第5話

「イカリソウ、タンポポ、キキョウ、スズラン……なんか意味があるのかなぁ?」


 翌日。

 ベッドに寝転びながら、麻里は4枚の押し花の栞を眺めていた。

 どれも可愛らしい押し花の栞。けれどもそこに意味は見出せそうに無い。


「ていうか、結局誰なんだろう?」


 そう呟いた時。


『おーい、麻里っ!』


 窓の外から康太の声が聞こえてきた。


「もうっ!恥ずかしいから大声で呼ばないでよっ!」


 恥ずかしさと怒りで顔を赤くしながら窓を開けると、何やら慌てた様子で、自転車に乗った康太が下に降りてくるようにと手招きをしている。


「スマホがあるんだから電話でもくれればいいのにっ!」


 尚も怒りながら、麻里は上着を羽織って二階の部屋から一階へと降り、玄関から外へ出た。

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