第4話 お姉ちゃん!?
レストランに到着すると橋本さんは既に店に着いていた。中に入ると彼女はいつものセミロングでおめかしをしてかわいらしく座っていた。気合いの入ったその格好に僕は息をのんだ。とはいえ、中学生が行くレストランなんてたかが知れていて、十中八九その地域の小中学生で
「ねー、この後どれぐらい一緒にいれるの?」
少し不安そうにこちらを伺うようにつやつやした目を向けてくる。これが上目遣いかと心の中で
「七時頃までなら余裕だし九時ぐらいまでなら何とかできるよ」
「そう。わかったわ」
彼女の顔が少しだけ顔が明るくなった気がした。そういえば何をするか聞かされていなかった。ただ、『遊ぼう』と言われただけ。さらに少ししてお互い食べ終わると、彼女が行きたいところがあるというので、会計をしてそこへ向かうことになった。彼女曰く徒歩で数分。滅多に外に出ない僕はこの駅前で周りに遊ぶようなところがあるなんて全く知らなかった。橋本さんに連れられる道中、僕は意を決して彼女に聞いてみることにした。
「なんで、僕を誘ったの? 雫……ちゃんなら友達なんて他にも」
その先を言わせまいとするかの如く、彼女は食いぎみで返事をしてきた。
「えへへ。内緒~!」
答えという答えは得られないまま、彼女から目的地に着いたと告げられた。
『
「始めよっか」
「何を?」
聞くと、彼女は
「可愛い~!」
自分が完成させた僕の髪を見て橋本さんは叫んだ。
「妹ができたみたいで嬉しい」
と小声で
「恥ずかしいよ、お姉ちゃん」
雫ちゃんは自分より一回り小さい僕を抱き返してくれた。
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