15話

 ロモニス冒険者学園の生徒らが帰還していった。

 そうして、ようやく平常運転に戻ったと言った風情のサーン・ランド冒険者学園。


 初夏の爽やかな風が、だんだんと灼熱の光に押されて消えていく。

 迂闊に外を歩いていると死ねる。そんな季節がやって来た。

 市場では水売りが声を枯らして売り込みをし、浜辺では海水浴をする者でにぎわう。


 夏季休暇もそろそろかと言ったところ。

 あなたは今年のバカンスはどこへ行こうかと思い悩んだ。


 昨年と同じく湖水地方に避暑に行くか。

 あるいはエルグランドに里帰りでもするか。

 はたまたソーラスの迷宮で強化合宿でもするか。

 あなたはアレコレ悩んだ末に、昨年と同じく湖水地方に行くことにした。


 夏でも雪の残るボルボレスアスの高山地帯とか。

 爽やかな涼しさに包まれるアルトスレアの高原とか。

 エルグランド北端から数百キロメートル先にある真夏でも気温マイナス30度の孤島とか。

 いろいろバカンス向きの土地はあるのだ。


 しかし、可愛いペットたるサシャからの要望で湖水地方となった。

 今年は遊び惚けるばかりではなく、来年の卒業試験に向けてしっかりと勉強をしたいのだとか。

 そのため、新しい娯楽がたくさんある場所はちょっと……とのこと。




 特筆することはないままに、夏がやって来て、夏季休暇が始まった。

 そして1度王都の屋敷へと帰宅。ハンターズへと誘いをかける。

 昨年は途中参加だったが、今年は最初からの参加と言うわけだ。

 ついでに、対抗演習で知己を得たジルやコリントらも誘ってくれるよう頼んだ。


 もちろん、エルマとセリアンは学園に勤めているので、既に誘いをかけている。

 2人とも喜んでくるとのことなので、あなたも楽しみだ。


「そう言えば、王宮の工事がそろそろ終わるらしいわよ」


 ひと通りの王都ですべき準備を終えてくつろいでいると、レインがそんなことを言い出した。

 真夏だが、『環境耐性』の大盤振る舞いをしているので快適そうだ。


 そう言えばそんなこともやっていたなとあなたは頷いた。

 あなたが王都に来た時、つまりは2年前から既にやっていたはずだ。

 エルグランドでは大体の工事は3日で終わってしまうので不思議な気分だ。


「小規模建築が多いの?」


 王宮を更地にしても3日で再建されるので、単に建築スピードが常軌を逸しているだけだ。


「3日!? どうやって!?」


 さぁ……? 3日で再建されるのはたしかだが、具体的な現場は見た覚えがない。

 壊したらもう用はないと立ち去るのが常なので。

 再建前に尋ねても壊せないのだから当然である。


「単なる戦闘力とか以上におかしいのが本当に分かんないのよエルグランドは……本当にどういう場所なのエルグランド……」


 頭を掻きむしりながらツッコミを入れるレイン。

 きれいな翠髪が傷んでしまう。


「ま、まぁ、いいわ……ええと、そう、王宮の工事は3年前からやってたわね。ちょうど、あなたと出会う1年くらい前かしら」


 すると、あなたがこの大陸に来る1年前でもある。

 3年かかっての工事とはよほどの大工事だったのだろうか?


「冬用の離宮を作ってたのよ。3年は王族用の宮殿の建設なら、妥当な時間じゃないかしら」


 王族用の宮殿の建設なら?

 階級が違うと建築速度が違うのだろうか?


「魔法使いをたくさん雇って建築できるもの。石材を創り出したり、加工したり、重たいものを魔法で移動させたり」


 なるほどとあなたは頷いた。

 エルグランドでは建設用重機の運用が盛んだった。

 それはエルグランドの魔法が殺傷に適したものばかりだからだが。


 こちらでは日常生活でも便利そうな魔法が多々ある。

 そう言った事情を鑑みれば、建築においても魔法が大活躍するのは分かりやすい話だ。

 おそらく建設用重機もあるのだろうが、魔法も同じくらい重用されているのだろう。


「そうね。やっぱり大き過ぎる石材なんかはクレーンが必要なこともあるし……」


 クレーン。起重機とも言うが。

 巨大な車輪の内部に人間が入って回し、その回転力を用いて巻き上げをする。

 巻き上げによって巨大な荷を吊り上げることができる。


 より巨大なものとなると、大型生物を使役して動かしたりする。

 あるいはまぁ、大型に体躯を調整した人間が入ったりする。

 エルグランドのミルクを上手く使えば身長体重が自由自在なのだ。

 そのため建築界隈では巨人族と見紛う体躯の持ち主がたびたびいる。


「それでも魔法使いの力は大きいわ。雇える財力があればあるほどに建築は早くなるわ」


 であれば、王宮の3年は桁外れに早い速度と言うわけだ。


「そうね。建築家や大工も大量に動員してるでしょうし」


 なるほどとあなたは頷いた。

 凄腕の建築家や大工は時として奇跡のような建築物も実現して見せる。

 そうした凄腕の建築家や大工と言うのは人類の至宝とも言えるだろう。


「そうね……でも、王宮だものね……」


 なにやら濁すような言い方にあなたは首を傾げた。

 王宮建築が建築家や大工にとり、何か不都合でもあるのだろうか?

 成し遂げれば名誉なこととなり、名声となって仕事が舞い込んできそうなものだが。


「そうだといいのだけどね。王宮の構造を知られたらまずいのはわかるでしょう?」


 あなたは首を傾げた。王宮の構造を知られるとなにがまずいのだろうか?


「暗殺者とかに入り込まれるでしょうに」


 あなたはますます首を傾げた。

 暗殺者が何の用事で王宮に?

 王宮でやることなど早々ないだろうに。

 言ってみれば、あれは役所の究極進化形態だ。

 暗殺者の仕事とは対極に位置するだろう。


「いや、王族の暗殺のためでしょ。これそんなに難しい話? 逆に混乱してきたわ」


 あなたは意味が分からずに反論した。

 王族を暗殺したいなら普通に訪ねればいいだろう。

 訪ねて行って、普通に殺せばいい。

 そして普通に帰ればいい。それで終わりだ。

 暗殺者など派遣する必要もないだろう。


「普通に訪ねて、普通に殺して、普通に帰るって普通の意味分かってるのあなた!?」


 普通とは。そう言われてみると、普通とはどういうことなのだろう。

 あなたは普通と言うあり触れた言葉の定義に頭を悩ませた。


「そう言う根源的な話をしてるんじゃないのよ。王宮は普通は立ち入り禁止でしょうが!」


 まさか、この地の王族は王宮を立ち入り禁止にでもしているのだろうか?

 エルグランドの王宮は誰でもウェルカム。乞食でも入ることが可能だ。

 一方で浮浪者は入ってはならないとされているが、乞食と浮浪者の境は不明である。


 なぜそんなことになっているのか。

 一言で言えば鷹揚さのアピールのためと言われている。

 王権の絶対性、その権力を見せつけるためだと。

 一定の説得力はある理由だと言えるだろう。


 実際のところ、立ち入り禁止にしても無意味だからだろうが。

 なにせ、凄腕冒険者でなくとも壁を叩き壊すなど朝飯前。

 そして王宮で朝飯を盗み食いして、衛兵を叩きのめすのは昼飯前である。


 禁止にするから入ってくるんだ!

 なら、だれでもOKにしちまおう!

 そんな議論がされたかは不明だが、そんな具合だろう。

 実際、普通に入れるならわざわざ壊して入らなくてもな、と言う感じはする。


「な、なるほど……そう言う考えもあるのね……」


 レインが異文化に思わずと言った調子で驚いている。

 あなたも立ち入り禁止の王宮に驚いているのでお相子と言ったところか。


「まぁ、ここマフルージャ王国では立ち入り禁止なのが普通なのよ……わかった?」


 あなたは頷いた。では、壁を叩き壊して入ればいいわけだ。

 そしてあとは普通に殺し、普通に帰る。これにて一件落着!


「一件落着! じゃない! 普通に殺して普通に帰れてたまるか!」


 あなたは意味がわからずに首を傾げた。

 なぜ普通に帰ることができないのだろう?


「うそでしょ? あなたまさか殺人はいけないことだって言う基本のキから始めないといけないの……?」


 なるほどそっち。あなたはやっと得心が行った。

 たしかに偉い人を殺すと、衛兵が集まってくる。

 一応は悪いことだという共通の認識はあるのだ。

 まぁ、窃盗と殺人が等しく微罪程度の感覚だが。


 すると、暗殺者では衛兵を蹴散らして帰宅とはいかない。

 レインが危惧しているのはそう言うことだろう。


 そうなると、密やかに殺し、密やかに帰るというわけか。

 くぅ~疲れました、これにて暗殺です! と言うわけだ。


「なにがくぅ~疲れましたよ! もうわかんない! エルグランドの民の感覚がわかんないわよ!」


 などと叫んでソファーに倒れ込むレイン。

 あなたは意味が分からずに首を傾げた。


「……一応聞くんだけど、本当にエルグランドで王様を殺してもその程度の感覚で帰れるわけ?」


 レインがやったら確実にブチ殺されるが、あなたならできる。


「それ単にあなたが圧倒的に強いだけじゃないのよ……べつに無罪ってわけではないのね、さすがにそうよね……」


 さすがに無罪と言うわけにはいかない。当然だ。

 あなたはレインの妙な考えを笑い飛ばした。


「そうよね。はぁ、ちょっと早とちりしちゃった……」


 ここであなたは、5回くらいなら王様を殺してもセーフと言うのは言わずにおいた。

 これ以上レインにツッコミをさせると、髪を引きむしりそうだったからだ。


「まぁ、ともかく……王宮は王族の暗殺を防ぐために立ち入り禁止なのよ。そのためには内部構造も知られていない方が都合がいいでしょう?」


 なるほどとあなたは頷いた。

 知られたくない秘密を持った相手は消す。そう言うことだろう。

 エルグランドでは絶対に使えない解決手段だ。蘇るから。

 知りたいことは知れたので、あなたはソファに転がるレインに身を寄せる。


「あ、ちょっと……」


 そして、レインの頬にそっと優しいキスを落とす。

 レインの滑らかで美しい肌の感触が心地よい。

 微かに汗ばんだレインの香りがする。


 古書の古めかしい香りと、魔法の触媒の入り混じった香り。

 その中に、凛とした少女の瑞々しい香りが隠れている。


「も、もう……そんな、いきなり……あなたに好きにされたら、ぜんぶわすれちゃう……」


 その割には抵抗しないではないか。

 あなたはそんな調子でレインを言葉でなぶる。

 すると、レインは頬を赤く染めて眼を反らす。


「だって、あなたのことが好きだから……」


 そんな直球の告白に、あなたは耳鳴りのするような興奮を味わった。

 なんて健気で可愛らしいことを言うのか。

 いつもの強気な態度はどうしてしまったのか。

 だがこれはこれで最高である。


 あなたはレインを勢いよく抱き上げた。


「きゃっ。あ、本当に、しちゃうの?」


 する。絶対にする。いまからする。


「もう……じゃあ、私の部屋で……ね?」


 あなたは頷き、レインを素早く部屋へと連れて行った。


 魔法使いらしさと、少女らしさの入り混じった部屋。

 天蓋付きの可愛らしいベッドへとレインを横たえる。


 この天蓋付きの可愛らしいベッドが用意された時、レインはいくつだったのだろう?

 きっとまだ、言葉もおぼつかないほどに幼かった頃だろう。

 それからずっと、ここにレインは身を横たえて眠っていた。

 大きくなって、幼さが抜けても、ずっとそうしていたに違いない。


 ここはレインが生涯に渡ってもっとも長く過ごした場所。

 そして、いまからここでレインはあなたに抱かれる。

 なんだかよくわからないが、ものすごく興奮する。


 詩的な感性に乏しいあなたでは言語化できない。

 でもなんだかすごく背徳的と言うかなんというか。


「ねぇ、あなた」


 興奮を噛み締めていると、ベッドに横たわったレインがあなたへと手を伸ばして来る。

 あなたはそっと指を絡め、レインに優しく微笑みかけた。

 すると、レインは安心したように笑った。


「たくさん、キスをして欲しいの」


 あなたは言われるがままにレインにキスをした。

 溺れるほどにたくさんの、そして甘く優しいキスを。


「寂しくないように、ずっと抱き締めて欲しい」


 お互いに抱き締め合って、吐息を交わし合うように、キスをした。

 熱と熱を交換し合うように。


「可愛いって、言って? 聞き飽きるくらいたくさん……あなたに可愛いって言って欲しいの」


 あなたはレインに可愛いと本心から囁いた。

 知性の輝きがそのまま怜悧さとして表出しているような。

 そんな美しくも聡明なる少女がレインだが。

 年相応の可愛らしい部分があり、可愛いと言われたい愛らしさがある。

 そんなことはお見通しである。


「あなたのために髪の手入れをするわ」


 さらさらと流れる美しく長い翠髪。

 この美しい髪の維持はきっと骨が折れることだろう。

 女冒険者の多くが短髪なのは、手入れの手間ゆえだ。


「あなたのために化粧だって覚えたのよ」


 昨年のバカンスから、少しずつ。

 レインは色んな人から聞いて化粧を覚えた。

 頬に微かに朱を足して、日焼けした肌に白粉を叩き、爪に色を差した。


「あなたのために、興味のなかった服だって買ったわ」


 いつも味気ないガウンを着ていたのが変わったのも同じ時期だった。

 全体の印象は変わらないけれど、自分に似合う色を見定めて。

 目立つとんがり帽子にブローチをつけてみたり。

 レインはお洒落をするようになった。


「ぜんぶ、あなたのためよ」


 あなたはそれを知っていた。

 だから、レインの頬をそっと撫で、うれしいよ、とだけ答えた。


「……でも、あなたは私だけを見てはくれないのよ」


 あなたはなにも答えずにいた。

 なにも言えなかったからだ。


「私はあなたしか見ていないのにね。いやになっちゃう。すべての女の敵よ。死んだ方が世のためだわ」


 そう言ってレインは笑った。

 色んな感情がない交ぜになった、筆舌に尽くしがたい笑顔だった。

 その大人びた笑顔に、あなたはレインが目まぐるしい速度で成長していることを実感した。

 サシャもそうだが、レインもまた大人になる過渡期の少女なのだ。


「私、もう少し自分が賢いと思っていたのよ。だって、この歳で4階梯にまで手が届いた。天才と言われてもいいくらいよ」


 出会った当初は3階梯までだったレインは4階梯に手が届いた。

 そして、今なおも成長している。やがては5階梯に至るだろう。

 それは天才と言っても過言ではない速さなのだ。


「なのにね、こんな最低の女の敵を、好きになっちゃったのよ。それも、女同士なのに……」


 レインの手があなたの頬を撫でる。

 少しかさついた、けれど柔らかな指先。

 剣を握るものとは違うことがありありと分かる指先だ。


「嫌な女なのよ、私って。賢いことを鼻にかけて。美人だからって人を見下して。貴族だからって横柄に喋る。そんな、厭な女なのよ」


 そう言うところはたしかにある。

 美人だからと言う部分は、あなた自身も美人だからあまり感じなかったが。

 学園ではあまり友だちが多い方とは言えないタイプだ。

 だが、あなたには関係がない。レインはレインだ。


「そう言うところよ。悪いところは悪いって認める癖に。そこも含めて愛して可愛がってくるなんて、どうかしてるわ……あなたって女は……」


 泣き笑いの顔で、レインがあなたの頬を抓って来る。

 いたたた、などとあなたはすこし大袈裟に痛がって見せる。


「……あなたのためにドレスだって着る。あなたのためにたくさん魔法を覚える。あなたのために冒険をするわ」


 そして、レインがそっとあなたにキスを贈って来た。

 まだまだぎこちないけれど、精一杯の愛を込めたキス。

 その熱いキスを、あなたはされるがままに受け入れた。


「あなたの本妻にも愛想よくする……サシャを優先もするわ。そんな都合のいい女になるから……私のことも、愛して……」


 そんなどうしようもないほどに健気な懇願。

 レインがレインであるというだけで、あなたにとってはお姫様だ。

 こんなにも愛して欲しいと願う少女を愛さずにいられるわけがない。

 あなたはキスを贈り返し、レインを強く抱きしめた。


「んっ……」


 もっとたくさんわがままを言って欲しい。

 レインの好きな服を着て欲しい。

 レインの知りたいこと、覚えたいことを学んで欲しい。

 レインの心の赴くままに冒険をして欲しい。


 あなたは根っからの冒険者で、根っからの自由人だ。

 自由と言う意志、その表象たるものこそが冒険者である。

 少なくともあなたはそう信じているし、その通りにしているつもりだ。


 あなたはレインにもそうあって欲しいと思っている。

 自分で自分を縛らないで欲しい。

 あなたはレインの自由意思を愛しているからだ。

 凄い魔法使いになろうとする向上心を。

 新しい魔法を覚えようと足掻く向学心を。

 魔法の研究のために労苦を厭わない探求心を。

 だからあなたのために自縄自縛に陥っては意味がない。


 それとも、なにか?


 あなたが少しの欠点で愛想を尽かすほど生易しい存在だったか?

 女と見れば見境がなく、赤ん坊でも臨終間際の老婆でも口説くような異常者が。

 ちょっとばかり高慢だったり、横柄だったりするくらいで女を嫌うわけがない。

 そもそも、そうだったころのレインを好きになったのに。

 好きだった点を嫌いになるわけがないだろう。


「……ばかっ!」


 本心から告げた想い。それを聞いたレインは突然激高して引っ叩いてきた。ちょっと痛い。


「私がどんな思いであなたのために……あなたに振り向いて欲しくて努力したのに……自由に生きて欲しい……ですってぇ? このおばか!」


 今度は逆方向から引っ叩かれた。

 右の頬を叩かれたら左の頬を差し出さなくてはならない状況だったようだ。


「なんなのよ、もぉ……あなたの都合のいい女でもよかったのに……どうして、あなたが私に都合のいい女になるのよ……」


 泣き笑いで、レインがあなたの胸に顔を埋めて来る。


「ばか、ばかばかばかっ。おばか! ばかっ!」


 罵倒されるのも心地よいものだ。

 だが、そろそろ甘い言葉も聞きたいところである。


「ばか……だいすき……」


 消え入るような小さな声だった。

 だが、たしかにレインがそのように言った。

 

「大好き……大好きよ……もう、離れたくない。ずっと、一緒に居たいの……ずっと傍に……」


 そして押し倒すような勢いでレインがキスをして来た。

 奪い尽くすような力強いキスだった。


「ずっと、いっしょよ……」


 言われるまでもなく、あなたはそのつもりだった。

 あなたはレインの勢いに倍するほどの力強さでキスをした。

 そして、そのままベッドにレインを押し倒した。

 さぁ、レインをとびっきりのお姫様にしてあげようではないか!

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