第2話

ガタンゴトンガタンゴトン


ふっと意識を取り戻した。やべヨダレ出てる(袖でフキフキ)。多分十数分ぐらい寝てたと思う。周りは真っ暗でどこなのかよく見えないがこういう場所は大抵田舎。終点で降りれば良いので後もう少し寝ていようかなと思ってまた瞼を閉じようとした。


ゴゴゴゴゴゴ


『っ⁉』


突然電車が揺れて俺の体は席から投げ出されて床に強打した。


「いってててて」


全身が悲鳴を上げている。何とか体を上げて周りの状況を確認しようとした。


「・・・・」


さっきまでいたはずの電車ないからぽつんとした無人駅、その線路の上に座っていた。周りを見回すと駅周りはものすごく暗く、10m先までしか見えないぐらいだった。とりあえず一旦ホームに登って駅名を確認することにした。


「死柄木駅?」


なんか都市伝説の駅っぽい感じのある不気味な駅名だった。次の駅については書かれておらず、次の電車の時間も書かれていなかった。無人駅なので駅員もおらず次の電車を待たなければならなかった。


ボロボロの椅子にゆっくりと腰掛けてふーっと息をついた。少し肌寒い空気にさらされて体が冷えたようだ。意識はスッキリするほど冷めていた。


「寝ぼけてたんかなぁ」

「そんな事ないと思いますよ!」

「そうかなぁ。でも流石に線路の上で寝てるのはちょっとなぁ」

「そんな事もありますって!」

「いやいやそんな事ないって。最近辛くて辛くて、もう死にたくなっちゃったんじゃないかねぇ〜」

「大変なでしたねぇ〜よしよししてあげちゃいます!」


さすさすと頭を撫でられる。少しあったかい感じが優しい感じがして心の奥がほっこりした気持ちになった。ちょっと感謝しないとなぁ。


「ありがとね...ってお前誰っ!」 


例を言おうと思って顔を上げた瞬間だった。隣にいたのは見知らぬ少女。西洋の街娘のような服を着た彼女は少し既視感を感じた。何かファンタジー小説に出てきたような感じ。


「えっええ!今まで気づかなかったんですか⁉」

「いや..落ち込んでたし...」

「まっまぁそんな事はどうでもいいです!はじめまして!私達は世界強化教会です!」

「世界強化教会って言うとあのダンジョンを運営してるっつー人たちのことか。」

「まぁそうですね!その認識で間違いないです!」

「いいんだ...」

「今回は社さんにある提案を持ちかけに来たんですよ!」

「提案?」

「じつはですねぇ...」


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