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12月27日
ゴミ収集車の音で俺は目を覚ました
「寝てたのか...」
俺は机の上を見ると
コンロの上に具が残った鍋に
空の缶ビールが何本も置かれていた、
秋姉の奴 何本飲んだんだ?
まさか涼白も飲んだんじゃないだろうな?
俺は床で寝ている涼白と秋姉を見た
秋姉は顔を真っ赤にさせ眠っていたが
涼白の顔は普通だった、
どうやら酒を飲んでは無さそうだ
俺は二人に毛布を掛け
少し散歩する事にした
「そう言えば今日夜バイトだったな、
こんな時間に起きたから
夜めんどくさいなぁ」
そう言っても
頑張るしかないんだけどな、
俺はめんどくさいと思いつつ
玄関の鍵を閉め
俺の部屋で眠る涼白と秋姉を残し外に出た
商店街に着くと
クリスマスが終わったと思ったら
次は正月の準備で皆慌ただしい様子だ、
こんなクソ寒い日に
皆良く頑張れるよな
気がつくと
少しづつ雪が降り始めていた、
風も強くなり 寒さが極まり
ポケットから手を出せずにいた
そうだ!マスターの店の
温かいコーヒーで体を暖めよう
俺は商店街の端の
人通りの少ない通り
マスターの店がある場所に向かった
カランカランと店の扉を開けると
俺はまた井上と出会し
「あ」っと声を出してしまった
俺の声に井上も気が付き
「北神君」っと井上は言った
俺は井上の二つ隣の席に座り
今日は寒いねと言うと
そうだねと井上も返事をする
・・・・・なんだか気まずい
コーヒーを飲みに来ただけなのに
また井上と出会ってしまい
マスターにコーヒーを注文すると
井上は俺の顔を見て言った
「今日ね、会社の忘年会があって
この辺で飲み会をやるらしいんだけど
私お酒に弱くて....」
大変だなとだけ俺は言った、
そんなに飲めないのかと聞くと
ビンジョッキ1杯でクラクラになるらしい
「飲めないなら無理しない方が良い、
会社の人にも言って断った方が...」
「ダメよ、今日は取引先の
長年お世話になってる人も居るから、
お酒の席で気分を害したら会社にも
迷惑掛けちゃうかも知れないから」
社会人ってのは
なんでこう都合の悪い事ばかり...
井上は今
大きなプロジェクトを任され
頑張っているって言ってたよな、
俺に何か出来る事があれば
力になってやりたいが
俺は携帯を取り出し
何か困った事があったら連絡しろよ
この近くで俺もバイトやってるから
少しだけなら力になれるかも
そう言うと井上はニコヤカな顔で
「もしかして私の連絡先聞こうとしてる?」
っと返事を返してきた
俺は顔を赤くして「違う‼︎」と言ったが
マスターは俺のテーブルにコーヒーを置き
「女性へのアプローチが下手だね雄一君」
っとマスターからも揶揄われた
笑う二人を横目に
俺は熱々のコーヒーを飲み
アツっと典型的な事をしてしまい
井上とマスターはそんな俺を見て
また笑っていた
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