第44話 ワンミスで人生を狂わせた女性が3人いましたが…

 1回のミスで人生に大きく影響を与えるような社会的制裁を受ける事例が頻発しています。


 女子体操選手の喫煙問題。男は汗臭いという投稿をした女子アナウンサー。フワちゃんの「死んでくださーい」の3つが注目されました。


 それぞれを論じる…わけではありません。なぜか。私には「材料」がないからです。その人たちが1回のミスで本当にすべてを失ったのか、なぜ1回でそこまでの判断をされたのか、あるいは何度も小さな出来事の結果なのか。その他の要因があるのか。


 これを知りもしないで、賛成反対、厳しい適正だという意見を言える人の気が知れません。いや、一般人が世間話や芸能ゴシップとして楽しむのはいいです。それが有名税というものでしょう。ですが、知識人、言論人、芸能人、タレント…まあ、良くも無責任に発言できるものです。


 まず女子体操選手の件です。これは本当に噂なので真偽のほどはわかりませんが、体操選手は「常習性があって、パワハラ体質だった」という噂が流れています。これがもし本当なら彼女を外す決断は能力と天秤にかけても許容されないという判断を当然誰かがしたのでしょう。メダル候補だけに苦渋の決断だったと思います。


 それを重すぎるの軽すぎるの「公人」としての顔を持つ「有名人」が発言する意味も意図もまったく理解できません。可能性があるとすれば「自分の再生・いいね数稼ぎ」にしか見えません。


 フワちゃんのグーグル件ですが、これは足元がおろそかとしか言いようがないです。巨大企業は巨大故に一般人の判断よりもよりホワイトなものを求めます。アメリカの企業ならポリコレに熱心です。それは企業イメージが株価や業績に直結するからです。これらの企業は巨額の投資をするゆえに1%の影響でも巨大な損失になります。ですので、失敗要因は些細な瑕疵でも受け入れられません。


 何より、1つの小さな失言をする人は、大きな失言をいつか必ずします。政治家を見るとわかると思いますが、失言は治りません。ですので、1つの失言をした人はリスク管理上CMを継続させられるわけがありません。

 そして、聞くところによると本人が半引退状態を望んでいたとの話も聞きます。つまり、切ることにリスクがありません。


 汗臭い発言の女子アナですが、この人を擁護する人は多分「一般人」と「人格権」の概念を理解できていないのでしょう。

 一般的な労働者は男女問わず夏場は1日1回風呂に入ったとしても、汗臭いものです。そして多忙なサラリーマンならそれ以上の努力は過大な努力です。制汗剤や汗拭きシートを使う余裕すらない人はいくらでもいます。


 それが嫌だと思うのは自由です。自由ですがそれ以上の努力をしない人は劣った存在であるかのように公の場で発信すれば、そういう一般的な労働者を広く侮辱した行為になる、ということです。他人の名誉をいたずらに傷つける。つまり他人の人格権への攻撃をしたことになります。


 ただ、これも女性がSNSで本当に男って…と言っているレベルならどうということはありません。ですが、アナウンサーという立場の人はニュートラルでホワイトな存在でないと、企業はリスクが怖くてそのアナウンサーを雇えません。


 ですからこれを擁護すれば同じ感覚を持っていることになります。つまり、労働者を馬鹿にしていると捉えられてもおかしくないと気が付くべきです。

 まあ、この人の発言を全部追ったわけではないので、企業が切るべきタイミングを待っていた、いうこともあり得ると思います。人気とリスクのバランスを考えてとか。あるいはクライアントからクレームが入ったとか。その辺は本当にわからないので、推測でしかないことは強調しておきます。


 ただ、上で見たように事情ははっきりわかりません。ですので、推測はできてもその是非に口を出すことはできません。したがって、他人のミスとその責任について、SNSで「公の人」が発信するというのは相当に慎重に行うべき行為であり、それにすぐに乗っかって発言する人の意見は聞くべきではないと私は思います。











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