ヴィラン

Karte.0 Prelude

人間には誰しも心に棲みつく悪魔がいるという。

本来は負の感情として顔を出すことはあっても、姿を表すことは稀である。

だが時として、歪んだ感情となって牙を剥き、人間を誘惑する。

ストレスや環境などによって破壊された感情の穴を抉じ開け、精神を蝕んでいき、やがて疾患となり現れたりする。

それが人間の内に存在する悪魔である。

そんな悪魔に支配され

人格を操られてしまう者

存在そのものを抹消してしまう者

他人に棲み着く悪魔を利用する者

他人に弄ばれて見失ってしまう者

様々である。

そんな中、どうやら殺し合う感情によって増殖しすぎた悪魔が、人間界で暴走しすぎたようだ。

無に帰すことは容易くもなければ、正しい選択かもわからないが、少しだけ手を加えてみよう。

この再構築は果たして破壊か再生か…。

さあ見せてもらおうか人間の愚かな姿を…。

―新しく『こばなし』というのを追加しました。

Chapterごとに作品のことを話しています。

話の説明や、あえて文章に起こさなかったことなどを書いています。

作者自身が離人症性障害のため、少し独特な文章だったりするため、話の補助として書いているので、興味ありましたらおさらいがてら読んでいって下さい。