第60話 アルフォンスと話しているあの女は? レギーネ視点

【レギーネ視点】

 

「あの女は誰なのかしら……?」


 あたしは物陰からアルフォンスを見ていた。

 かなりあたしから見て親しそうに話している。

 

「いったいどこの女なのよ……?」


 あたしの知らない女子だ。

 たぶん別のクラスの女子。


「あんな地味な女のどこがいいのよ?」


 髪も服も地味で、あれは完全に貧乏貴族ね。

 たぶん田舎の貧乏男爵令嬢ってところかしら。

 侯爵令嬢のあたしと比べたら、低スペックもいいところ。


「何を話していたのよ、アルフォンス……」


 しかもあたしはアルフォンスの幼馴染だ。

 そして婚約者でもある。

 そのあたしに許可もなく、あたしの知らない女と勝手に話すなんて……


「気になって仕方ないじゃない……っ! バカフォンスっ!!」


 徹底的に調べないといけない。

 あの女が何者か?

 そして何が目的なのか?

 絶対に突き止めてやる……


「最近、アルフォンスはモテるようになったから調子に乗ってるのね……」


 昔みたいなブタじゃなくなって、今は細身で……まあ少しはかっこよくなったんじゃない?

 だから女に声をよくかけられるようになったんだ。

 教室でも最近、やたらと女とよく話している気がする……

 

「まさかあの女、あたしからアルフォンスを奪おうとしているんじゃ……?」



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