11話 黒龍族の帝王様
“朝日と氷と金の雲”を食べ終えた俺達が仮眠を取り、軽食の清湯スープ出汁茶漬けを食べ終えると、無事にレオディヌエ
そしてバタバタバタ……と独特のエンジン音を響かせる車に一時間以揺られながら、要塞であり帝王様の住まいでもあるグラファルア城に移動して、秘書達と別れた俺は、応接間でユキを待っている。
今回の会談は記者を入れずに非公開で行うので、前回の会場とは違い落ち着いた雰囲気の個室だ。
――バタンッッ!
「
勢いよく扉が開け放たれる。漆黒のロングコートとスカートを身に纏い、純白の翼を大きく広げたユキが入ってきた。
兵士が居るので威厳のあるように振る舞っているが、匂いからは久しぶりに会えて喜んでいるのが分かる。外面と内面の差が激しいな。
「
「
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立ち上がって挨拶すると、ユキが親密な関係を強調するような言葉と共に手袋を外し、手を伸ばしてきたので、俺は肯定しつつ握手をする。
「
ユキの言葉を合図に兵士が扉を数回叩くと、扉が開き、メイド服を着た女性の
「
今回はコース料理らしい。
まず机に並べられたのは、緑のパセリに飾られた、乳白色のポタージュだ。
「
レオディヌエ
「
「
「
過去には軽食が不味いと言って、会談前に帰国してしまった大統領さえ居るくらいだからな。
「……
ユキはポタージュを一口飲むと、静かにカップを置き、話し始めた。
「
多くの
帝族に生まれたユキに対しても世間の常識は牙を剥き、国民どころか実の母親からも疎まれていた。
しかし、そんな他種族の常識に疎い当時の俺にとっては綺麗な髪だったのだ。
「
「
ユキの本心からの言葉に、俺も同じように返す。
実際、帝王の選定には決闘の結果が重視される。他の帝族に圧勝したからこそ、ユキが帝王の座に着いているのだ。
「
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「
「…
今回の会談ではユキと俺の関係を適度に見せる予定なので、少し迷った素振りを見せてから従った。
事前の打ち合わせはほとんど出来なかったけど、予定通りに進めてくれているな。
「
続いて
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ブロッコリーを白くしたような見た目をしているこの野菜は、レオディヌエ
なんせ、それまでは見向きもされていなかった野菜を視察の際にユキが気に入り、その名を冠したことで需要が増え、高級食材と言われるまでに至ったのだから。
それ程までにユキは国民からの人気があり、愛されている。常に俯き、怯えていた昔のユキを知っている身からすると、本当に凄いことだと思う。
「……
「
本当は食べたことも、調理したこともあるが、感想は本物だ。
味もさることながら、他の野菜には無い特徴的な食感は俺も気に入っている。
ⓡⓡⓡ
1ヶ月間こうして3日毎の予定通りに投稿できて嬉しいです。(既に日付が変わっている気がするのは気のせい)
ストックが切れたり、遅筆だったり、……などの諸事情により次話から毎週金曜日22:05投稿になります。なお、それ以外の時間に突発投稿する可能性もあります。
更新は途切れないのでご安心を。
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