第13話 AV新法改正は家父長制肯定になります。

 AV新法が改正されて本番禁止になるみたいですね。反対のデモも行われたようです。この法律が「表現の自由」や「職業選択の自由」の侵害であることは明らかですし、民法上の意思表示による契約の成立時期についての例外にもなっています。


 この法律を考える場合、守るべき法益、つまり法律によってどんな利益が守られるのかという問題があります。これはAV女優さんの人権らしいですが、成人が自らの意思で行った法律行為がそれは間違いですよ、という意味においてかなりの人権侵害だと思っています。女性蔑視にも近いのではないでしょうか。


 考えるべきはまず性行為を金銭に代替する行為は法律では禁じられていません。

**売春防止法2条**

「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。

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ですので、不特定でなければいいということになります。AV男優さんとの行為を不特定というかどうかは微妙です。職業上の実績があれば「業務」つまり性行為そのものの対価ではなく創作物への出演の対価ともみなせます。


 また、愛人契約は不法行為という判例はあるようですが、これは根拠がないです。理屈としては、「 婚姻秩序」「性道徳」に反する契約 として公序良俗違反で無効ということです。


 で、ここで考えるべきは、公序良俗とは「不貞行為」と言う概念に基づくものです。つまり、婚姻関係にない男女が性行為をするのは不道徳ですよ、と言っているのです。下手をすれば自由恋愛による性行為も禁止しているととれなくはないかなり乱暴な理屈になっています。

 もっと言えば売春防止法それ自体が性行為=夫婦間の性行為が道徳的であり、それ以外は不道徳という前提で成り立っていると考えられます。宗教の要請でもありますが、その宗教観は結局は夫婦の重視ですから同じです。


 これは家父長制に反対するフェミニズムの最大の欠点と言えると思います。セックス=不道徳という概念は、家父長制が前提となっているからです。本来、フェミニストは家父長制からの脱却を考えるなら、性産業を積極的に応援しなければなりません。貞操という概念や性行為が不道徳という概念そのものが保守的です。フェミニズムとは反対概念です。それが理屈です。


 男性による性の搾取からの保護という視点もありますが、AVは付加価値をスタッフや男優さんも含めて作り出しています。その利益の配分あるいは出演の相場相応なら搾取とは言えません。性産業も同様ですね。


 デジタルタトゥーという理屈もあります。後になって嫌になった時に、過去の記録で人権が侵害されると言う話ですが、リベンジポルノと違い成人の自由意思による法律行為である以上は話になりません。

 また、家父長制や宗教上の思想から、性行為が不道徳という概念そのものが崩れれば全く関係なくなります。性行為や裸を見られることが恥ずかしいこという概念はどこから来ているのでしょうか?どこまでなら許されるのか。


 はっきり言えば、自らの裸体や性行為、美しさと言ったものをお金にかえることが出来ない人たちのルサンチマンにしか感じられません。なんちゃってフェミニスト全般に言えることですけどね。

 そう、パパ活で儲けている娘を見下げた発言をする男性もみっともないですが、むしろ女性の女性に対する嫉妬心を強く感じます。



 ただ、です。他のエッセイで言った事がありますが、公共の福祉として、少子化対策として実際の性行為を推奨します。結婚を若いうちにして子供を作りましょう。だから、AVや性産業を規制します。その代わり学校で自由な性行為の素晴らしさを教育します。政府が広報します、というのなら、ポルノ規制や性産業の規制には賛成です。


 というか、性行為の代替が閉ざされると恐らく性犯罪率は上昇するでしょう。それを防ぐためには、セックス=不道徳ではなく、セックス=道徳的に素晴らしいという教育は必要になるでしょう。

 あるいは性犯罪防止のためには、管理売春を法制化する必要があるでしょう。そのコストが正しく女性に入るなら、貧困女性の受け皿になるし、セックス=不道徳ではないので、精神的な健全性も担保されるでしょう。


 少子化対策だけではないです。幸せ物質であるセロトニンは肌の触れ合いが大事です。精神病にならないためにも人とのコミュニケーションは極めて重要です。社会の健全性のために、自由なセックスをしましょう。

 だから、国家の発展をさせるため子供を増やすという公共の福祉のためにポルノは規制します、ただ、表現の自由があるので作成・公開は禁止しません。重税を課してその税金は少子化対策の目的税とします、なら賛成です。






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