第27話 ジニ係数で分かる消費税・社会保険料の高さ
ジニ係数は所得の差を現したもので、全員同じ所得なら0、一人が全収入を得ているという前提なら1という指標です。所得をグラフにして高所得と低所得の面積の比率で計算したりするらしいです。
さて、日本はジニ係数が3.7でOECDの中では高い方だということ。この原因は非正規労働とか高齢者の比率が高まったから、という説明を安易にしていますが、本当でしょうか。
定義は以下の通り。「SDGsコンパス」というサイトから引用させてもらいます。
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ジニ係数には、「当初所得ジニ係数」と「再分配所得ジニ係数」の2種類があります。
当初所得ジニ係数とは、税金や社会保険料を差し引く前の所得をもとに計算したジニ係数です。公的年金や失業給付、児童手当といった社会保障による現金給付額は含みません。それに対して、当初所得から税金や社会保険料を差し引き、社会保障給付を加えたものが、再分配所得ジニ係数です。(引用 終わり)
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つまり、生の所得と税金・社会保険料を考慮したものの2つがあります。
1981年 当初0.31 再分配0.35
2000年 当初0.38 再配分0.47
2010年 当初0.37 再配分0.53
2017年 当初0.37 再配分0.56
となります。
つまり、当初の差は1980年から2000年で上昇しているものの、それ以降はほぼ横ばいですから、非正規とかいう分析は一つの要因でしょうが貧富の差の拡大の主な原因ではありません。
何があったか。1980年年代に所得税の改革がありました。最高税率75%から段階的に引き下げられました。
そして変わりに1998年から消費税が導入。1997年に5%。2014年に8%となっています。(2019年に10%一部除く)
賞与に厚生年金や健康保険の負担がはいったのが1994年です。
小泉構造改革で派遣法の改正などもあったし、役員などの水準も高くなったでしょう。バブルの影響で所得格差も広がったんだと思います。ただ、そういう生の所得差は2000年で落ち着いています。
要するにこういった税や社会福祉費・社会保険料が固定費化した結果、貧富の差が激しくなったのです。金持ち優遇の所得税と消費税・社会保険料のせいだといっていいでしょう。
例えば、社会保険料の標準報酬月額の上限をもっと段階引き上げればいいのにそれをやらないですよね?
2020年にやっと見直しがあったと思ったら62万円が65万円になっただけです。なんで100万円にしないのでしょうか?
ジニ係数のまともな国の数字は0.5が限界だそうです。日本はそれを超えています。別に貧しいといってもインフラはあるし暮らしはできるのですが、少子化の原因の一つはやっぱり低年収層の税金と社会保険料でしょう。
残念ながら世界の再配分後のいい資料が見つかりませんでしたが、ジニ係数が3.7で…というのはまやかしです。
つまり、日本のジニ係数…というか、可処分所得の貧富の差が生まれているのは、消費税と社会保険料の負担のせいです。所得別の配分がうまくいっていないのは事実でしょう。つまり、リバタリアニズム…弱肉強食推奨の世界に変わっているのです。金持ち優遇の税制・社会保険料体系になっていることを忘れないようにしましょう。
フェミニズムとあまり関係ないですが、ジェンダーギャップ指数と同じで、数字の中身を見ないとわからない数字ですので、ついでに。少子化対策にもなりますし。
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