第66話
キヨを部屋に連れ込んだあなたは、さっそくキヨをベッドに押し倒した。
「あん……乱暴でござるよ」
それは申し訳ないことをした。だがもう楽しみで楽しみでたまらないのだ。
なにより、キヨのなんとも言えないエキゾチックな美しさはあまり見ない種類のものである。
特に肌が美しい。色の白さという意味では、そう大したものではない。もっと白いものはいくらでもいる。
だが、肌のきめ細やかさと、その独特の黄味がかった肌色が薄暗い中では滑るように輝いて見える。
艶やかな長い黒髪と、あまり見ない種類の彫りの浅い顔立ちは幼げに感じられて実に可愛い。
「そこまで褒められると照れるでござるな……それで、その、実はちょっと言っておきたいことが……」
なんだろうか。ここにきてやっぱなしとか無理である。
それを言い出したら申し訳ないが、力づくで行為に至らせてもらう。
あなたは合意の上での行為が好きだが、フィリアの例から分かるように無理やりも嫌いではない。
「レイプしてやる宣言とかおっかねぇでござる……えーと、言いたいことと言うのは」
キヨが頬を赤らめ、周囲をちょっと見渡した後、あなたの耳元に口を寄せて行った。
「そ、その……拙者、女の子は好きでござるが……同性相手の経験は、実はないんでござる……」
あなたは耳を疑った。それは本当かと。
「以前、結婚していた時期があるでござる。なので、男性経験はあるでござるよ。女性経験はないでござる」
まぁ、それはさほど珍しいことではない。
世の結婚している女性の大半がそうではないだろうか。
つまり、男しか知らぬ女に、女同士の良さを教え込める。
これは寝取りでもある。寝取りには格別の栄養がある。
男相手よりももっとよくしてあげるとあなたはキヨに甘く囁いた。
「た、楽しみでござるな……」
不安そうだが、それよりも大きな期待を抱いている表情でキヨはぎこちなく笑った。
「その、だから……拙者では、十分に愉しませてあげられないかも知れないでござる……それは謝っておくでござる」
何も問題などない。初めて。この単語だけで十分に最高である。
単純に処女と言うのは硬くて青いものだ。それを柔らかく解きほぐしていくのは手間がかかる。
それもまた処女相手の醍醐味であるが、自分が気持ちいいかどうかで言えば別。
その点、キヨは男性経験はある。十分にほぐれて、だが、未だ知らぬ領域がある。
そこに踏み込んで、女同士の良さと言うのを存分に教え込む。なんと最高だろうか。
言ってみれば、キヨの元旦那はキヨに最高の下ごしらえを施してくれていたのだ。
「それでもよければ……その……拙者もメアリのように……か、可愛がって、欲しいでござる……」
そう言って頬を染め、小首を傾げてあなたを伺うキヨの姿は最高に可愛らしかった。
既婚者と言うのだから、それなりに年齢は重ねているはずが、まるで無垢な少女のようだ。
既婚者でありながら幼げな少女。このなんとも言えぬ記号が実にたまらない。
そして、あなたはキヨに対して尋ねた。
可愛がるとは、優しくか、それとも、激しくか。
「優しく……可愛がって……」
消え入るような声でキヨが応え。
あなたはキヨをベッドに押し倒しながら、甘いキスを贈った。
今夜も眠れそうにない。
「すまんがこの未亡人を引き取ってくれないか」
「うぅ、うぅ……ぐしゅ、ぐす……お嬢しゃまぁ……」
翌朝、キヨを存分に可愛がったあなたが階下に降りると、メアリが未亡人と化していた。
まぁ、単純にあなたを恋しがって泣いているだけの話であるが。
未亡人と言うのもなかなかに面白いたとえではあるが。
「だいたい、昨日までもうるさかったんだ。お嬢様はまだかなまだかなってうるせぇのなんの。このバカ犬なんとかしてくれ」
メアリはネコではないのだろうか。
「ネコ耳ついてるけどこいつは犬だ」
たしかに犬っぽい子なのは認める。
「昨日はもっとうるさかった。壁にくっついてめそめそずっと泣いててな……」
しかし、乱入してこなかったということはがんばって我慢をしたと言うことだ。
その点については褒めてあげるべきだろう。あなたはメアリの頭を撫でて褒めた。
「はぅぅ……お嬢しゃまの手、きもちぃです……もっと、撫でてください……」
もちろん撫でる。そうして撫でていると、段々メアリの吐息が熱く湿って来た。
ここからどうするのだろう。誘ってきたら残念ながらご褒美はなしになる。
さて、どう出るかと楽しみにメアリを見ていると、メアリは切なく潤んだ眼であなたを見つめる。
「お嬢さま……手、手を」
さて、なにをするのだろうか。あなたはメアリに手を差し出す。
すると、メアリがあなたの手を自分の服の中に導くではないか。
メアリの滑らかな肌と、ふにゅんと甘美な柔らかさ。そして、硬くしこった頂点の感触。
「私、もう、こんなになってるんです……」
メアリがもう一方の手を掴んで来る。
そして、導いた先はスカートの中。
あなたの指先がふとももに触れると、冷たいしずくが指を伝った。
「も、もう、こんなに、垂れてくるくらい……」
泣きそうな顔でメアリが絞り出すように訴える。
「でもっ、がんばって、がまんしたんですっ。いっぱいがまんしたんです! えらいですか?」
えらい。あなたなら我慢できない。確実に乱入している。
「じゃあ、もっと、褒めてください……そうしたら、私……もっと、がまんできますから……」
なんて健気なのだろう。メアリは間違いなく犬だった。
ネコ耳こそ生えているが、疑いようもなく犬である。
あなたはメアリを優しく撫でて、自分の膝を叩いた。
メアリは嬉しそうにあなたの膝に縋り出した。
「おじょうしゃま……」
ぽつぽつとメアリの瞳から涙がこぼれだす。
もじもじと膝をすり合わせるような動きをしても、決して誘ってはこない。
待ての命令を忠実に実行し続ける、立派な忠犬だ。
これはたっぷりとご褒美を上げなくてはいけないだろう。
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