第38話 アサシンズクリードは問題だが他山の石でもある。
アサシンズクリードというゲームの作品に日本の織田信長が召し抱えたという黒人が登場することが物議をかもしているそうです。
詳しくはウィキなどを参照すればわかると思いますが、弥助とは、黒人奴隷を宣教師が連れてきて、それが珍しかったから信長が連れ歩いた、というだけの話です。
ゲームの中で弥助はアサシン…つまり暗殺者になって日本人を斬りまくっているそうです。それ自体はゲームなので何とも思いません。なんちゃって日本人は今にはじまったことではありません。虐殺はゲームの世界では日本人自身がいろんな舞台でやっています。それに後で言いますが信長の人物像自体がのちの創作です。
問題は、これをなぜか「史実」「日本人の専門家に確認して」と言って発売しました。どうも黒人は昔の日本で活躍していた、しかも忍者で侍だ。黒人すごい…という文脈での事らしいです。ここが問題なんですけど、発売元はこれは黒人差別だ、多様性を認めないヘイトだ…と言っているらしいです。
このズレはすごいですよね。欧米の人って、どうしてこうなんだろうと思ってしまいます。こうなんだろう、というのが発言や発表の「この部分が間違っている」…ということに聞く耳を持たないことです。
「史実」だというのが問題なだけだし「専門家」というのが歴史専門家ではなく、LGBTQの専門家らしいです。そこが問題なだけです。まあ、著作物の無断使用とかそういう問題もあるみたいですけど。
彼らのマインドってわからないですよね。話の内容をまず分解できません。これはなんでしょうね?界隈というと曖昧ですけど、LGBTQや黒人差別…ついでに女性の権利関連の人たちって、間違いを指摘されると、人格攻撃、全体攻撃だととって「人権侵害だ」「差別だ」「ヘイトだ」って言い返してくることが多いです。
もちろん、冷静な反応をしている人もいるかもしれませんが、ネットで取り上げられるのが、こういう騒いでいる人なので自分は違う、違う人を知っているという人には謝罪します。
このこと自体は、ゲームメーカーとしては最悪です。消費者を敵にしてどうするんだろう?と思います。
が、この「正しいこと」をなぜか強硬に主張してくるんですよね。このポリコレのマインドには、一神教的な宗教的な下地でもある気がします。十字軍みたいな狂信的なカルト感がありますよね。あるいは陰謀論で何かの思惑が裏にあるのか。このマインドがある限り、多様性は実現できないでしょう。ディズニーとかどうしちゃたんだろう?って思います。
ポリティカルの単語の意味は「政治的」ですからね。つまり正しいことを政治的に定義したのがポリコレでしょう。本来は、政治的なプロパガンダだったのが、ポリティカルの意味が正しいとか多様性とかいう意味に置き換えられています。
ただ、歴史認識に関してですが、これは他山の石とすべき問題です。これは日本人側も実は同じことをやっている可能性があります。そもそも織田信長という人、太田牛一という人が書いた「信長公記」という本とルイスフロイスが書いた滞在記くらいしか資料がない上に、信長公記そのものが2次資料で証拠と付き合わせないと何とも言えないらしいです。一応、牛一さんは頑張って史実通りに…と思っていた節はあるらしいですけどね。
信長がうつけだった事実は確認されていませんし、桶狭間の合戦の奇襲作戦も最近の研究では否定されています。つまり、史実として信じられている信長の実態は実は結構怪しいです。我々もちゃんと史実とフィクションを切り分けて考えていますか?
そのほか「坂本龍馬」「徳川家康」などの人物像はかなり歪んだ形で伝わっています。これは司馬遼太郎や山岡荘八といった大衆歴史作家の小説があまりにブームだったために、それが流布されて本当かのように信じられてしまっているからです。
そして「楠木正成」などは、天皇の権威を高めるために歴史上忘れられていた人物を無理に発見してきたらしいです。自分が知っている日本の歴史はやはりどこかで歪んでいるし中途半端だという自覚は持つべきだし、何より有名人の常識は事実でないこともかなりある、ということは知っておくべきでしょう。
それとこれも日本人も反省すべきなのは、創作物のマーケティングとして顔出し、インタビュー、そしてSNSを使うのは私は最悪だと思っています。制作者の顔が見えないのが「作品」であって、ゲームに限らず、マンガ、アニメ、小説で作家が顔出ししたり、SNS投稿したりすると、私は冷めてしまいます。
作品は作品のみで語られるべきであって、言い訳も解説も弁解も必要ありません。喧嘩などもってのほかです。それをやる人は作品の質が悪いと自覚すべきです。
追記 私としては確かに歴史を知らない人が「史実」を言い立てることに問題を感じなくはないですが、上で述べた通り日本人だってやってます。朝日新聞の例の従軍慰安婦問題もありますし。ですので、嫌なやり方ですけどそこまで問題視はしていません。画像の盗用だってどこもやっている話です。
私は、文化・文明に入り込んでプレイすることが売りの本作において、日本を代表する侍に黒人を選定したことが頭に来ます。これは黒人を蔑んでのことではないです。戦国時代の日本を代表する人間は黒人か?ということです。当時の人口が1000万人程度として黒人1人なら0.0000001%しかいないことになります。
つまり、政治色思想色が強すぎます。エンタメのゲームに主義思想を露骨に入れることが頭に来ます。そっと入れるならいいですけどね。女性を活躍させるとか本当にちょい役で外人を出すとか。
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