピペットマン、何か変わったところはありますか?」
坂井かなえが自分の料理を食べ終わるのを待って、田畑太一郎はそう聞いた。
「ううん、普通のどこにでもあるようなP20のピペットマンだよ。」
「そうですか。」
「あのね、もし良かったら、このあと私の
そのとき、
B市の
「え、今からですか?」
「あ、そうよね。もう
「あ、いえ。僕は全然大丈夫です。そのピペットマンは気になりますので、もし、かなえさんが良ければ見せていただけないでしょうか。」
「ほんと?よかった。実はね、車からあの
と、最後はちょっと
ベトナム
坂井かなえのアパートは、
その夜は、
坂井かなえが言うには、そのアパートは
そのため、駐車場はいつも
そのアパートは
「あとは、このスーツケースだけですね」と、二人がそれぞれが車と
「ええ、ありがとう。本当に助かったわ。」
「いえいえ、そんな。お
「スーツケースを部屋に持っていったら、少しコーヒーでも
「えっと、そうですね。」
と言いながら、田畑太一郎はこんな
「あ、いえ、全然大丈夫です。コーヒー大好きなんで、お願いします。」
「本当?よかった。」
「ピペットマンも見せてもらいたいですし。」
「あ、そっか、それもあった。」
と、笑いながら
田畑太一郎が、車の
坂井かなえが先を歩き、田畑太一郎はスーツケースの
あと
***
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