第4話 調べずキャラデザ決めるとこうなる

 どうも、中華風ファンタジーを普段書いている人間、狩野緒 塩(かのお・しお)と申します。


 今回は、登場人物の見た目のデザインについてです。 


 小説を書かれる方は、登場人物の見た目を決めてから書く方も多いのではないかと思います。


 私の場合は、絵も描くタイプの小説書きですので、始めに登場人物の絵を描きなぐり、キャラクターデザインをすぐに決めてしまうことが多いです。


 これについても、もちろん苦労話があります。服の話は次回にすることにして、今回は服以外の話をしましょう。


 今回取り上げるのは、拙作の登場人物、秋一睿チウ・イールイという人の髪型のデザインについてです。


 ↓(見た目がこちらのURL先の近況ノートにあります。見たほうがこれからする話の内容が理解しやすいと思います)

https://kakuyomu.jp/users/KanooSio/news/16817330666849066432

 

 中華風といえば、おだんご頭だというイメージが私にはありました。中国ドラマでもおだんご――というか、頭の上で一つに髪をまとめた髪型ですね、そういう髪型が多いです。秋一睿チウ・イールイも同じような髪型をしていますが、布で簡易的に巻いているのみです。


 しかし、この時代の成人男性は基本的に冠を被っていたっぽいので(論文を引用するわけではないのでぼんやりとした表現になっています)、成人男性である秋一睿チウ・イールイが冠を被っていないのは変だといえます。


 それに気づいたのは、もうすでにキャラクターデザインが決まった後でした。(秋一睿チウ・イールイに冠をつけさせると自分の中で違和感が出るくらいには)


 しかし、検索を重ねていくと、それに似ている髪型として緇撮というキーワードが出てきました。これは……まとめた髪に布を巻いたり髪を包んでているっぽい? 


 しかし、一つのサイトしか出てこないですし、その他一つの画像くらいしか出てきません。信憑性に欠けます。また、緇撮はコトバンクには=緇布冠だという記述もありました。


↓コトバンクのURL

https://kotobank.jp/word/%E7%B7%87%E6%92%AE-2825460


 緇布冠を調べると、中国ドラマで役人とかが被っていそうな冠の写真がたくさんでてきました。布ではありますが、秋一睿チウ・イールイの髪型とは別物のように見えます。いったいどちらが本当なのか。


 ネットの海を調べれば調べるほど、謎は深まります。悲しいことに、”古代中国 冠”と調べると、皇帝が被る冕冠ばかりがヒットします。古代中国の髪型については論文や書籍もあまり見当たらず(あっても文量が少なかったり図がなかったり)、女性の髪型についての論文はちらほら見つかるのですが……。男性の特定の髪型についての記述を見つけるのは難しそうです。もしかすると、あまり先例のない研究分野なのかもしれないですね。(私が古代中国の髪型についての知識が無く、調べる能力が足りていないという理由もありそうです)


 そして調べ物に疲れてしまい、もういいや……となりまして、秋一睿チウ・イールイは冠を着けるのがあまり好きではないという設定になりました(正式な場では冠を被らされています)。苦しまぎれの設定ですね。


 余談ですが、中国ドラマに出てくる主要な年齢の若い登場人物は、頭をすっぽり覆うタイプの冠ではなく、小冠(←この名称も本当に合っているか分からない)を着けているのが多いですね。ごくたまにかんざしのみだったり、布のみを結っている部分に着けている人もいますが。頼むから、その髪に巻いている布の名前を教えてくれ……。


 今回、髪型の問題は冠嫌いの設定を生やすことで無理矢理解決しましたが、ちゃんと解決できてはいません。

 将来、古代中国の髪型や冠についての論文や資料が増えますように!


 ということで、調べ物をする前にキャラクターの見た目を決めてしまうと後から苦労する、という話でした。中国ドラマを見るに、登場人物にはとりあえず小さい冠を着けさせておいたほうが無難なのかもしれませんね。





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