【書籍化決定!】序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし〜
第34話 俺のヒロインたちが全部アイツのものに ジーク視点
第34話 俺のヒロインたちが全部アイツのものに ジーク視点
【ジーク視点】
「すげえ……黒狼カルテルを一人で捕まえるなんて」
「アル様カッコいい……」
「学園で1番強いんじゃねえか?」
Aクラスの教室では、学園生たちが騒いでいた。
昨日、アルフォンスがアンジェリカ魔宝石店を襲った強盗を捕まえたらしい。
それが学園新聞の一面に、デカデカと載っている。
「クソ……っ! なんでモブが、主人公のイベントを奪ってるんだよ!」
黒狼カルテルの襲撃は、リーセリア√専用のイベントだ。
当然、主人公ジーク、レギーネ、リーセリアの3人でデート中に、発生するイベント。
2人のヒロイン(レギーネ、リーセリア)が、ジークを取り合うハーレム展開だ。
(俺はハーレム大好きなのに……っ!)
オリビィア王女殿下との一対一ラブコメもいいが、
レギーネとリーセリアのヒロインレースを見るのが好きだった……
レギーネは、ツンデレ幼馴染。
リーセリアは、お姉ちゃん系のヤンデレ。
どっちもジークがめっちゃくちゃ好きで、えっちなことをたくさんしてくれる。
「しかも、この指輪は……っ!」
俺は学園新聞の写真に目を凝らす。
アルフォンスの左手の薬指に、リヴァイアサンの指輪がある。
リヴァイアサンの指輪は、ジーク専用装備。
装備するだけで攻撃力を2倍にする、最強のステータスバフアイテムだ。
「なんでアイツが持ってるんだ……?」
リヴァイアサンの指輪は、リーセリアがジークと「婚約予約」するためにプレゼントする。
つまり、ジークへの愛の証。
「ヒロインも装備も、アルフォンスに取られた……」
ふざけるな。
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな。
こんなの、絶対に、絶対に、おかしい。
この世界の主人公は、俺だ。
世界の中心であり、神のはず。
「やっと主人公になれると思ったのに……っ!」
俺はこのゲームを愛していた。
誰よりもやり込んだと自負している。
ドラマCDも買ったし、ヒロインのフィギュアも抱き枕も持っている。
ヒロインの声優さんにも、毎日毎日、Uwitterで応援のリプを送り続けた。
コミケで同人誌も売ったし、qixivで二次創作を上げまくっていた。
えっちシーンは何度も再生して、何度も「俺自身」をティッシュにぶちまけてきた。
声優のサイン会でも、「えっちシーン最高でした!」と握手しながら叫んだ。愛ゆえに。
「俺は……このゲームを愛してる」
なのに、
なのに、
なのに、
「俺の全てを、あのモブが奪っていく」
俺は学園新聞を握りしめる。
アルフォンスはもう、とっくに退場しているはず。
リーセリア√に入る前にオリビィアを襲って、ジークにボコられることになっていた。
「完全におかしい。アルフォンスには、絶対に何かある……」
アルフォンスは巧妙に、破滅を避けながら俺の地位を奪ってくる。
「絶対、殺さないと……っ!」
殺すしかない。
殺す、殺す、殺す。
俺の頭にはもう、「殺」しかない。
「冒険者ギルド派遣イベント……そこで殺るか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます