46話

 レインの5階梯魔法『快適な宿』による快適かつ安全な野営。

 それはあなたたちの冒険に大いなる安定を齎した。


 涼しく快適な寝室で、やや作りは粗雑とは言えしっかりとしたベッドで眠れる。

 しかも椅子と机もあり、しっかりとテーブルに座って食事もとれる。

 こうした部分も、意外と疲労度に対しては馬鹿に出来ない違いがある。

 また、夜の安全性も段違いなので、飲み過ぎなければ酒も許容できる。

 屋根と天井があるので光も遮られ、しっかりと眠れるのも大きいだろう。


 幾度かマンティコアや大サソリ、巨大アリの群れなどと戦いつつ、あなたたちは5層を踏破し終えた。

 フィリアの『経路探知』によって辿り着いたオアシス、その水際に次の階層への入り口はあったのだ。


「ふむ。特に山も谷もない階層だったな」


「ラセツが襲ってきたくらいね。でも、たぶんこの階層のどこかにはラセツの上位種もいるんでしょうね……」


「ほう? 根拠は?」


「タルパーシャとか言っていたあのラセツ。あれはラセツの武官よ。ラセツ・クシャトリヤ、ラセツ・ラージャと言った上位種に仕えてるの」


「迷宮の中であってもか?」


「ええ、おそらくはね。このコピスみたいな短刀、たぶん下賜品だと思うのよね。タルパーシャの装備にはそぐなわ過ぎたわ」


「言われてみるとたしかに派手過ぎるきらいはあるな。あれは武僧のように、謹厳に身を慎む類に見えた」


 なるほど、たしかに納得できる話だった。

 すると、ラセツの上位種はこんな豪奢な宝物をゴロゴロ持っているのだろうか。


「きっと物凄いお宝を持ってるんでしょうね……でも、それだけ手ごわい相手だわ。出くわさなくてラッキーだったかもしれないわね」


 次も出くわさないことを祈りたいところだ。

 あるいはまぁ、出くわすにしても有利な状況でだ。

 叶うことなら倒して、潤沢な運営資金を確保したいところである。


 まぁ、今は次の階層だ。

 ラセツの上位種との戦闘は、再挑戦する時にでも考えればいい。

 今はまず、次の階層に入りたい。


 あなたはさっそくドアに手をかけ、次の階層へと突入した。

 いつもの奇妙な通路を通り、出た先はむっとするような湿気に満ちている。

 あまりにも濃い緑の生い茂るその空間は、熱帯の森と見えた。

 ボルボレスアスで見た覚えのある光景だ。そう思いながら足を進め。

 あなたは異様な違和感に思わず足を止めた。


「うわ……熱気林って本当にそのまんまなのね」


「熱帯雨林か……ヒルやらが多いのだよな。ズボンを履いて足首を閉めるか」


「青臭いというか、すごく深い森と言うか……水の臭いもすごい……」


「歩きにくそうですね……水辺には気をつけないと。ワニとかもいるかもですし……」


 口々に漏らす面々に振り返り、あなたは少し静かにするようにと告げた。

 全員が疑問そうな顔をしつつも、大人しく口を噤む。

 誰もが無言になると、すぐにレウナが違和感に気付いたらしい。


 周囲を見渡し、自身の耳に手を当てて耳をそばだてる。

 その仕草にサシャも周囲を見渡し、耳をぴくぴくと動かした。

 フィリアとレインは未だに気付かないらしく、サシャとレウナに目線を注いでいる。

 あなたは全員に向けて、静かすぎないか? とこぼした。


「ああ……なんだこれは? まったく生命の気配がしない」


「鳥の気配がしない、とかならまだわかるんですが……虫の気配すらしないのは異常です……」


 今までの階層において、その環境に相応しい微小生物は多々いた。

 5層『大砂丘』では小さなトカゲや、小型の甲虫などはよく見かけた。

 4層『氷河山』でも大型の狐やふかふかの羽毛に包まれた鳥などがいた。

 そこからすれば、この6層『熱気林』にもまた、鳥や虫と言ったものがいるはずなのだ。

 だが、それらの気配は一切感じられず、まるで死んだように静かなのだ。


「言われてみると、静かすぎるわ……なんなのこれ?」


「気味が悪いですね……」


 静寂を破ることを恐れてか、誰もが声を潜めて喋り出す。

 奇妙にひそひそとした会話は、まるで周囲の静寂に押し潰されるかのようだった。


「なんだか嫌な予感がする。気を付けて進もう」


 レウナの言葉にあなたたちは頷いた。

 ここで大人しくしていてもしょうがないのだ。進むしかない。



 あまりにも静かな冒険が始まる。

 鬱蒼とした森に生命の気配はまるでない。

 水辺にも、水中にも、樹上にも。

 風も吹かないため、木々のざわめきすらない。


 痛いほどの静寂。心を病みそうにすら思う。

 エルグランドの雪深い時期を思い出す。

 雪が音を吸い込み、気が狂いそうなほどの静寂を生み出すのだ。


 事実、冬期には心を病むものが続出する。

 陰鬱な静寂と寒さが、その心を凍てつかせてしまうと言われることもある。

 ここでは、空気に満ちた湿気が心を腐らせるとでも言うのだろうか。

 あなたたちは言葉少なく冒険を続けた……。


 そして、数時間の冒険が続いた。

 ただ一直線に『経路探知』が示す先へと向かうだけの冒険。

 敵との遭遇もなく、難所との遭遇もなく。

 森をひたすら歩くだけではただの散歩と何が違うのか。


 あなたはこんなものは冒険ではないと唾棄した。

 それで仲間に当たり散らしてもしょうがないので、口には出さないが……。

 鬱屈した思いを抱えながらも、あなたは進む。

 なにかが起きるかもしれないと、そんな期待を抱いて。


 ……それから4日が経ち。あなたたちは足を止めた。

 何も起こらぬまま次の階層の入り口へと到達してしまったのだ。

 奇妙な奇石群の中央に座す扉、7層『岩礁平原』。その入口だった。

 結局、何ひとつとして生命に遭遇することはなく。

 あなたたちは、文字通り無人の野を往く冒険をした。


「……なんだったの、この階層」


「わからないが、すごく嫌な気分だ。なんなのだ……?」


「次の階層で何か恐ろしいことがあるんじゃないかって不安ですね……」


「なにがあってもいいように、気を引き締めなきゃ……」


 あなたたちは口々に不安を吐露しながら、次の階層へと進んだ。

 この気味の悪い階層から逃げるように……。




 7層『岩礁平原』。


 それは地獄の如き風景だった。

 真っ赤に燃え、煮え滾る岩礁が流れゆく。

 超高温に達した岩が溶けだした灼熱の川。


 飛び石のように浮かぶ、小さな岩の山だけが足場として点在している。

 肌に触れて来る熱気に、あなたは思わず掻いてもいない汗をぬぐう。

 幸いにも気温自体は『環境耐性』を突破するほどの高温ではないようだが……。


「すごい光景ね……」


「……ここも溶岩が弾ける音しか聞こえない……生命の気配を感じない。なんだこれは……」


 ここも先ほどと同じく、何もいないのだろうか。

 もう、うんざりだ。こんなのが続くなら脱出して別の迷宮に行こう。

 楽なのかもしれないが、あなたは楽がしたくて迷宮を攻略しているわけではない。


 未知と財宝を求めて冒険をしているのだ。

 これでは冒険者ではない。ただの洞窟探検隊だ。


「ふっ……根っからの冒険バカだな。嫌いではないぞ」


 レウナがそのように笑いながら評してくれた。

 あなたは真剣な面持ちで頷き、自分もレウナのことを愛しているよと真剣に返事を返した。


「いや、愛しているとは言っておらんぞ。勝手に拡大解釈するな?」


 ダメだったようだ。あなたは舌打ちした。

 だが、厭がってはいないので悪くはない手応えだ。

 レウナはかなりお堅いが、むしろそれが燃える。

 あなたは力強くレウナへと愛を囁いた。


 灰の髪がチャーミングとか、黄金の瞳が美しいとか。

 レウナはそれを呆れ半分、感心半分と言った顔で聞いていた。

 呆れはまだわかるが、感心はなんだろうか?


「いや……本当にちゃんとしたナンパ師と言うのは、こういう風に口説くのだなと思って。やはり、褒められて悪い気はしないからな」


 そう言うということは、これほど熱心に口説かれたことがなかったのだろうか?


「ああ。一部変人が妙な口説き方をして来たことがあったが……こう、私の足元に這いつくばって、泣きながら明日優しく起こしてくれなきゃやだと喚いたり」


 それはたしかに相当な変人である。

 だが、あなたもレウナには起こしてもらいたい。

 ベッドの傍まで来てくれて、優しく揺り起こしてもらいたい。

 ついでにモーニングティーなんかいっしょに飲んだりしたい。


「ふむ、やはり、そう言うのが望まれるのか。悪いことをしたかな」


 などとレウナがぼやく。いったいどんな起こし方をしたのだろう?


「その集団の頭目の男は頭を蹴飛ばして起こした」


 起こし方が荒っぽ過ぎる……。


「それで起こし方が荒いと文句をつけられたので、幹部の女は頬を引っ叩いて起こした」


 蹴るよりはマシだが、大差ない。


「もう少し優しくと言われたので、次のやつは優しく揺り起こしてやった。するとあと5分と言われたので、腹が立って引っ叩いた」


 あまりに無情過ぎて泣きたくなってくる。

 もうちょっとこう、イチャイチャした感じの起こし方をして欲しい。


「そのあたりを反省して、さらにもう1グループの方は優しく起こしてやった」


 もう1グループも起こしてもらいたがっていたのか……。

 レウナのいたところはよほどの変人揃いだったらしい。


「一番強いとウワサの獣耳女は手酷い古傷を負っていたのでさすがに可哀想でな。ちゃんと優しく揺り起こしてやった」


 さすがにその辺りの情はあるらしい。


「その集団の頭目の蛇目女はベッドから蹴り落とし、やたらと胸のでかい女は胸を掴んで持ち上げた。メス臭い男はロウソクの火で炙った」


 レウナの優しさには相当な鬼畜さが入っているらしい。

 あなたはそれで優しく起こしたつもりなのかと尋ねた。


「ああ。ちゃんと加減して蹴ったり叩いたりだからな。少なくとも長く残る傷ではない」


 なるほど、なんでそんな変人揃いのところにいたか分かった。

 レウナも変なところに鬼畜入ってて、天然系の鬼畜変人なのだ。

 類は友を呼んでいただけであり、お似合いの居場所だったと言える。


「ああ、そう言えばオッドアイの女もいたが、そいつの寝顔がなんとなく懐かしくてな。優しく起こしてやった」


 変なところで優しさも入るらしい。

 あなたはレウナの不思議な天然ぶりに首を捻った。

 しかし、なんだか妙に符合するような情報の気がする……。


 そう思ったところで、あなたはふと気づいた。

 いつもなら頭を振ってツッコミをしてくれるレインや、ぼやきを交えてくれるサシャのガヤがない。

 あなたがふと振り返ると、ぼんやりと空を眺めている3人の姿があった。


「? おい、どうした? 暑いのか?」


 レウナの声掛けに反応がなかった。

 あなたはフィリアとレインの胸を同時に鷲掴みにしてみた。

 フィリアでっけ! レインのおっぱいはすっぽり具合が最高!


「馬鹿か貴様は!」


 レウナの鋭いローキックがあなたの足に命中。


「ぐっ……! 木の幹でも蹴ったような感触が……!」


 レウナがあなたのあまりの頑丈さに足を抑えて呻く。

 その最中にもあなたはフィリアとレインの胸を揉みしだく。

 まったく反応がないまま、2人は空を見上げている。

 あなたは次にサシャの胸を両手で鷲掴みにしてみた。最高に気持ちいい。

 しかし、サシャもまた反応はないまま、うつろな目を空に向けていた。


 あなたは異常事態だとレウナに警告を発した。


「もうちょっとまともな確かめ方をしろ!」


 だが、女相手ならこれが一番強く素早い反応を引き出せる。


「くっ、割と反論できん……! 私も胸を掴まれたら殴るからな……!」


 あなたはいったいなにが原因でこうなっているのかを訝った。

 レウナとあなただけが無事なのが分からない。

 単純に強さ故だろうか? レウナはフィリアより強いのだ。


 しかし、心理に作用する類の魔法にしても、弾いた感触くらいは分かる。

 するとこれは魔法によるものではないか、無効化の感触すらない魔法と言うことになる。

 それよりは3人にだけ作用するような形の魔法が施された可能性が高い。


 ひとまずは3人を連れて、一時撤退しよう。

 あなたはそう決めて、3人を抱き上げて6層『熱気林』に撤退しようと試みた。


「うっ、なんだっ!?」


 ぼたっ、と鈍い音がして、レウナの肩に何かが落ちた。

 咄嗟にレウナがそれを払い落し、あなたとレウナがそれを目で追う。

 そこには、手首から先だけの手が転がっていた。


 女性の手だろう。産毛の処理もされた、白く細い手だ。

 標準通りのサイズだとすれば、標準くらいの体形の女性が持ち主だと思われた。

 あなたが空を見上げる。そこには暗い空だけがあった。


 エルグランドの民であるあなたは闇を見通す眼がある。

 暗闇なので潜んでいる者が見えないのではなく、正真正銘何もいない。

 すると、手だけが落ちて来たのかと見下ろすと、手がなくなっている。


「よけろ!」


 レウナの警告の声。そして、あなたの首に手が絡みついた。

 手首から先だけの手が、あなたの首を締め上げている。

 あなたの首に指が食い込み、爪が弾け、骨の折れる音がボキボキと響き渡った。


「おいっ! しっかりしろ!」


 あなたは平気平気と答えた。

 折れたのはあなたの首ではなく、指の骨である。

 凄まじい力で締め上げて来たが、あなたの気道を押し潰すには力が足りない。

 自身の力に耐え切れず、爪と骨が砕けてしまったわけだ。

 ぐにゃぐにゃの軟体になってしまった手が力なく落ちる。


「なんだこれは……手のかたちをしたモンスター……なのか?」


 そうではなさそうだ。

 あなたはレウナにあれを見てみろと指差した。

 あなたの指差す先には、びたびたと転がる人間のパーツ、肉片があった。


 不足部分、つまり手以外と言うわけではなく。

 人間のパーツが無数にあなたたちへと向かって転がって来ている。

 あなたはレウナを巻き込まないように『魔力の球』でそれを薙ぎ払った。


 7割近い肉片が消し飛んだが、3割ほど残った。

 耐えられたのではなく、効かなかった感じがした。

 これは、純粋魔法属性に対する耐性……?


 あなたは次に剣でそれを切り払ってみた。

 問題なく叩き切ることができ、肉片が飛び散る。

 それを見て、レウナもまた剣でそれを切り裂いた。


「強くはないが……なんだ?」


 レウナの剣に付着した血が蠢いた。

 それは一挙に質量を増大させると、レウナの腕へと勢いよく絡みついた。

 見る間に質量を増大させていくそれは、レウナの手首を飲み込む。

 そのまま勢いよく腕を駆け上り、下腕がどんどん飲み込まれていく。


「なっ、ぎっ……ああぁぁあっぁぁあ!!」


 レウナが悲鳴を上げ、もう一方の手で握った剣で自身の腕を切りつけた。

 だが、体勢的な無理があり、二の腕を深々と抉っただけに終わる。

 それを補佐するように、あなたの剣がレウナの腕を切り飛ばした。


「ぐうっ! 撤退だ!」


 よしきたと、あなたは速度を上げた。

 レウナを引っ掴み、EBTGメンバーたちも引っ掴んで下がる。

 6層『熱気林』へと取って返したあなたは地面へと仲間たちを横たえる。


「ぐうっ……ぐっ……『復元/レストレーション』……!」


 レウナが魔法を発動させると、見る間に腕が生えて来る。

 アルトスレアにおける最高の回復魔法。第15の法『復元』だ。

 こちら風に言うなれば15階梯と言うことになるだろうか。

 いかなる傷病をも瞬く間に癒す最高の奇跡である。


「はぁ、はぁっ……! ふぅ……参ったな。一張羅が台無しだ」


 などとレウナが苦笑する。

 たしかに、袖が半分なくなってしまっている。


「レインたちはどうだ?」


 全員先ほどと変わらない。

 あなたは少し考えて、手にしたままの剣を掲げた。

 そして、莫大な魔力を注ぎ込むとあなたは『火球』を発動させた。


 エルグランドの『火球』は空間への炸裂作用なので防御不能と言う特性がある。

 その特性が今回は不便なので、この大陸の『火球』を使う。

 そして、同時にアルトスレアで習い覚えた呪文修正を適用する。


 〇倍の魔力を注ぐと、範囲が〇倍になる。

 そう言うシンプルな呪文修正だ。

 あなたはそれを用い、約250倍に拡大した。


 1マイル足らず。1.5キロメートルほどか。

 その範囲内を火の魔力が吹き荒れ、周辺の木々が焼き切られる。

 地面は赤熱しガラス化し、川の水が蒸発する。


 そして、その只中に残るものが1つ。

 巨大な鎧武者を象った操り人形を操るカイラの姿だった。

 あなたの魔法に反応し、ちゃんと防御姿勢を取ったらしい。

 そのためにわざわざチンタラ魔法を構築したのでそうしてくれないと困る。


「……誰だ?」


 ものすごく怖いヤンデレ少女。

 世界で一番お姫様にしてあげないと、あなたの心を傷つけるために自殺する。


「なるほど最高に意味がわからん」


 あなたも説明しておいてなんだが意味が分からない。


「いや、まぁ、いい。依頼かなにかをして、ついて来てもらっていたのか?」


 あなたは首を振った。そんなことしていない。

 というかなんなら、いると確信があったわけでもない。

 もしかしたらいるかも? と思っていたので炙り出してみたら実際にいただけだ。


 以前にこの迷宮に初見殺しがある可能性が高いと見切った時。

 その時、カイラはEBTGが全滅の憂き目に遭う可能性を示唆した。

 その際には助けになるとも言われたが、本当に全滅したら助けなど求められない。

 すると、カイラはもしやその初見殺しの場所に辿り着く際、監視のためについて来て居るのでは? と思ったのだ。


 考えてみると、ハバクックの情報を提供された際。

 妙ににべもなく追い出され、しばらく来るなと言われたアレ。

 どうしても隠れる都合上、あなたたちより速く町に帰りつくのは難しい。

 アレは不在を訝しまれないために、接触そのものを避けたのではないだろうか。


「危ないんですけど~」


 考えていたら、カイラがあなたのところまでやって来ていた。

 割とご立腹な様子なので、あなたは怒った顔もチャーミングだねと褒めた。


「もうっ! 許しませんけど許します!」


 なんだかよく分からないことを言って、カイラは留飲を下げてくれた。

 そして、自分の頬を掻くと、指をピンと持ち上げた。


「情報、欲しいですよね~?」


 もちろん欲しい。

 あなたはカイラに説明を求めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る