23話
レウナがエロいことに誘ってくれるのは死ぬほど嬉しい。
このまま仲良くえっちして、レウナのはじめてをもらおうと思わなくもなかった。
だが、レウナにはちゃんと伝えておかなくてはいけない。
そのため、がんばって理性を振り絞って、あなたはレウナに告げた。
『アルメガ』まだ生きてるっぽいよ、と。
「聞ぎだぐな゛い゛……! 私ばな゛に゛も゛聞がな゛がっ゛だ……!」
頭を掻き毟ってレウナがのたうち、喉のひっくり返ったような割れた声で呻く。
あなたはあまりの狂乱振りに、そんなに『アルメガ』が怖かったのかと涙した。
「う゛ぅ゛……! もう無理だ、無理だって……! 次は絶対に勝てない……! グレイスメイデンもプレデターズも、もういないんだぞ……!」
勝てないかもしれないが、あなたが精一杯戦う。
あなたはレウナのため、命を賭して戦うと約束した。
それではレウナの心の安寧を取り戻すのに不足だろうか?
「無理だ……あれは強いとかどうとかではないのだ……殺せないんだよ、あれは」
超絶のサイキックゆえに、時を巻き戻すとかそう言うことだろうか。
たしかにあれは非常に厄介だったが、最大限に加速すればなんとか……。
「そうじゃない。そうじゃないんだ。以前に言ったろう、あれは波であり粒子であると。あれは、光と同化し存在する、異常生命体なんだよ……光の速さで伝播する存在なんだ。光が存在する限り、殺せないんだよ!」
レウナの叫びに、あなたも思わず気が遠くなる。
光と同化して存在するってなんだそれは。
思っていた以上に意味の分からない存在だ。
そんなものどうやって倒せばいいのだろう。
って言うか、そんなのどうやって作ったのだろう。
「私は上手くやったと思っていたんだ……我が神の御力は死と言う概念を直接与える……光だろうがなんだろうが問答無用で殺せる。だから、殺し切ったと思ったんだ……!」
こんなことをレウナに言うのはむごい話だが……。
アレを……つまりは、ラズル神の降臨をもう1度と言うわけにはいかないのだろうか?
「前に失敗したのにか?」
じゃあ、もうどうしようもないではないか。
「そうだな。もう諦めるしかないな。今思えばもっと早く死んでおけばよかった。そうしておけば絶望することなどなかったというのにな。私が4歳の冬の時、親に捨てられてな。3人揃って仲良く死ぬくらいなら、私1人死んで両親が生きればいいと私は諦めたが、あそこでみっともなく泣きついて3人で死んでおけばなぁ。いや、イノシシに足を抉られた時に死んでおけばよかったのだ。我が神にお会いして生きる活力を取り戻したりしてな。ああ、思えば我が神の胸に抱かれて安らいだ時ほど心地よかったことはない。あ~、またあの領域に行ったら神様が私のこと抱き締めてくれたりしないかな~? 大きくなったねとか言われて抱き締められ、優しくよしよしされて愛しているぞ我が子よとか言われたくてな。神様、私死にたいんですよ」
レウナが濁った眼で死を希求している。
あなたにはかける言葉が見つからない。
あなた自身、どうしたらいいのか迷っていたからだ。
俯くレウナのつむじを見つめながら、あなたは考え込む。
……レウナのうなじが最高にエロい。むらむらしてきた。
あなたはレウナに死ぬ前に処女を卒業しないかと提案した。
考えるのをやめ、欲望を満たすことにしたのだ。
あなたはどうしようもないクズだった。
「おお、そうだな。どうせ死ぬのだから、やっていないことやったもの勝ちだものな。まずは処女卒業と行くか」
レウナも乗り気のようだ。
あなたは実に喜ばしいことだと頷いて、レウナを抱き締めた。
そして、どういう風にして欲しい? と尋ねた。
「そうだな……せっかくなので思い出に残るような行為にしたい……うん、私があなたを抱きたいが、ダメか?」
初体験にして攻め側に回ろうとは、なんともチャレンジングな。
だが、そう言うのも悪くない。へたくそな初心者に間違った行為で痛くされるのもたまには悪くない。
ああ、本当にはじめてなんだな……と言う実感を強く得られるので、あれはあれでいい。
まぁ、本当に、たまには悪くない、なのだが……。
あなたははじめてのレウナと仲良く気持ちいいことをした。
あなたが今までレウナにした愛撫を見様見真似でされて。
ぎこちないけれど悪くはない、そんな初体験になった。
「……これを使ったせいか、処女を卒業したというより、童貞を卒業した気分だ」
レウナがそんなことをぼやく。手には淫具。
先ほどまであなたを虐めていたニクいヤツである。
まぁ、攻める側に回った以上、そう言う気分になるのは自然なのではなかろうか?
やはり、女同士でも攻め側は男性的なふるまいを求められがちであるし……。
「ふぅ……死ぬ前にやりたいことリストでも、作るか……死ぬまでに…………死ぬまでに……」
死ぬまでに?
「……考えてみたら、『アルメガ』がまだ生きているのは分かったが、まだ活動していないよな」
そうだね。
「すると、
そうだね。
「もしかすると、活動を始めるのが100年後とか、そんなこともあったりしないか?」
そうだね。
「……私が処女を捨てたのは、実は早まっている説があったりするか?」
そうだね。
「……フゥー。まぁ、いい。せっかく得たもう1度の人生だ、やりたいことはやったもの勝ちなのは確かなのだからな!」
レウナが多少なりと元気になったようでよかった。
ただヤケクソになってるだけではと言う説もないではないが。
まぁ、元気になったのは確かなので、細かいことは気にしないようにした。
レウナとイチャコラしていた診療所から出て、いま仮宿としている家に帰り。
就寝して、また朝が来て、また診療所に行って、たくさん患者を診る。
年嵩の奥様方には、エッチなことをすることで肌の艶がよくなると促し。
チンチンから膿が出るよぉ、とかほざくエロガキをメスガキにして透明な汁を吹かせ。
憧れのカレを振り向かせる惚れ薬が欲しいとか言う少女に、真のコマしテクニックを実地で教えたり。
チンポが腫れて収まらんのじゃ! とか言うオッサンを女にすることで万事解決し。
股から血が出たと泣く少女に、大人の女になった証だよと優しく諭し、そのまま無理やり大人にし。
童貞を卒業できないと死ぬ! とかわめく男を女にして処女を卒業させて。
そんな調子で診療をしていると、モモロウがやって来た。
「お~、本格的に診療所やってんのな……先生ェ~、体が火照ってたまらないの……エッチな診察をしてください……」
なるほど大歓迎だ。ではさっそくエッチな診察を始めよう!
モモロウのエッチなところの感度の検査から始めよう!
それが済んだら、エッチなお薬を下のお口に処方してあげようではないか!
「きゃ~、素敵!」
「では、モモロウ。そこのベッドに寝ろ。診察をはじめる」
「あ、あれ? う、うん、わかった」
レウナの促しに、モモロウがベッドに横たわる。
やや戸惑ったような様子で、あなたはモモロウの診察をはじめる。
ねっとりとした手付きで全身をまさぐり、性感帯の調査からだ。
「あっ、そんな、手付き、やらしすぎ……! あっ、ああっ……!」
「ほう、なんとまろやかな乳房だ! やらしいな、モモ。先端が硬くしこっているぞ!」
「レ、レウナちゃん、そう言うキャラじゃなかったはずじゃ……んあっ!」
レウナのやらしい手付きに激しい反応を示すモモロウ。
実に可愛い、最高。あなたもやらしい手付きでモモロウを甚振る。
「ああっ! 馬鹿になる! だ、ダメだぁ……! 2人がかりは、ずるいぃ……!」
モモは夢見心地の様子だ。
あなたはそろそろ本番に行こうかと提案する。
「そうだな。私が前でいいか?」
ではあなたが後ろと言うことで。
あなたは頷くと、モモロウを抱きかかえた。
「えっ? あの、ちょっ、レウナちゃん? ど、どういうこと?」
「死ぬまでに色々やった者勝ちだと思ったのでな。なので、やったことのないことをやってみようと思っているのだ」
「それでこの状況はどういうこと!?」
「処女は捨てたし、女を抱くというのもやってみた。すると、次は3Pだろう?」
「そうかもだけど! そうかもだけどぉ! ま、待って! 前も後ろもなんて、壊れちゃう! 壊れちゃうよ!」
「大丈夫。もう手遅れだからな。ほら、
「あっ、あっ、待っ、待って……待ってぇぇぇ!」
その日、モモはまた1つ新しい扉を開いた。
3人で愉しんで……と言うより、2人がかりでモモを虐め倒した。
以前にトモに聞いていたが、なかなかハイレベルなマゾっぷりだった。
あれだけ激しく虐められて悦ぶのはかなりのド変態である。
「すごかったぁ……」
「なかなかよかったぞ、モモロウ。気が向いたらまた遊んでやる」
「ううっ……! レウナちゃん、ナチュラルにモラハラ気味の発言してくるのたまんねぇな……!」
「ふん? まぁ、おまえの心情など、さして考慮の必要性も感じないしな」
「なるほど悪くねぇ……!」
なにやら相性がいいらしい。
あなたもあなたで、モモの耳元で甘く囁く。
また今度、いっぱい虐めてあげるね……?
「ア゛ッ! 脳が蕩けるゥ゛!」
ビクビクと痙攣するモモ。元気になって来たようでなによりだ。
そのうち、メアリにも同じことをしなくてはいけないだろう。
メアリは細身で儚げな容姿なので、虐めるほどに興奮してくる。
「はぁ、はぁ……たまんねぇ、たまんねぇよ……! うう……!」
モモロウは興奮しっぱなしだ。
あなたも興奮が止まらない。最高である。
「はぁはぁ……! って、そうだった! こんなことしてる場合じゃねえ!」
突然正気を取り戻すモモロウ。
あなたはいったいどうしたのかと首を傾げた。
「酒浸りになるのもいいけど、いい加減学園に戻んねぇと! 退学になっちまう!」
「ほう、退学か。べつにいいのではないか」
「よくねぇよ!」
「いや、おまえたちは魔法の習得のために学園にいったのだろ。そして、習得したのだろ。卒業する必要があるのか?」
「…………そう言われてみると、たしかに卒業する必要ねぇな?」
今さら気付いたらしい。
あなたはてっきり学園で女漁りでもしているのかと思っていたのだが。
あなたならそうするというか、実際そうしていたし。
まさか学園をやめるという発想がなかったとは……。
「いや、でも、まぁ……卒業しといて損はねぇし、卒業するだけはするわ」
「まぁ、それもありだな。それで?」
「俺たちじゃ転移魔法なんか使えないので、サーン・ランドに帰してください……」
あなたかレインにしか出来ない頼み事だ。
あなたに頼むのも自然な話と言える。
あなたは頷いて、ハンターズのメンバーを集めるよう促した。
その後、モモロウの求めの下、あなたはハンターズを送り返した。
まだまだ精神的に持ち直したと言えるほどの状況ではないようだが。
少なくとも学園に戻ろうと思える程度にはなったらしい。
今回の旅行が終わったら、ちょっとばかりお見舞いに尋ねにでも行くとしよう。
あなたもまた、受け止めるにはなかなか重い話が多い。
自分の人生の真実であるとか、アルメガの強大さであるとか。
そう言ったような、気にするべきでないと分かっていても、気にしてしまう事柄。
それらを受け止めるにせよ、忘れるにせよ、時間が必要だ。
そして、そうしたものを受容する助けとなるのが、人肌の暖かさだ。
この大陸で旅行する中、女に溺れるのも仕方なし……と言うわけか!
「今さら言い訳せずとも、諦めているので安心しろ」
イミテルに呆れられた。
一応新婚旅行なので慮ったのだが……。
「慮るならよその女を抱くな……」
それはごもっとも話であるが。
やはりなんというか、あなたはあなたであるからして……。
そんなこと出来ないというか、出来たらもうあなたじゃないというか……。
「下らん言い訳も繰り返せばもっともらしく聞こえるものだな」
余計に呆れられた。
「まぁ、あなたがなにやら思い悩んでいるのは分かっている。その思い悩む事柄について、私は分からんが……我が鼓動よ、あなたは私の運命であり、私の鼓動なのだ」
そう言って、イミテルがあなたの手を優しく握る。
「あなたの命が私の命を照らし、あなたの存在が私の心臓を脈打たせるだろう。我が鼓動、我が命。私にはそれがただ嬉しい」
しずかな肯定の言葉が染み入る。
あなたはイミテルの甘い囁きに感じ入った。
「そして、私の存在もまた、あなたの鼓動だ。私があなたを愛していること、それがあなたの心臓を脈打たせると私は信じている」
あなたは頷いた。
イミテルの想いを感じれば、あなたの心臓は脈打つ。
ついでに興奮するし、濡れもする。
「私とあなたがいれば、悩みも理由もなくとも、どこまでも生きていける。私はそう信じている。だから、なんとなればすべて投げ出してもいいのだぞ」
そんな言葉に、あなたは笑った。
なるほど、魅力的な提案である。
全部なにもかも投げ出していいというのは。
だが、そう言われても、あなたの胸はときめかなかった。
意外なことに、あなたはまだ頑張りたいと思っているらしい。
『アルメガ』をどうにか倒す手立てがないか、あなたは無意識のうちに探っている。
いつの日か、乗り越えることはできるのだろうか?
分からない……分からないが、挑戦しなければ何も始まらない。
まだ、戦いは始まったばかりだ……。
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