第4話

日本のピアスは華奢なデザインのもののほうが多いですが、ペルーでは、大きめで重いものが好まれているようです。

そのため、穴の位置も、日本では耳たぶの端に開けますが、ペルーでは少し上に開けるそうです。踊りなどでより重いのをつけると、あまり端につけると穴が縦に大きくなってしまうとか、なんとか...?

そういうわけで、私のピアスホールも一般的な日本の人のものよりも、少し上に開けられています。なので、日本で垂れるタイプだといって売られているものも、長さがぎりぎりだと垂れないので、自分で鎖の輪を継ぎ足したりして使うこともあります。単に耳たぶが大きいのかもしれませんが…。


クスコに十日ほど滞在した後、またリマに戻りました。

そのまま安定するかと思われたピアスホールでしたが…、ピアスキャッチャーが合わないのか、風邪をひいたせいなのか、リマの湿度のせいなのか、穴の裏側からリンパ液のようなものが出てきて、耳の裏に黄色いかさぶたができるようになってきました。

Pさん情報で、ホットソークというケア方法があることを知りました。

塩を溶かしたお湯(なんとなく%などが決まっていたと思います)に傷口をつけると、傷の回復が早まるというのです。

それから毎日、入浴時に石鹼の泡で洗うのとは別に、ホットソークも続けるようになりました。


また、ミラフローレスのメルカドにある、Pさんの知人が経営している宝飾品店へ行き、刺激が少なそうなアイテムを探すことにしました。

そのとき、経営者のDさんが、

「私もよくそうなったわよ。これにワセリンを仕込んで、直すといいわ」

と言って、プラスチックのキャッチャーをくれました。

Pさんが、穴が安定してきた際は、一番刺激が少ないのはキャッチャーが必要ないフック形式のピアスを装着するとよい、と教えてくれたので、フック状で飾りが極力小さいものも購入しました。


Pさんが日本から持ってきたオロナイン軟膏を、プラスチックのキャッチャーに仕込んでもらい、装着します。

穴の裏側が常に保湿されるようになり、症状は治まったかのように見えたのですが…。しかし、プラスチックのキャッチャーも、寝ているときに、耳裏に当たってしまうようでした。

そうして最後には、銀の球状ピアスを逆さにつけることにして、なんとか症状が治まってきたのでした。

そうするとキャッチャーが表に出てしまうので、なんとも格好悪いものでしたが、誰からも「それなに?」と指摘されることはありませんでした。

自分が思うほど、他人は自分のことを見ていないということがよくわかりました。


髪の毛が耳裏にかかるのを防ぐために、ヘアピンも買いました。

見つけるのが大変だったうえに、日本の製品よりも太く大きく使いにくく、しかも値段も高い、でもそれしかない。

ヘアピンを使う予定のある方は、ぜひ日本で買って下さい…。


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