第5話 彼は、どう想っているの?

もう気がおかしくなりそうなくらいサエコは、彼にゾッコンだった。この前の数学を教えて貰っている時の彼の頭の良さや教え方を見て余計に惹かれている。サエコには到底、手が届きそうにない…そうも、思ったけど諦めきれなかった。サエコも負けじと勉強でトップを目指さないとと思った。

それにしても彼は帰り際に毎回、キスやハグをしてくるのは何故か知りたかった。でも、直接彼に理由を聞くのが怖くていつも聞けず終わる…

゛彼はどう想っているの?゛その言葉が出てこない。いつかタイミングきたら聞こうと思った。

数学の授業中、数学の教科書を開くと彼が書き込んでくれた公式がメモされていた。それを見たサエコは、嬉しくなった。同じ学校じゃないけれど、その場で一緒に授業を受けてるかのようだった。

学校帰り、近くのスーパーに寄ってお菓子作りコーナーに行った。サエコは数学を教えてくれたお礼にと次、彼に会った時にクッキーを作ってあげようと考えた。

本当に彼に対して想う気持ちはだんだん膨れ上がる一方で片思いがしんどくなってきた。いつまで片思いのままでいなきゃいけないのだろう。いっそのこと、彼もサエコのこと好きになってくれたらいいのに…その方が楽だしその方が幸せなのに。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る