第7話 お昼タイム
******雫側の視点です******
午前中は
「しずく~、こっち~! 一緒にお昼食べよ?」
みんなを探していたら
「うん。じゃあ
お昼休憩に入り、各自持ってきた弁当を広げる。給食じゃない日は皆食べるものが違うから、交換っことかをしている子も多くいる。各クラスごとに設けられている応援席内で席を移動したり、椅子を動かしたりして仲の良い人同士で固まってお昼を食べている。やっぱりいいね。こういう感じ! 青春! 私も準備をしてイツメン三人のもとへ向かった。
「残るは徒競走だね」
「いいなー、しずくもゆんちゃんも走るの得意だよね」
茉生ちゃんはこちらをみながらそういった。
「うん。陸上部だからね。今年も雫と勝負だな~!」
ゆんちゃんこと由紋ちゃんはそう答えた。私と由紋は陸上部に属しているから、お互いに運動は得意で体育の授業とかでもよく対決したりすることもある。
「まき、そういうの苦手。でも、雫ちゃん走ってるときすごくかっこいいよね。
「照れるから、やめてよ。茉生ちゃん」
私は両手で茉生ちゃんの両頬を撫でた。私と茉生ちゃんを
「茉生ちゃん、私のことも見といてね」
「うん。頑張ってね、ゆんちゃん!」
「そういえば
ゆんちゃんは茉生ちゃんからのエールを受けて照れると、今度は強引に話題を変え里美にパスした。
「そう! サッカー部だよ」
陽貴くんの話になり里美が顔を染め上機嫌で答える。陽貴くんとは里美の彼氏のことで、小学校の頃からサッカーをやっていたと聞いたことがある。
「足も速そうだよね」
「もちろんよ! 相手はね。誰だったっけなあ……」
里美は男子たちが飯を食べてる方をさしながら悩んでいる。
「しのだ?くんだったはず」
私の体はピクッと反応した。里美が
私は気づけば三人にお手洗いと偽り、香くんを探しに来てしまっていた。中には参観に来ていた親とお昼を食べている人もいる。平日なのと思春期なのが相まってほとんど見かけないけど、小学校のときはそういう人の方が多かったし、香くんもきっとそうなのだろう、と思いながらも不安が拭えず必死に探していた。諦めて戻ろうとした頃、体育館の裏に向かう人影が見えた。香くんだ。朝巻いてあげた赤いハチマキは外れていた。1人でいる彼の後を追う。彼に追い付くと彼は行き止まりで座っていた。
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