第6話 田舎の運動会みたいな騎馬戦

 敵軍本隊で異常が起こっていた。


「生活魔法が使えない……」


 まず煮炊きするのに点火魔法が使えなくなっていた。


 話を聞いた連中が照明も清潔も何も使えなくなっているのを確認。


 魔法師にまで話が伝わって「何を言っている、我ら貴族の魔法が使えなくなる訳があるまい」と笑い話にされたが、食い下がると本当に使えなくなっていた。


 宮廷魔法師にまで話が行ったが「そんな馬鹿なことがあるかっ、夢でも見ているのかっ!」と一喝されて気合入れられたが、本当に使えなかった。


「精霊や精霊王に見放された?」


「そんな訳あるかっ、契約が一時停止しているだけだっ」


 精霊が見える奴でも、周囲に一人も精霊がいないのを確認。ガタガタと震えだして、「私は聖女ですが追放されたのでこの国はもうオシマイです」レベルの懲罰を食らっているのだと思い始めた。



 川岸


 双方とも河岸に布陣を始めて、無理矢理渡河すると弓矢喰らって撃退されるレベル。


 エルフやドワーフの騎馬兵も到着し、遊牧民の他の集落の者も到着。地上移動の騎馬兵も続々と到着。


 敵兵は万を超える数だったが、こちらは寄せ集めの兵団が五千人ほど。半分以下の数。


 そこで敵も使者を送り込んできて、聖国発行の戦争執行命令書を持って来た。隣国のケツモチで裏取引したのは聖国で、法王か誰かが金貰って発行。


 聖堂騎士達は一応聖国内では裏切り者で、聖国の法王発行の戦争執行命令書を見ずに、オッサンの救助要請を受けてすぐに来た。


 今は王都の方も聖国や周辺国に包囲されていて、分割占領を目指されている所。


「告っ! 我らは徳が低い貴様らの王家や貴族を認めないっ、人民にも信奉されておらず、悪徳商人が幅を利かせ、政商が利益の大半を享受して、役人が賄賂を要求して国家そのものが根幹から腐り果てているっ! よって聖国が認める国家群が誅罰を下しっ、国民を救う者なりっ!」


 適当過ぎる戦争執行理由だが事実で、王家に徳無し。手続きだけが上手いNPOとか、政商と呼ばれる軍事企業が金を独占し、税金を無駄に消費して金持ちだけに金が集中している。


 各領主家も適当過ぎる領地運営で、河川の氾濫や土砂崩れを防ぐ工事や街道の整備はしているが、全部農民出費の労役。


 食事代も出ないので手弁当、タコ部屋みたいに高価な飯が売られていて、水も食料もボッタクリ。


 出店の酒場も屋台も何もかもボッタクリで、それでも買わないと飯が食えないので、既婚者は弁当持ちか昼飯が食えない連中で一杯。


 飯が食えてクランハウスでも食べ放題なのはオッサンのクランだけで、他は欠食児童が腹を空かせていてガリガリ。


 軍事費が国家予算の70%だとか、旧日本軍みたいなマジキチ案件。民は塗炭の苦しみを味わい、国は麻の如く乱れているのが現状。


 何故か国家予算より金を持っていたオッサンだけが資本を回して、通貨経済を支えていた。がインフレしまくり。


 金とか武具は商品価値を失わなかったが、金貨銀貨は混ぜ物が多い物に変更されて行き、古代金貨は価値を失わなかったが、王国金貨は減価して行って、まおゆうみたいに穀物が高騰して、カクメイが起こり始めるぐらいに。



「「「「「「「「「「ああ~~」」」」」」」」」」


 街を守るために出兵してきた商店主なんかも、敵国の言う通りで何一つとして間違ってなかったので士気が落ちた。


 このまま今の王家に任せないで、聖国とか大国のまともな所に統治して貰って、経済を立て直して貰った方がお得。


 でも兵士が通過する時に都市丸ごと略奪されて、抵抗した男はクウェートみたいに屋外に引きずり出されて殺されて、年寄りは奴隷にも使えないので殺されて、若い女は乙女戦争みたいに前も後ろも使い物にならないくらい血塗れでガッバガバにされて思い知らされて、父親か夫の死体の前で犯されて、誰の子か分からない子供を妊娠させられている。


 笑顔で娘や嫁が強姦されているのを見守って、レイプ客に茶など出して接待する超イエスマンだけが生き残って、忠実な奴隷として雇われて人生を終える。


 最後に敵国が二度と立ち直れないように放火されて、図書館であろうがアレキサンドリアだろうが神殿であろうが放火されて、火の海にされて都市が終わるが、それには抵抗したい一同。



 まあ、田舎の運動会程度の催し物で、お互い川の対岸に陣取って、煮炊きして飯でも食いながら観戦している一同。


 まずは騎馬戦で、両陣営から一騎ずつ出て、中州に三角州があるので、騎馬で川を渡って対戦。


 重装歩兵でジョストできる装備してる奴なんかいないし、馬の方も裸馬でポニーに毛が生えた程度なので、数頭立てのチャリオッツでないと使い物にならないレベル。


 その後に力士同士での相撲があったりもするが、騎馬戦でモメるとそこから戦争。


 敵騎士が渡河して来て、まず名乗りを上げる。


「やあやあ我こそは~」


 義経様以前の戦いで、鏑矢でも打ってから名乗りを上げて、その対戦者も名乗りを上げるが、国が違って言葉通じないので困難。


 和歌や短歌など読み合ったりする雅(みやび)な戦争ではないので、船の上に扇を立てて、弓矢で撃ち落とせれば天晴とは行かない。


 こちらの対戦相手は、まず言葉通じない代表の遊牧民。


 馬が渡河して行くが騎士が乗っていない。


「ははっ、誰も乗っておらんではないか、渡河中に落馬でもしたか?」


 これは誰かが落馬したはぐれ馬かと思って笑って見ていると、ズンズン走って騎士の所に近寄って来る。はぐれ馬はこんな動きはしない。


「何?」


 距離が数十メートルになると、馬に隠れて乗っていた、朝青龍みたいな巨人が起き上って、短弓を引き絞って騎士に向けて放った。


「あううっ!」


 騎士は何が起こったのか、自分がどうやって死んだのか分からないまま、眼球を貫通されて脳を射抜かれて、後ろ頭から弓矢を生やして落馬した。


「「「「「「「「「「おおお~~~っ!」」」」」」」」」」


 遊牧民が盛り上がって、盾を打ち鳴らしたりした。


 まず一勝だが、こんな戦闘の仕方は尋常の勝負ではない。


 鐙に片足だけ載せて曲乗りして、敵に見えないように、敵から攻撃を受けないようにして接近。


 十分に接近して、必殺の一撃を加えられる距離になると起き上って、短弓から発射。


 敵兵を討ち取って、従僕や息子を呼んで、敵の首級を上げて装備や財布も略奪して行って、後には首なし死体で、下着姿の哀れな男の死体だけが残った。



「そんな馬鹿なことがあるかあああっ!」


 騎士の戦いを知らない遊牧民に、罵りの声が届いたが、相手何言ってるのか分からないので却下。


 騎士側の従僕が走って行って、担架で死体を回収して、遺族に引き渡す品すら奪われてしまったので、伝家の宝刀も鎧も封蝋を押す指輪すら指ごとない。



 それでも第二戦が開始された。


 敵側の騎士は警戒して、渡河する敵を待ったが、エルフは川岸で騎獣を降りた。


「何やってるんだ?」


 でもそこはエルフにとっては必殺の位置。


『射程延長、必中の願い、威力倍増』


 精霊の加護も付与して、エルフの法具、必中の弓を放った。


「届くわけがないだろうっ!」


 それでもエルフの弓は1キロ近い距離を飛んで届いた。騎士が躱して逃げだしたが、それでも追尾のマジックミサイルだったので、ブレストプレートを貫通されて死んだ。


「ぐはああっ!」


 何故当たったのか? 何故追尾されてまで貫通されたのか、分からないまま騎士は落馬した。


 今回は遺品を略奪されなかったが、渡河してすら来ず首も取らず「この者は価値のある所有物を一つも所持していなかった」と言う、逆に失礼に当たる行為をして去った。


「「「「「「「「「「おおおおお~~~っ!」」」」」」」」」


 エルフは盛り上がったが、敵騎士の陣営はドン引き。また従僕が走って行って遺体を回収。遺品の剣などを届けに行ったが、エルフ語は喋れなかったので退散。


 騎馬戦なので、普通は落馬させられたり、片腕圧し折ったりする程度で、人死には出ないはずなのだが、今のところ全員SATUSUGAI。



 お次はドワーフの騎士が渡河して来た。敵側は相手の手口が分からないので、取り合えず逃げ回って弓を放ったが、ドワーフは装甲が固すぎて通じない。


 それでは騎獣をと狙ったが、チョコボかナウシカちゃんが乗っている鳥型の騎獣も、羽が固すぎて通じなかった。


『ふうんっ!』


 結局追い付かれて、大型の斧を振るわれると、馬の首ごと胴体真っ二つにされて、量産型エヴァみたいにグルングルン回りながら、腸を引き摺りながらキラキラさせて飛んだ。


「「「「「「「「「「おおお~~~っ!」」」」」」」」」」


 ドワーフ軍も盛り上がったが、敵方は余りの惨殺死体を見て今回もドン引き。従僕もゲロゲロ吐いてしまい、どうにか死体を集めて担架に乗せて、上下泣き別れの亡骸を運び去った。



 次の騎士も泣きそうだったが、名誉ある任務なので断れない。


 どうにか三角州まで来ると、今度はペガサスが飛んで来た。


「聖堂騎士……」


 この場合、歯向かうと破門で、ロンドンを燃やしたドイツ軍のヴァンパイアぐらいじゃないと歯向かえない。


 破門されるとカノッサの屈辱をさせられるか、貴族としての権利なんか全て失い、親族一同から「そんな馬鹿者はいませんでした」と言う訳で名誉殺人まであり得る。


「じゅ、十二使徒……」


 さらに帽子や装束や法衣から見ると十二使徒。もう相手は神の使徒で神官で騎士団長なので、小便漏らして逃げ出すレベル。


 メキシコのルチャドールのスカイトルメンタみたいに、孤児院の子供を食べさせるために覆面レスラーになったが、ピンチに陥ると聖書を振りかざすので、相手は悔い改めて跪いて、合掌して神に許しを請わなければならない決まりごと?があるので、同じことをさせられる。


「お、お許しを……」


 この騎士も跪いて、合掌して泣いて許しを請うた。


「貴方はわたくしと戦わなければなりません」


「お許しを……」


 そんな事をすればあらゆる意味で死ぬ。社会的にも貴族的にも市民としても、教会から破門されると死ぬ。


「貴方を許します、神の御加護を」


「はい……」


 聖国聖堂騎士団団長の十二使徒は、何もしないで勝利した。



 敵方も、聖国発行の免状を持っているので、どっちの言い分が正当なのか検討されたが、生の聖堂騎士団で、十二使徒は神の遣いなので、歯向かったらその時点で破門は確定。


 後ほど聖国から正式見解は出るだろうが、十二使徒は神の軍隊を率いているので、独自の軍事力で法王庁とはまた別の行動を許されている。


 もしこの後、聖堂騎士団に向かって刃物を構えたら破門。


「おい、あんなのどうするんだよっ?」


「神の軍隊だ……」


 一般兵にも農民兵にも動揺が広がる。神など信仰していない傭兵にも、聖堂騎士には刃物を向けられない。


 家族がいる者もいるので、全員人質に取られているのと同じ。



 そのまま聖堂騎士を順番に出していれば全勝なのだが、その次はオバハンが飛んで来た。


 人間が空飛んで来ただけで物理法則に反しているが、人間の魔法には浮遊呪文はあっても飛行呪文は無い。


「ドラゴンロア……」


 竜の魔法には自分の大重量を飛行させるための呪文がある。あの小さな羽では高速飛行はできない。


 騎士の前に立ったオバハンは、既に人知を超えた存在で「竜に育てられた」系統のババア。


 オッサンの娘で出戻りだが、クランハウスでちゃんこ番をして小遣いを貰っている。


「どう? 降伏する? 竜魔術で月まで吹き飛んでみる? 永劫系の呪いで焼かれてみる?」


 人語も喋れる模様。


「参りました」


 オバハンも何もしないで勝利した。



 今のところ五戦全勝。今後も負けることはない。


 そこで地面を走る陰に気付いた者がいて上を見た。鳥が通過した程度では地面に影は落ちない。


「竜だ……」


 5メートル程度のワイバーンとか飛竜じゃなくて、竜騎士団の十メートル少々の火竜でもない。ネームドの竜で、炎竜とか雷竜とか氷竜の、全長数十メートルで、南米で見つかったスーパーサウルスが空飛んでる状態。


 たった一羽で国崩しが出来るのに、それが続々と飛んで来て十羽ぐらいが旋回して地面の兵力を確認している。


 母竜と息子と、間引いてオッサンの所に預けた子供と、大きすぎて飼えなくなったり、子作りに繁殖しに帰った人化できる姉や兄。


 ここで「魂のルフラン」が流れてくると、エヴァ量産型全機出動で「少々足りぬがここで始めるか」となって、審判の日でサードインパクトが起こってデストルドー反応が下がって、マヤちゃんの後ろからセンパイが「I NEED YOU」と打つと「センパイッ」でビチャアッと。


 ATフィールドを保てなくなって、ミサトさんが迎えに来たり冬月先生もユイ君が迎えに来るとビチャアアッと。誰も迎えに来ない青葉さんでも綾波が大量でビチャアアッ!と。


 竜が降り立ってブレス吐いたり、爆裂魔法入れた陣営が破滅する。



 竜は敵陣営に降りたが、逃げ惑う連中の中心にいたオッサンと親しげに会話し始めた。


『父さん』


『パパ』


『遅くなったな、小さい子供を預けて来た』


 いくら子供を産んでも間引いても、オッサンの所に配達すれば育ててくれるので、遠慮なしにブリブリ卵産み続けた母竜。


 その子供も成長して孫が出来て、その子育てもして、親竜が間引くとオッサンの所に配達しに来る。


 まあ「人間が勝手に育ててるだけだモ~~ン、ぁたぁしぃ、しらな~い」らしい。


『こんなに衰えてしまって、さあ、竜の涙を』


 息子や娘がスリスリして涙を飲ませると、絞りたてで粋が良かったのか、神気もたっぷりで、ハゲ散らかした汚いジジイから、綺麗なオッサン程度に若返った。


 小汚いデッブデブなババアも、ドワーフ嫁も遊牧民嫁も我も我もと群がって、骨粗鬆症で痛い膝とかが治った。



 乙女パーティーで女子会なので、新人女優とかぺーぺーの女子でも、ベテランに向かって「ちゃん」付けで呼ぶときがある。


 相手が神である親竜でも、同じパーティーの女連中は、親竜を仲間外れにしないよう「ドラちゃん」と呼んでいた。


 さんま御殿で、ペーペーの誰も名前を知らない芸能人が、ピンクレディーのケイさんに向かって、女子会かパジャマパーティーで「ケイちゃん」と呼んでいると言って収録現場が凍り付いた。


 その場に森口博子もいて、どれだけ尊敬しているか、神格化して見ているか誰でも知っているが、ピンクレディーのバックダンサーを目指して、更に歌手になっても売れず、ガンダム歌手にされて嫌で嫌で仕方が無かったとか苦労もして、ようやく同じ舞台に立てて、世間の目が赦すのなら「ケイおねえさま」とでも呼びたい人物の前で、ゴキブリ以下のゴミクズが神様をちゃん付けで呼んだ。


 もう死刑確定で、裏に連れて行かれて森口博子が直接手を下さずとも、取り巻きが袋叩きにして髪の毛引っ掴んで腹パン入れて、腹に膝入れてやって体が持ち上がるぐらい処刑されて、週明けには山に埋められているか、どこかに浮かんでいるのが確定。


 その場を収められるのはケイさんだけで、もう森口を嫁に貰って帰って、二人共ストレートでLGBTじゃなくとも、女子会でパジャマパーティでも開いて「ケイちゃん」呼びをさせて泣かせて、オトコマエな表情で「一緒に風呂でも入るか?」と誘ってキャッキャウフフ、ベッドに連れ込んで一夜の過ちでも犯して貰わないと新人が死ぬ案件。


 その新人は死んだかもしれないが、ドラちゃんとみんなは仲良しパーティー。けもフレ2の主人公と偽サーバルと、もう一匹が並んで「私達最高の仲間だよね」と言うぐらいには仲良し。


 と言う訳で敵陣営の破滅が確定した。



「竜だっ、もうおしまいだっ!」


「ネームドの竜だぞっ!」


「「馬鹿の見本」の絵本と同じじゃないかよっ」


 自分達の王様で宰相で大臣が馬鹿の見本。宰相の息子が正当王家の姫と無理に結婚して国を乗っ取ったので、今までの慣例は採用されていない。


 王家口伝で伝えられる、国家秘匿事項も伝えられてない。イケイケの宰相の馬鹿息子が王配になったので、何も伝えられてない。


「閣下、本国より通達です、魔国が停戦条約を破棄、魔王継承機と八卦衆が上陸、王都を囲んでおります」


「何いぃっ?」


 和平じゃなくて停戦条約。親父の所に攻め込みやがったので現魔王本人が出陣。


 北朝鮮と韓国と一緒で、停戦監視団がいるが、トランスポンダー切ったA380で「独島は我が領土~」とかやらかして、米軍スクランブル発進、当番のオランダ軍大激怒レベルの大ヤラカシ。


 オマケに八卦衆ロボも同行、天のゼオ〇イマーが来たので無限エネルギー。通常のG型ロボじゃない。


 ファイブスターストーリーズ的に、光速移動(テレポート)して上陸したので、その経路大惨事。



「後方にフェンリル多数っ、既に包囲されていますっ!」


 ラスカルが家族を呼んで、孫曾孫ぐらいまで集結。ソーセージとか美味しい肉を食わせて貰えるオッサンなので懐いている。


 対岸で待たないで、ウルフパック系統の包囲作戦。逃げてきたら襲撃する。


 雷化したり風の魔法を纏ったり、レイアースで人化していたフェンリルが、巨大なまま突っ走って来て、ビカビカビカ~~と光る方向に。



「ベーコンのフライだっ!((C)スターシップトルーパー)」


 地下から何かが掘り進んで出て来る音、宇宙の戦士なら蜘蛛だが、こっちは大蟻。


「川の左右方向から大蟻が大量に出場っ! その数数千っ!」


 戦闘蟻数千匹単位が「シュッ、シュッ、シュッ」言いながら出てくると、相手十万人いても半日もあれば、全員地下に連れ去って抱卵器に出来る。


 血の海と手足だけ残って転がっているが、残った部品はマンティスやゴキが食べる。


「大マンティス、大蜘蛛、大ゴキブリ多数出現っ!」


 わざわざ蟻の巣で育てている種なので、ターミネーターとかエクスキューショナーと呼ばれる奴で、見た瞬間に金等級冒険者でも死ぬ系統。


「超巨大カブトムシとっ、搭乗者と思われるリッチが出現っ!」


 フォースゲートオープンして、ワンダバしながら蟻の巣の決戦兵器も出場。


 元宮廷魔導士とか大神官が、政治闘争に敗れた時、禁呪を使って闇の生き物になったので、余裕で十階梯魔法。


 蟻の友人として地下世界にやって来て、頭脳体として防衛組織に勤務。


 こっちの一団も「竜の花嫁」に出て来る邪神アバドンとでも喧嘩した時、巣にメテオストライク食らいまくって、上から海水流されて死ぬのが確定した時、オッサンが間に入ってどうにかしたらしい。


 もしかするとゼルエルとかカヲル君とやりあって、地下十三階層まで貫通されたり、ヘブンズドア開けられるまでやらかしたのを、カヲル君握り潰して首ポチャしたのかも知れない。



「上空に天空の城っ! 二隻っ!」


 サンキューセットで「天上人」と呼ばれる翼人が付いて来る。四枚羽から十二枚まで、「もう、ゴールしていいよね」とかも翼人。


 直の天使ではないかも知れないけど、エスカフローネのママとかも翼人。頭上の光輪が出ていないだけ。


 聖闘士聖矢の天界編に出て来る、ゼウスとか少年達で、全員神衣着てる神闘士(ゴッドウォリアー)の連中。


 主兵装として「ラピュータの雷」とか「インドラの矢」とか言われるジェノサイドキャノンが下向いて付いてる。


 艦載機が腕が翼になった、スーパーマンやルパン二期最終話に出てきたロボ。


 普段はキツネリスを守ったり、鳥の巣に掛かったパズーとシータが乗って来たグライダーの撤去なんかしているが、降下させられて全機展開すると地獄絵図。


 オッサンと友達になって、天空の城の探索とか、天空の城側のクエストも受けて来たらしい。


「神の兵団……」



 伝令兵達も泣いていた、衛兵も泣いていた、各地の領主も泣いていた、全権を受け渡された将軍も泣いていた。


 全員、絶対に喧嘩売っちゃいけない奴に喧嘩売ったのを思い知らされていた。


 オッサンは、ポケベル機能程度の魔道具で、ピザ百人前と寿司百人前と蕎麦百人前を注文してしまっていた。

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