第7話 気持ちを込めて…
今さっき、彼からLINEがきて『今日、会う?』と。
サエコは夕方から前に買ったクッキーの材料を取り出して今から作り今日会う時に渡そうと思った。
サエコは料理は苦手だけど、お菓子作りは毎年沢山作るほど好きだった。高校の友達や先生、家族には作ってはいたけれど、まさか好きな人のために作るとは想像もしなかった。
クッキーの型は色んな形を持っているけれど1つの型だけを取り出した。それは…ハート型だ。
直接、彼のことを想っていることを伝えれないから伝えるのが怖いから彼にこの気持ちを気付いて欲しいと思った。
クッキーを作り終わった後にクッキーを彼のために袋詰めしている時にあまりにもハートの形が多すぎて笑ってしまった。これで、気付かないとかないよね?って独り言いいながら。
彼のもとへクッキーを持って向かった。彼はその時何も知らずに『待ってたよ』といつもの一言。
サエコは、『この前、数学教えてもらって助かったから』とクッキーを彼に渡した。すると彼は袋に入ったクッキーを見て『もしかしてやけど、俺のこと好きなの?』ってサエコに聞いてきた。サエコは自分でも分かるくらい顔が熱くなった。『うん。好きだよ?』と言えばよかったのに、どうしても恥ずかしさが勝ってしまって『んなわけ。お礼だよ。』と言ってしまった。せっかく彼が気付いてくれたのにサエコは、なんてことしてしまったのだろうと後悔した。彼は笑顔で『だよな』と言った。
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