第6話 嫉妬心なのか…これって?

もともと前から彼のお母さんとサエコのお母さんは、友達同士で仲良かった。そういうのもあって、サエコは彼のお母さんの連絡先も知っている。彼のお母さんは、福祉系の仕事をしている。ある時サエコに彼のお母さんは『サエコちゃん。もし何の仕事しようか迷っているなら福祉系の仕事したらいいよ。きっとサエコちゃんにも合ってると思うし。』と言われたことがある。前、彼に会ったときに『▲▲のお母さんに福祉系の仕事を勧められた。』と言ったら彼は『お前に福祉系の仕事なんか出来るわけがない。体力がないのに』と言われたことがあった。見返してやろうと思い、彼には内緒で福祉系の仕事に進もうと決めていたサエコである。


ある日、サエコのお母さんが『〇〇さんから▲▲くんの文化祭を一緒に見に行かない?って誘われたんだけど一緒に来る?』と聞かれた。サエコは動揺を隠せなかった。彼の学校の様子を見れるチャンスは今しかない…でも何故か怖かった。悩んだ末、お母さんに『行く』と言った…行かなかったら絶対後悔すると思ったからだ。

彼の文化祭当日…サエコはいつもよりオシャレな服を着てお化粧した。準備は整った…

行くと返事したものの足が震え怖くなった。彼はサエコが来るの知らないだろうと思った。

勇気出してお母さん達と一緒に校門くぐって学校の中へ進んだ。彼は、何組なんだろう?そんなこと彼に聞いたこともなかったから分からなかった。彼は、今この学校の中の何処にいるの?彼のことで頭がいっぱいでまた、胸がキューッと痛くなった。

お母さん達が『▲▲くんいないね…』って話しながら休憩所でお母さん達と一緒にサエコも座って休憩した。すると、休憩所前の扉から突然、彼が出てきた。サエコは一瞬、時が止まった。

゛いた…………゛

彼は最初、目線が違っていたけれど私らに気付いたように目線が合った。彼がサエコも来ている?何故?って顔をしたようにサエコは思った。彼の後すぐ、彼と同じクラスの子か分からないが彼に話しかけにいった女子がいた。見れない…いや、見たくないとサエコは思った。彼のことを好きだと想っている子がいたのかって考えただけで悲しくなった。今すぐ、家に帰りたい…それしかなかった。このまま叶うか分からない片思いを続けてて意味があるのか。

でも、この気持ちって彼のこと好きだから嫉妬してるんだよねって。他の女子とあんなふうに笑顔で話し合ってサエコは見てるだけで嫌気さしたけれど、羨ましかった。同じ学校でもしかしたら…同じクラスって考えるととても羨ましかった。もし彼と同じクラスだったらずっと目で追いかけたい。




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