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マスターの店を出て
涼白と秋姉が居る
自分の部屋に戻ろうとしていた
二人は何か食べたのだろうか?
俺はスーパーに行き
軽い食事が出来る
プリンやゼリーを買い家に戻った
玄関を開けると
テレビを見ていた二人が
「雄一おかえり」っと言ってきた
部屋を見ると
散らかっていた鍋やゴミなどが
片付けられていた
涼白がやったに違いない
俺は涼白に
「自分でやるからそのままで良かったのに」
っと言うと
「3日ぐらいは放置にするでしょ雄一は
だから早めにやってあげたの」
っと涼白に言われた、
どうして俺が3日放置する事知ってんだよ
時計を見た涼白は
こんな時間だと慌て始め
スーパーのバイトに行かなきゃと
支度をし始めた
外は雪が降って寒そうだったので
俺は引き出しにある
紺色のマフラーを取り出し
涼白の首にマフラーを巻いた
「コレ...」
「雪降ってるから暖かくして行けよ」
「・・・ウン!!」
俺と涼白を見た秋姉は
「いいね〜、お似合いだね〜」と言い始めた
まだ酔っ払ってんのか秋姉は?
涼白は顔を赤くして下を向いていた
まさか出掛ける前から風邪引いたのか?
昨日は毛布も掛けずに寝てたし
俺は涼白のデコに
自分の手を乗せ熱を計ろうとすると
「大丈夫だから!!気にしないで!!」
そう慌てながら涼白は仕事に向かった、
大丈夫かよ涼白の奴
「それじゃあ私も帰ろうかな
また何か合ったら来るわ」
「次来る時はちゃんと連絡してくれ」
騒がしい大風見ない秋姉も居なくなり
俺はバイトまでの少しの時間眠る事にした
そして数時間後
気がつくと太陽が沈み夜の8時に
俺の携帯には一件の着信が来ていた
携帯を手に取り
誰からの連絡か確かめて見ると
そこにはコンビニの店長からだ、
俺は折り返し電話を掛けると
直ぐに店長は電話を取った
「北神君お疲れ」
「お疲れ様です店長、
電話何だったんですか?」
そうそうと店長は大きな声で言った、
電話から漏れた音が
俺の小さな部屋で反響する
「朝の人が風邪引いちゃって、
夜は僕がやるから
北神君は朝の方お願いできない?」
こういう時は偶にある
めんどくさいと思いながら
「分かりました」と元気の無い返事をすると
店長は言葉を弾ませた口調で
「それじゃあよろしくね」
と早口で言い電話を切った
分かりやすい人だ...
俺はテレビを付け
どうしようかと考えていると
秋姉から電話が掛かってきた
もしもしと返事をすると
店長より大きな声の秋姉が
雄一今大丈夫と言った
余りの大きな声に
俺は携帯から距離を取り
大丈夫だと言った
「雄一今日仕事?」
「夜は休みになった」
「え!?そうなの!!
じゃあ大丈夫そうね、
OKまたね〜」
ツーツーっと電話の切れた音が鳴る、
なんだったんだこの電話
秋姉は要件をちゃんと言わないから
何を伝えたいのかわからん時が多い
テレビを見ていると
時刻は10時を過ぎていた
お笑い芸人が漫才をする番組を
ボーッと眺める俺は
ある事が気掛かりになっていた
「・・・・井上大丈夫かな」
確か忘年会で
商店街近くの飲み屋街で
飲んでるって言ってたよな
・・・・・お酒弱いとも言ってたよな
・・・・・・・・
俺はテレビを消し外に出掛けた
外は雪が強く降り
まるで一面別世界のような景色だ
「何やってんだ俺...」
何故だか分からないが
俺は飲み屋街にやって来ていた、
ほとんどの店は閉まっている
こんな田舎の飲み屋街だ
10時に閉まる店も多い
俺は人通りを歩く、
飲み屋街の道には誰も歩いて居らず
大雪でタクシーすらも見当たらなかった
「流石に考え過ぎか」
マジで何しに来たんだ俺
勝手に変な妄想して自分が馬鹿みたいだ、
俺は自分の哀れさにため息を吐き
部屋に帰ろうとした
「今日が1番寒いな
今年1番じゃないのか....ん?」
帰り道の歩道
タクシーが良く止まっている乗り場に
1人の人影が倒れていた
俺は直ぐに近づき
大丈夫ですかと声を掛けた
まさか そんなと思い
その人の顔を確かめると、
それは紛れもなく井上だった
「井上!?」
酔ってなのか寒さでなのか分からないが
井上は歩道で倒れていた!!
どうする...とにかく救急車を!!
そう考えていると
井上は目を開け言った
「北神君?、大丈夫
タクシー来たら帰れるから...」
大丈夫な訳あるか!!
死んじまうぞ!!
救急車を呼んでも
直ぐ来れるかも分からないし
そこまで大した事無かったら
井上に迷惑掛け困らせるかも知れない
・・・・・俺はどうするか悩み
悩んでいる時間があるならと思い言った
「家が近くにあるんだ、
井上が良ければ少しの間
体を休めていくか?」
何言ってんだ俺、
幼馴染の女性相手に
気持ち悪いと思われるだろ
井上は寒さと酔いで返事ができずにいた
・・・・・悩んでいてもしょうがない
体を休ませる場所があるなら
早く連れて行った方が良い
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