第59話 アルフォンスを嵌めてやろう ジーク視点

 ——マリーがアルフォンスに依頼する前日。

 学園の中庭で、マリーを呼び止める。


「マリー・フォン・アルシュタイン準男爵令嬢だな?」

「えっ? そうですが……」


 今まで知り合いでもなかった俺に声をかけられて、マリーは驚いたようだ。


「えーと……シーク・マインドさんでしたっけ?」

「ジーク・マインドだ」


 (クソっ! こんなモブキャラにも名前を間違えられるなんて……っ!)


 俺は主人公なのに……っ!

 これもきっと、アルフォンスのせいだ!


「こほん。実はあなたに話があるのです」

「どんなお話でしょうか……?」

「まあ……人目につくと良くないですから、あちらで話しましょう」

「ちょっと……っ!」


 俺はマリーの手を引いて、学園の裏庭へ移動した。


「いったい何の用ですか?」


 マリーはとても俺に警戒しているが、


「マリーさん、あなた、退学しそうなんでしょ?」

「……っ! どうしてそれを?!」

「実は職員室に入った時に、偶然、資料を見てしまいましてね。領地経営が苦しくて学費を滞納しているとか」

「……だ、誰にも言わないでください」


 実はカマをかけたのだ。

 マリーの家柄は、準男爵家。

 もともと領地は小さい。

 だから準男爵家は、金に困ってることが多い。


「マリーさん、お金がほしくないですか?」

「え……っ?」

「実は、いい儲け話があるんですよ。俺に協力してくれたら、卒業までの学費が払えます」

「……」

「今すぐ決めなくてもいいんです。もし興味があれば、ここに連絡してください」


 俺は自分の魔術回線コードが書かれた紙を渡す。

 魔術回線は、前世でいう電話のようなもので、特定の魔術コードを入力することで秘密の会話ができる。


「わかりました。たぶん、連絡しないと思いますけど」

「ふふふ。迷ってますね。わたしはただ、マリーさんの力になりたいのです」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【★あとがき】


遅くなりすみません!


モチベになりますので、


よろしければ★やフォローをいただけますと嬉しいです!


新作です!


おっさんが推しの悪役令嬢の弟(モブ)に転生したから、原作知識を使って姉(推し)を救うことにした

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エロゲの無能悪役皇子に転生した俺、原作知識で推しの負けヒロインを救うために暗躍していたら、うっかり主人公から帝位を奪ってしまう。俺は皇帝になりたくないのに

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