第5話 体育祭予行
明日が体育祭とあって今日は予行練習、リハーサル。どちらでも良いか。つまり今日は1日中体育。何より体育祭が水曜日のせいで、火曜水曜で
「おはよう!」
「おはぁよぉ」
雫は
「雫、その子送ってあげなさい」
と言った。お母さんは僕を年下だと思って雫に送るように指示したのだと思う。そもそも体格は小さい方でフリフリのリボンのついた髪型が更に
日曜日には
でもそれがあったからといって、僕らの学校での態度も関わり方もそこまで変わったりはしなかった。いや、僕が変わらないようにした。僕は本にかじりつき、彼女は友達に囲まれる。それでも、僕には大きな変化があった。朝の挨拶がこんなにも気持ちが良かったとは知らなかった……わけでもないが、いつも登校してから誰とも喋らずに帰宅していた僕が意識して挨拶をするようにしたのだ。友達との適切な距離について調べたときに真っ先に出てきたのがそれだったのでやってみたのだ。まだ雫ちゃんに対してしかしないけど、したあとの清々しい気持ちが既に少し癖になっている感覚がある。
「……
「は、はい!」
「どうした、お前変な笑み浮かべて。時間は気にしとけよ」
先生に声をかけられてはっとした。変な笑み……。って、そうだ。ここは学校だ。周りを見るとほとんどが居なかった。朝の会が終わり、皆は
「大丈夫?」
少し微笑むように雫ちゃんに言われた。
「うん。大丈夫。それより皆は?」
僕が気になったのは他の女子たちが彼女をおいていったことだ。そんなことはないはずだけど。
「あ、私、タオルを取りに来たの。忘れてたの。九月とはいえ、まだまだ汗かくものね」
「そっか。じゃあ行こっか」
とこちらから誘った。これを誘ったというのかは果たして微妙だけど。それにさっきまでは彼女のことを考えて、週末のことが気がかりで体も気持ちも重かったのに。顔を見るとそれがまるで
外へ出ると朝礼台の前にほとんど整列が完了しつつあった。
「篠田も雫も遅い! 急いで!」
学級委員の森さんに大声で呼ばれる。おかげで整列場所まで走らされ、僕は早くも息切れする。息を整えていると三年生の団長らによって式典の予行が始まった。色は紅白の2色。すなわち2チーム。各学年に4学級があり、
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