第14話 魔女の使い魔
獣人、【狐守はくあ】。
私の大切な同期であり、そして、〈ミスプロ〉の魔女にあてがわれた、使い魔的な存在なのだと思う。
〈ウィッチライブ〉の5人の魔女、それぞれに護衛の獣人が付いていた。
リリベル先輩もそう。
魔女の使い魔として有名な動物、ヘビのかなでちゃんが同期として在籍していた。
これは社長が魔女だからこそ、許されている特例。
あるいは、ホムラ先輩は、〈魔法世界〉の伝統を重んじているのかも。
しかし、私は例外。
私に護衛は不要。だから、お付きの獣人はいらない。
ずっとそう思っていた。
だけど、使い魔として似つかわしくない動物、白キツネ。
そういったイレギュラーな存在も、まあ、ありかもしれないね。
でも、ネコとかフクロウとかの方が良かったかな……。
ヘビも歓迎!
はくあちゃん、ごめん……。
白キツネも見た目、もふもふのフェンリルぽくて、嫌ってわけではないんだけどね。
魔法で姿を大きくしたら、代用できるかも……?
ちなみに、待機していたはくあちゃんへのかけ声、何にするか迷ったのは内緒。
無難に、
『来て、はくあちゃん!!!』
にしたけど、別の候補としては、
『来たれ、私の眷属、狐守はくあ!』
これは、ちょっと図々しいかな……。
『助けて、はくあちゃん!』
これは女々しいのでボツ。
そもそも、私は苦戦していないし……。
以上のことから、無難なのに落ち着きました。
もう少し、はくあちゃんと仲良くなったら、かっこよく最初のでもいいかもね。
「ステラさん、先に行ってください! ここは私が食い止めますから」
「ありがとう、はくあちゃん!」
はくあちゃんは新たな刀、黒刀を構え、敵へと斬撃を放つ。
【狩ノ一刀流・
深く鋭い一撃により、直線上の敵が一気になぎ払われる。
はくあちゃんとは一度戦ったことがあるけど、味方になると頼もしい。
これがゲームだと、敵だと強くて、味方になると弱い、的なパターンはよく見る。
だけど、はくあちゃんはその逆。
迷いを捨てた刀は、あらゆる敵を両断する。
はくあちゃんが持つ黒い日本刀、少し前に、私がプレゼントした物。
前の刀を真っ二つに折ったのは私だし、何より、日頃からお世話になっていたので、そのお礼がしたかった。
それを新しい刀に託した。
刀の名は、【
切れ味は、日本刀に詳しくない私でも分かるくらいに鋭い。
そして、特注品。
具体的には、重さが普通の日本刀の約5倍。
つまり、獣人専用の刀。
はくあちゃんだからこそ、この刀の力を真に引き出せる。
ちなみに、本当は真っ白い刀を作ってもらいたかったんだけど、鉱石不足で黒色になりました。
でも、本人はえらく気に入っているみたいなので、結果オーライ。
『ステラさんだと思って、大切にしますっ!』
という台詞は、聞かなかったことにしている。
毎晩、一緒に寝ているらしい……。
常に手元に武器を置いておくのは、悪くないと思うよ……。
うん……。
【狩ノ一刀流・
はくあちゃんが道を切り開き、その間に私は箒を生成。
偽物の〈ブラッドムーン〉が示す方角へと飛び立つ。
【テネブライ・アロー】
さらにこの時、私は黒い矢を展開して、はくあちゃんを援護することも忘れない。
私たちの息はぴったりだった。
この場をはくあちゃんに任せ、この研究所での戦いに終止符を打つべく、私はボスのもとへと向かった。
先ほどの借りを返すためにも。
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