第5話 隣国と戦争

「それからなあ、エルフの里から追放されてた奴がな、魔竜復活させやがって」


 食後もオッサンの放談は続いていた。


 普段は大ボラ過ぎてこの話はしないのだが、一杯入って気分も良くなって、卒業生も出たのでゴキゲンなので魔竜討伐の大ネタも出た。


「何でも大世界樹の方に魔竜が封印されてたそうでな、追放された奴が魔族の力まで借りて、命懸けで里に復讐するために復活させたんだと」


 竜の涙ドボドボ流し込んだオッサンも悪いのだが、里を追放されたハーフエルフかハーフダークエルフが、恨み骨髄のエルフの里を滅ぼそうとして、魔族の力まで利用して自分の命を生贄にして魔竜を復活させたのが主に悪い。


 嫁パーティーも倒されて、有ろうことか精霊王に母竜まで倒され瀕死。もう駄目だとなった時に、エルフの長とか巫女が神具を出して来て(寝具ではない、スヤリス姫ではない)、一緒に弓を引いて魔竜を倒した。


「エルフの長とか出て来て神具渡されて、「今頃になって出すのかよ」とは思ったけど、巫女と一緒に弓で倒してやった訳よ」


 再封印じゃなくて、頭ふっ飛ばしてやって完全決着する方。オッサンが一度に放出できる魔力の方が勝った。


 そんな実績があれば大英雄なのだが、エルフの国の中での出来事なので知られていない。


 このレベルだと大ボラで済まないので、かなり酩酊した時のホラ話にならないと出て来ないし、特にオチも無い。



 もうレベル上がり過ぎて存在進化して、亜神とか神人になってしまって、エルフとか魔族より上の存在。


 そうなるとロックスターみたいに、生理開始年齢の40歳合法ロリから、100歳ぐらいの結婚適齢期のエルフまで、キャーキャー言われて帰して貰えない。


 エルフの秘宝とかは受け取らなかったが、主に世界樹の葉とか性接待で謝礼を受け取った。


 エルフ女を契っては投げ契っては投げしても足りず、エルフ嫁として大人数を貰って行き、主に外見年齢11~15歳、実年齢40~100歳程度の合法ロリを連れて行った。


 数百年後でも何度もスレが立ってロリコンの星として扱われる、前田利家並みに11歳のまつに手を出して「つきたてのお餅みたいだ~(ケツやフトモモが)」と言って、すね毛や陰毛も生えてないょぅじょを妊娠させた兵(つわもの)レベル。


 ノブナガ様の小姓として勤めあげ「利家はいつも儂の寝床におったのう」と言われ、顔を赤らめたという逸話まで残っている、受けも攻めも可能な、男でも女でもイケるオールラウンダーとして記録が残っている。


 いつもの「元服しても前髪を上げるのを許されなかった」という美少年。でも達すると出仕停止。多分「女と浮気して子供まで作った」ので、ノブナガ様に嫉妬されて出仕停止。


 傾奇者の甥は上杉にいたので、見限って転向。今の永田町の複雑怪奇過ぎる愛憎の物語も「愛」の一文字を当てはめれば、スルスルと読み解けるそうなので、ソッチのBLと言うか衆道の同人誌が出ているのでご一読を。


 最近になって、8歳嫁に出産させようとして、死なせてしまった武田信玄などもスレがまとめサイトに出るが、もうそのレベルのロリコン。


 当時は人間でも15歳になると行き遅れで、人格などに問題があった奴は残して行ったが、処女を失わせた奴は、おニャン子の中でも処女だった高井麻巳子だけはセキニンを取って結婚した秋元康みたいに、責任を取らされたとも言う。


 尚、笑いが死ぬので、女ハーレムパーティーで、スマホ太郎の王女姫含む10人超えハーレムだとか、八男の聖女含む10人越え嫁だとは言わない。



「まあ、お次はエルフの長からのクエストでな、魔族が里を狙ってるから調べるためにも魔族の島に渡ることにしたんだけど、その前に大世界樹復活と魔竜退治のクエスト報告に人間国のギルドに行くとな、受付程度が「嘘はいけません」とかホザきやがんのよ」


 途中通過経路の人間国で、エルフの里で「大世界樹復活クエスト」だとか「魔竜討伐クエスト」を報告して行ったが、受付の時点で「虚偽報告は犯罪です」「嘘はいけません」レベルの門前払い。


 精霊王も馬鹿にしたので、現地の精霊王とも話し合って魔法停止の刑。


「ウチ、精霊王もいたから魔法停止にしてやるとな、国中叫び回って「生活魔法使えねえ!」ってなって大笑いよ、はははっ」


 魔族支配地域だったが大混乱になって、点火(イグニッション)、清潔(クリーン)、照明(ライティング)程度も使えなくなって、急遽「魔法と生活魔法を使えるようにしろ!」の緊急クエストが生えた。


 ギルドの中で精霊王帯同の元「魔法使用可、使用不可」を見せてやったが、どうしても魔竜討伐を認めようとしなかったので決裂して席を立ったが、受付嬢が泣き叫んで足に縋って?


「たああすけてえええっ! でないとこれから私の一族郎党全員火あぶりにされますうううっ! ギルマスも副ギルマスも王家に処刑されますううううっ!」


 と泣いて縋ったので、どうにか使用許可が下りた、らしい。


「王家の方は精霊王に土下座謝罪したんだけどな、ギルマスとやらはお貴族様の偉そうな奴でな、謝罪しなかったから後日首桶で塩漬けの生首が届いてなあ……」


 王家に処刑されて三族から九族まで誅殺されたらしい。オチは付いたが今回もホラー展開に。



 その後は魔族への懲罰の為に魔族始まりの島に渡り、魔都の魔法大学に潜入した。


「魔族の島って言ってもな、王都だったら人間族もいるしエルフも獣人もいるし、ダークエルフまでいやがんのよ」


 魔都は支配下の人間族もいて、隠蔽魔法使わなくても、ダークエルフもいたのでキニシナイ。


 流石に魔都なので、嫁パーティーは上陸しないなどの案もあったが却下。「私が不要なら死ねと仰ってくださいっ!」等の重めのヤンデレを食らった上で、ゾロゾロ付いて来た。


「魔法大学に入ったら、ま~たクソ偉そうな貴族の娘で、四天王の娘いやがんのよ」


 早速、乳もデカイ、ケツもデカイ、態度もデカイ赤系の爆炎の女王で、魔族騎士団の中でも「我に勝てる者はおらぬか?」と言う偉そうな四天王の娘がいたので片手で倒した。


 マッシュルみたいにグーパンだけで倒して、それでも根性で起き上って来たので上腕二頭筋で絞首して、何が起こったのか?どうやって倒されたか分からないうちに、ブサイクな顔にして小便漏らさせて絞め落した。


 番組開始二分三十秒以内に、新ヒロインの裸を放映してやらなければならない暗黙のルールによって、アヴァンタイトルの内に風呂場でのキャッキャウフフの中に落ちたり、学園最弱の人間族でドレイ君で最低男が、学園の女王の下半身に刻まれている淫紋に触れてしまい、契約者でただ一人妊娠させられる相手になってしまったからさあ大変。


 すぐに決闘を申し込まれて、負けた方が一生奴隷でゲボク。と言う契約書を交わして決闘したのだが、最弱男が何故か勝ってしまったので、口が勝手に「ご主人様~」と言う体にされてしまい、ウサミミナースメイド服が標準装備に。


 ア〇ルプラグで取り付ける「ヤダァ、尻尾があっ」も標準装備。


「学園の女王とかホザいてたけどな、身分が高いから誰も勝とうとしなかったみたいでな、勝ちを譲られてたみたいで」


 別に遠慮していた訳ではなく、実際強かったが、オッサンの方が強かった。



 学園の女王に憧れている男共に、次々に決闘を申し込まれるがことごとく撃破。レベルが違い過ぎて種族進化までしているので、普通の魔族でも貴族でも絶対に勝てない。


 数々のツンデレ発言を言わされ続けて、四天王最強の親父にも「娘はやらん~~!」発言まで頂戴して抹殺指令。


 トミノゼリフの「異星人に娘を寝取られた、父親の悔しみが分かろうものかよっ!」みたいな、血の涙流す系統の悔しさの最上級のセリフまで頂戴して、ついには娘の中で最強だった親父までジャーマンスープレックスで倒されてしまい、メスの「好きぃっ!」スイッチが入っちゃってからは、ツンデレが進化してしまってもうデレデレ。


 腕組んで乳を押し当てて、人前でも平気で「ご主人様~」。四天王最強の親父も自分に勝った男なので認めて「娘を頼む(血涙)」。


 それで終戦かと思ったら、娘の幼馴染で生徒会長で魔王の娘が出現。


 本来四天王の娘の方が「その汚い手を姫様から離せ~!」のキャラだったはずが、キャラ崩壊して「ご主人様~」になってしまったので、どうにか取り返そうとレズ的に工作。


 でもやっぱりワンパンで倒されてしまい、もっとブサイクな顔にされて即終戦。


 今度は異母兄で上級生の王太子が出て来たものの、変顔して嫌味言いまくるクズだったのでワンパンで討伐。


「まあ、色々倒して、王太子まで倒してやるとな、魔王の娘に魔剣継承の儀式ってのに呼ばれて……」


 王太子でも魔王継承のための魔剣は抜けず、邪神様から賜った継承機は起動できなかったので魔王には成れない。でもオッサンが魔剣ヌイちゃって継承機を起動してしまったからさあ大変。


 天地無用GXPで天地の甥か誰かが、ギャラクシーポリス勤務のはずが、どこかで神武(じんぶ)を起動してしまって、樹雷王家入閣と言うか樹雷王になってしまったのと同じ。


 聖騎師物語の方で、聖騎神を起動して事件を解決したので、ラシャラ姫以下全員の夫になったのと同じ。


「魔剣って人間でもヌケるガバガバ設定でな、アッチでは邪神から貰った魔剣ヌイた奴が一番強くて、魔王らしいんだと」


 凄まじいホラ話だが、言葉通りだと目の前のオッサンが今代魔王。



 宰相も四天王も人間如きを魔王に出来る者かと、魔法の四天王も暗黒神官の四天王も暗殺アサシンの四天王も立ちあがり、アヌビスみたいな嫌味言いまくる宰相も立ちあがったが、サリティ(誰?)みたいに不死鳥の召喚獣呼び出したり、無理難題に答えてやって全員撃破。


 武装蜂起しやがったので、魔剣から継承機を起動してやると、魔竜機(ドラグーン)か竜闘士(ドラゴンウォリアー)の、思いの力で作り上げた大張調のロボが立ちあがった。


「もう魔国中でドッカンドッカンやらかしちゃって、デッカイロボも出てもう滅茶苦茶で」


 お助けロボも登場して、勇者物かバーンブレイバーンぐらい合体。CG映像でもデッブデブのロボが完成。「兄さん、やってくれましたね」レベルで全員撃破。


 スミス中尉とホモ合体ではなく、ゴーダンナーしてダイミダラーしてダーリンインフランキスしてゼオライマーしちゃったので、八卦衆のロボも全部撃退。


 魔王の娘がコントローラーになって、後ろからジョイスティックぶち込んで、乳揉みながら操縦するタイプのロボだったので、魔王の娘バックからパンパン言わされたり「ヒーヒー」言わされたが全部倒した。


 もう「スパイラルナッコ-!」から「カタルシスウェイブ!」までヤラカシて、海賊船長ガリモスであろうが全部撃破。


 神罰執行形態とか、今までの魔王にもできなかったことまでやらかして、板野サーカスやって空き缶ミサイル全力投射、DAICON3,4までやったので魔界中お花畑。魔王軍全部ぼてくりこかして来た。


 魔王の娘も嫌味なクソ兄も倒せたので感激して、涙で濡れ濡れでヌルヌル(何が?)。


 処女も何もかも奪われてしまった魔王の娘だったが、恋人?で継承機の起動までしたオッサンが魔王確定したので大勝利。


 やっぱり「好きぃっ!」になってしまい、「もう貴方しか見えない」状態で、対面座位でもう一回。


「まあ、結局勝ったんだけど、魔王軍全員俺に従わなくてなあ」


 魔王軍撃破したので、オッサンが今代勇者で、邪神から賜った継承機を起動したので魔王。


 もう大ボラの域を超えてるので、研修生とか周囲の奴らも顔面がブルー。



 その後、魔王の娘と四天王の娘も嫁パーティーに加えたが、流石に魔王は固辞して魔王の娘の王配に。


 勇者で魔王なので中々返してくれなかったが、二人に「忘れ形見」を数人残して帰った。


 魔王の娘は結局魔剣抜けなかったので、厳密には魔王ではないが、産んだ息子が魔剣ヌイて、四天王の娘が産んだ娘の方が「異母兄弟でも兄上様と合体しちゃってるよ、頭がフットーしそうだよ」とか「その笑顔だけで一晩で法隆寺建立しちゃうよ」状態らしく、継承機のロボが起動して魔王継承。


 オッサンが現魔王の親父でした、と言うオチというかホラー展開に。


 現在、魔王軍は人間国と和平条約を交わしていて、もう侵攻していない。これもオッサンの手柄?


 内戦で人間の勇者?一人に大敗して、平原戦でも空中戦でも魔法戦でも実力行使でも、全部負けたのは外部に公表されていない。


 その辺りは魔王の娘が対外的に配慮したらしい。


 解散後、研修生や新入りのスカウトの中で「おい、あのオッサン魔王じゃね?」とか「いや、勇者だろ」「そんな英雄いるかよっ」「いつものホラ話なんだよっ」と結論?が出て就寝。



 翌朝


 本日も一旦ギルドで集合し、ラウンジでコーヒーなど飲みながら目を覚ましに行くと、受付周辺がゴタついていた。


「おい、隣国と戦争だとよ」


「もう兵隊が集結しながらこっちに向かってて、西の砦は落とされたそうだ」


 確定情報からまことしやかな噂話まで、「ヤンウェンリーは10年の構想をもってエルファシルに行き、イゼルローン要塞奪回の兵を起こした」だとか「ヤンウェンリーは帝国に目を付けられていたので、ラバロ議長に謀殺された」だとか「ローゼンリッターが反逆してヤンウェンリーを救出し、血の流血階段を作って帝国の将軍を拉致して人質とした」等の噂が飛び交っていた。


「おう、旦那、どうするよ?」


「おお、大変だのう」


 少し話し合っていると、上から封蝋がされている羊皮紙が落ちて来た。


「うん? 何だ?」


 上を見るともう誰もいない、遮蔽や隠蔽しているのなら分かるが、消えてしまっていて痕跡も無い。


 開いてみると暗殺ギルドの正式依頼書で、内容は「敵国の王族貴族の暗殺、確かに承りました」と書いてあった。


「あ?」


 オッサンも「あ? これ、アカン奴や」と気付いたが、暗殺ギルドのホンキを見せられてしまう。


 ほぼ数週間以内に、敵国王族貴族の幼子まで始末されてしまう。早めに決着させないと全員死ぬ。


 そこで通信用の魔道具を出したが、ジジイなので使い方がよく分かっていない。


 元々文字だけ送信出来て、意思疎通は無理なのだが、ポケベル程度の通信能力の物体に、「リンゴク、セメテキタ」とだけ送った。


 送信先が選べるはずなのだが、デジタル物は不得意なジジイなので、CCで全社送信レベルの失敗をして、登録メンバー全員に送信した。


 魔王の息子とかエルフの長まで登録されているので地獄絵図。



 国境近くの城塞都市なので、ここで普通の市民なら、逆方向の門に向かって逃げ惑い、難民が発生するレベルで、次の都市や王都に転がり込んで、貧民街やスラム住人になるのが普通だが?


「おう、出番だ。今日は店じまいだな」


 普通のパン屋のオッサンが、アンパンマン一同揃えたようなゴーレムマスターで、リアル過ぎるデカイ食パンマンとかカレーパンマンまで引き連れて出立。


 元モンクで、ヨーコさんの親父みたいなステゴロ上等のオッサンも参戦。職業は艦長専属のコックなのか整体師なのか、スティーブンセガールみたいに関西弁喋れるオッサンで、立ったまま関節技極めて、オーガでも首を180度回転させられるレベル。


 養蜂家なのか、巨大な蜂を連れた魔獣使いも参戦。何回人間を刺しても死なない蜂で、一回の毒液の分量が多いので、一瞬でアナフィラキシーショックで死ねる。


 夢を掴んで自分で店を持った、魔道具屋でも錬金術師でも、武装錬金して出立。


 引退卒業して警察に解散届出してた暴走族とか旧車会が、カラーボックスに特攻服仕舞っていたようなのが続々と参戦。ギルドの緊急クエスト「攻めてきた隣国を倒せ!」のクエストに参加し始めた。



「アニキッ(性的な意味ではない)、お久しぶりですっ」


 通常、戦争の時にはヤクザ者は怯えてしまって使い物にならないと言われるが、悪所からもチンピラや黒服や店長や若頭が続々と参加。


 デカイデブのボディーガードも、チンピラも半グレも本グレも参加。人斬りのナントカの二つ名持ちも参戦。


 街の騎士団に就職した奴も、門番衛兵に就職した奴も大集合。第四出場したぐらい集合。


「先生っ、ご無沙汰しておりますっ」


「おお、来てくれたかっ」


 ジジイ涙もろいのと年取って涙腺もユルいので、この程度の卒業生集合で泣き始めた。


 修道士会からも修道女会からも、聖女見習い聖女聖人大聖女大僧正集結。


「あの頃はお世話になりました」


 平時には教会の奥の院から出して貰えない、大聖女大僧正。後で王都や聖国からも来る。


 王国のクエストで出動していた、金等級白金等級の冒険者も飛竜に乗って集結。


「大将っ、久しぶりだなあ」


「お前達までっ」



 数時間もすると、遠く聖国からペガサスに乗った一団も到着。


「聖堂騎士団現着っ、展開場所をご指示くださいっ」


「「「「「「「「「「じゅ、十二使徒……」」」」」」」」」」


 部下の聖堂騎士団80名と、十二使徒と呼ばれる聖騎士まで到着。卒業記念にオッサンから経験値倍増アイテムを譲渡されているので、今では10階梯白魔法最高の、神罰を与える呪文すら唱えることができると言われる。


 団長は馬鹿みたいに高い帽子被って、他のも十字に前が開いたヘルメット被って十字軍スタイル、重装騎士並みに武装した一団。


 その上に金糸銀糸で彩られた聖衣着てマント装着、一人づつ違う紋章とか出してるので怖い。ハルバートとかクレイモアとかメイスとか大盾抱えてるのでもっと怖い。


「よくぞ、良く集まってくれたっ」


 もう号泣して、懐かしいメンバーと集結。城塞都市を出て数時間かけて川岸に布陣。



 国境の街なので敵側も対岸にポツポツ来ているが、本隊は遥か彼方。


 各領地から数人から数十人、槍だけ持ってるほぼ裸の装甲値ゼロの農民兵だらけ。領主と騎士らしき数人だけがポニー程度の裸馬に乗ってる。


 クレーンで重装騎士を釣り上げて、馬に乗せてるような奴は存在しない。せいぜいペラペラの鎧で、強い弓矢なら貫通する。


 この頃の戦争なので、敵側から使者が来て、戦争執行の理由など述べて証文も提示、まずは騎馬騎士など出し合って一対一で対戦。


 ジョストするか、尋常の勝負で対戦して、騎馬戦に負けた方が陣を引いて下がる。


 もう下がれないか、負けを認められないと実力行使。先を尖らせてある棒程度の槍で、バシバシ殴り合って勝負する。



『義によって助太刀いた~~すっ!』


 まず言葉が通じない代表選手、近所の遊牧民から軽騎兵100騎程度が到着。オッサンの息子や甥もいるそうだが、遊牧民なので一切話通じない。


 全員大型の馬に乗っていて鞍も鐙もある。乗っている連中も全員朝青龍か白鳳レベルの巨人。ムッキムキのモンゴル相撲の選手レベルで、見ただけで妊娠しそうで「ウホッ」レベルのガタイ。


『おお、来てくれたか、兄弟、息子』


 流行病から救われ、大型の魔獣も狩って貰って、皮をゲルに使うと魔獣は来ないし、フェンリルが説教して行ったのでウルフの類も歯向かわなくなった。


 遊牧民のクエストも解決して行ったが、金も受け取らないで嫁だけ連れて行ったので、命の代金は命で支払う。


 中国様からも「匈奴」と呼ばれるレベルの戦闘集団が集結。十倍の兵力差でも勝った。



『命には命で答えなければならないっ!』


 エルフの一団と精霊と精霊王が、ゲート開いて空間転移して来て、まず数十名が到着。地上を走る騎獣に乗っているのは少々時間がかかる。


 人間の目には見えないが、肉の体を持たない精霊が数万匹来ている。大世界樹から生まれた精霊で、オトモダチのジジイババアも瞬着。もうこれだけで勝敗は決した。


 更に敵側にだけ魔法禁止の刑。生活魔法も攻撃魔法も治療魔法も全部使用不可。


『妻よ、救いに来た』


 両性具有の精霊王からすると、オッサンは妻。メスの顔をして迎えた。


『貴方……(////)』


 数時間後、空を飛ぶ騎獣に乗ってドワーフもホビットもノームも到着。主に敵側にだけ地獄絵図で死山血河が築かれる。


 王様でも代替わりしたか王家が大臣に乗っ取られ、各種条約や約款が無効になったらしい。

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