4話
クラブ活動を始めたり、逆にクラブ活動に参加してみたり。
あなたは精力的に学生として活動をしている。
その傍ら、サーン・ランドの娼館を制覇し、高級娼館にも顔なじみの娼婦を大量に作った。
そして、あなたは今日、高級娼館へと遊びに来ていた。
「こ、ここが高級娼館……」
「ほ、本当に、本当にいいのか!?」
あなたが連れて来た同級生が血走った眼であなたに念押しするように聞いてくる。
あなたが連れて来たのは、共に新入生の冒険者学園の生徒であり、男子生徒だった。
そう、あなたは年若い男子生徒に初体験をプレゼントしてやるために高級娼館へと来ていた。
あなたは遊び人であり、そうした遊びにはそれ相応の持論と言うものがある。
処女と童貞で恋人同士ですること全部と言うのは、実に物語的なロマンティックさがある。
だが、現実でそれをやるのは、処女にとっても童貞にとってもなかなかに酷なものがある。
童貞は熟練の娼婦に手ほどきをしてもらうべきだし。
処女も同様に熟練の遊び人に手ほどきをしてもらうべきなのだ。
やはり経験豊富な相手に導いてもらうというのはどんな分野でも大事だ。
その持論に従い、あなたは童貞冒険者見習いどもに娼館を奢ってやろうというわけだ。
安娼婦と初体験と言うのも悪くないものの、やはり最上級のグレードを知るというのも大切だ。
高級娼館にいずれまた行く、と言う決意が普段の原動力にもなってくれるだろう。
やはり、性欲と言うのは人間の基本的な欲求であるからして、人を動かす絶大な力となるのだ。
「あら、可愛いお客さんを2人も連れて来たの?」
「ふふ、冒険者学園の生徒さんね」
あなたが指名した2人の娼婦がそんなことを言いながら姿を現した。
あなたは顔なじみの2人の娼婦に金貨を握らせつつ、たくさん可愛がってあげて欲しいと頼んだ。
もちろん娼婦の指名料金は既に娼館に払っているものの、娼婦に対する小遣いも大切だ。
「あら、こんなに?」
「張り切ってサービスしてあげないとね……フフ」
それはもう腰砕けになるまで可愛がってやってほしい。
あなたがそのように頼むと、高級娼婦の2人はうっそりと笑った。
童貞どもは血走った眼で高級娼婦のことを見ている。実に童貞の香りが漂っている。
あなたはその童貞に、一晩たくさん可愛がってもらうようにと伝えた。
「
夢でもなんでもない。まぁ、一夜の夢と言う意味ではそうかもしれないが。
いずれにせよ、払いはあなた持ちで、娼婦への小遣いもあなた持ち。
これほどお膳立てしてもらっておいて、楽しまない奴はいないだろう。
あなたは前かがみになって歩いて行く童貞たちを見送った。
その後、あなたは残っている娼婦全員を指名した。せっかく娼館に来たのだから楽しまなくては損だ。
「すご、すごかった……!」
「やっぱすげぇよ、高級娼館は……」
翌日、朝の食堂であなたが高級娼婦を奢った元童貞の2人がそんなことを盛んに話していた。
やはり性に興味のあるお年頃だから、周囲の少年たちも興味津々でその話を聞いている。
眼も血走り、あるものは鼻の根元を抑え、また大抵の者は前かがみである。
「嘘だろ……! 高級娼館を奢ってもらうなんて……」
「センパイちゃんどんだけ金持ってんだよ……!」
「センパイちゃん、俺にも娼婦を奢ってくれ!」
奢ったのがあなたであるからして、自分も奢ってもらいたい童貞はあなたの下に詰めかけた。
あなたは鷹揚に頷き、娼館側にも都合があるから、週に2人しか連れて行けないが、と断った。
「奢ってくれんのか!?」
「センパイちゃん、
「勃ってくる……! 俺たちの性欲が勃ってくる……!」
信じ難い申し出に疑心暗鬼になるのもわかる。
だが、もちろんあなたは嘘を言わない。
高級娼婦を奢って欲しいものにはもちろんご馳走する。
まぁ、2度も3度もと言うわけにはいかないので、1度限りだが。
また、希望者が多数いることが予想されるので、今回は新入生に奢ったが、次からは既存の在校生を主体に選ぶ。
つまり、卒業するまでには高級娼婦を奢ってやろうというわけだ。
「センパイちゃん、俺たちはなにをすればいい?」
「ドラゴンと戦えばいいのか?」
「家伝の剣だが、センパイちゃんが欲しいなら……」
性欲に塗れた、しかし、透き通った眼で童貞どもはそんな提案をして来た。
あなたは笑ってその申し出を断った。べつにそんなものはいらない。ドラゴンと戦うならあなた1人で戦う。
むしろ、あなたは妖艶に笑って、この地の高級娼婦の味を知ったなら、エルグランドの最高級娼婦の味を知ってみてはどうかと告げた。
「エルグランドの……最高級娼婦……」
「エルグランドってどこだ?」
「センパイちゃんの故郷だよ」
「へぇ……え? それって、まさか……?」
もちろんあなたのことである。あなたは一晩の指名に数十万、あるいは数百万の金貨が飛び交う超高級娼婦だ。
貴族でも滅多に指名できないし、指名できてもあなたに拒否する権利があるほどの高級娼婦。
まぁ、権利があろうがなかろうが実力で拒否っていたわけだが。
ともあれ、言ってみればあなたはエルグランドにおける最高の女である。
「嘘だろ、センパイちゃんと……!?」
「あっぁ、で、出ちまった……」
「高級娼婦奢ってもらえる上に、同じ学園の生徒と……!?」
みんなが喜ぶとあなたもうれしい。
ひとまず、昨晩高級娼婦を奢った2人は今晩あなたの部屋に来るようにと伝えた。
「嘘だろ……2日連続でだなんて……」
「センパイちゃんは、女神だ……!」
来週に高級娼館に連れて行く生徒に関しては、殴り合いでも何でもして決めてほしい。
と言っても、3年生、あるいは留年生から選ぶことになるので、それ以下の学年の生徒は参加資格はないが。
そう告げると、食堂は騒然とした。そして瞬く間に乱闘が始まった。
いいぞもっとやれとあなたは声援を送った。なお、教師陣にしっちゃかめっちゃかに怒られた。
そうして夜。あなたの部屋には1人の男子生徒がやって来ていた。
2人同時はちょっと、とのことで、雌雄を決するべく争いを繰り広げた末に1人があなたの部屋に来たわけだ。
「これが女の子の部屋……造りは俺たちと同じなのに、この甘い香りは一体……!?」
女の部屋に入ったのは初めてなのだろうか?
あなたなど毎日のように入ってるというのに。
「それ自分の部屋もカウントするんだ……」
自分の部屋ではなく他人の部屋である。
「毎日!? ま、毎日……! やっぱすげぇよ、センパイちゃんは……」
なにやら戦慄しているが、あなたはそれを無視して自分の用件を押し通す。
あなたはその男子生徒に対し、とりあえずワンドを渡した。
「えっと……これは?」
それは『ミラクルウィッシュ』のワンドである。願いを叶えてくれる。
そのワンドで性転換を願えば性転換ができる。つまり、女の快感を知ることが出来る。
あなたは男相手には寝ない。である以上、性転換はあなたと寝るためには必須である。
「えっ」
まぁ、嫌だというならワンドは返してもらうし、さらには部屋からも帰ってもらう。
ひとつ言えることは、男の快感も凄いが、女の快感も凄いということだ。
そしてあなたは女相手ならば超熟練者。夢のような時間を約束する。
「やります」
男子生徒は鼻血を垂らしながらワンドを振り、女子生徒になった。
「すっ、すごっ、すごかった……凄すぎるよ、センパイちゃん……」
元男子生徒の女子生徒はそんなことを言って感動している。
あなたのテクニックの全てを使って存分に蕩けさせたのだ。
そんな感想が出て来るのは至極当然のことである。
なにより、元男であるから、女の快感などまったく知らない。
そんな初心な少女を完堕ちさせるなど、あなたにとっては容易いことだ。
あなたはベッドに横たわって昨晩の余韻に浸っている女子生徒にそっと囁いた。
女の子のままなら、今晩もたくさん可愛がってあげるよ、と。
「こ、今晩も……」
まぁ、男に戻ります、と言ってもワンドの利用料金を要求するが。
女になるために『ミラクルウィッシュ』のワンドを使いたいというなら、あなたは喜んで提供する。
しかし、女から男になるために使いたいというなら、あなたは全力で拒否する。
とは言え、あなたがやったことであるから絶対に拒否とは言わない。
しかし、『ミラクルウィッシュ』のワンドは貴重品だ。おいそれとは渡せない。
それもあなたの希望にそぐわないどころか、明確に反する目的だ。料金を要求するのは当然と言える。
この大陸では手に入らないものであるから、エルグランド基準の料金になる。
まぁ、最低でも金貨10万枚くらいはもらわなくてはならないだろう。
それまでは女のままでぜひとも頑張ってほしいものである。
「そ、それじゃあ、このままで……」
快楽堕ちした元男子生徒の女子生徒は、そのままでいることを決めたようだ。
やはり、性欲と言うのは人間の原動力として最適と言えるだろう。
今までの人生のほとんどを擲ってしまうような選択すらも、手に取ってしまうのだから。
「その……センパイちゃん、ほんとに……今晩も……?」
もちろんいい。まぁ、もう1人の男子生徒がぜひとも今日と言うならそちらが先約になるが。
「それは、仕方ないか……俺が先に来ちゃったから……それに、あいつもこうなるの?」
当然ながらそうなる。男子生徒が2人減って、女子生徒が2人増える。
あなたにとって最高の結果と言えるだろう。
あなたは元男子生徒に対し、今晩のことを言いふらしてもいいと伝えた。
元男として、女の快感の凄まじさと言うものを存分に言いふらして欲しい。
娼婦を奢ってもらったら、女にされた上に手籠めにされるというよりも。
娼婦を奢ってもらえる上、普通なら知ることの出来ない女の快感を知れる。
そんな話の流れになってもらった方が、あなたにとって最大に得が得られる。
「こんなすごいこと、他のやつに話さないわけないじゃん……センパイちゃん、ほんとに凄かった……」
あなたにしてみても、この学園の女子生徒は全部食べてしまったので最高だった。
女子生徒がもういないなら、男子生徒を女子生徒にしてしまえばいい。実に単純な発想と言えるだろう。
男子生徒は高級娼婦を奢ってもらえて最高の初体験が出来る上、あなたに女として最高の初体験をしてもらえる。
あなたも得だが、男子生徒にとっても得。これはまったくもって誰も損をしない取引である。
しかも、女子生徒が増えるので男子寮の維持費もきっと減ることだろう。
いずれ男子生徒はこの学園からいなくなる。女子寮だけを維持すればよくなるわけだ。
三方が得をする。この名采配にはあなたをして自画自賛したくなる。
「なるほど、さては天才だな?」
そうまで褒められると少々気恥ずかしかった。
あなたはひとまず、そろそろ朝食の時間なので食堂に行くことを提案した。
「あ、もうそんな時間か……えっと、服ってどうしよう」
あなたは既に準備しておいた下着類のほか、女子用制服を渡した。
女子制服の予備はたくさん用意してある。入学当初から考えていた計画なので、既に男子生徒分の女子制服は用意済みである。
「この制服ってもしかして」
未使用だが、もしもそうしたいというなら、あなたの使用済みの制服を渡してもいい。
「……センパイちゃんの制服が欲しいな」
あなたは快く自分用の制服を元男子生徒へと渡した。
予備はたくさん用意してあるからなんら問題ない。
「ありがとう、センパイちゃん。その……また、たくさん可愛がってね……?」
あなたはその願いに対し、そっと口づけをすることで応えた。
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