第3話 時代設定には気をつけよ

 どうも、中華風ファンタジーを普段書いている人間、狩野緒 塩(かのお・しお)と申します。


 今回は、中華風ファンタジーの時代設定についてです。


 中華”風”の”ファンタジー”とはいえど、時代設定をある程度しておいたほうが作りやすいです。中には、様々な時代を混ぜている中華ファンタジーもありますね。中国ドラマにおいても、架空の時代設定の場合もあります。


 やはり、自分の好きな時代をモデルにして書くのが一番だと思います。自分の好きな時代がなければ、情報を得られるものが多い時代にするのがお勧めです。


 唐の時代などは中華ファンタジーでも華やかで人気なイメージがあり、得られる情報も多い気がします。服も可愛いですし。(気がするだけかもしれない)


 もちろん大前提として、時代がくだるにつれて手に入れられる情報も多くなります。逆に言えば、昔になればなるほど情報が減ります。殷(商)とか調べようとすると、情報が少なすぎて悲しくなります(経験談)。


 ちなみに、私の書いている小説は、前漢~後漢、特に後漢かなあというざっくりしたイメージで書いています。なぜならば、私が好きな四神についての資料がたくさんある時代だからです。



 ここで、私がどのように資料を集めているのかご紹介しましょう! 


 中華風ファンタジーや歴史物を書いている人には、この調べ方は当たり前だと言われてしまうかもしれませんがね……。


 では、私の書いている小説のモデル、漢代を例にして話をしていきます。


 漢代の情報は限られています。そこで重要となってくるのは、資料の探し方です。


 私は、古代中国に関する論文やネットの記事を主に見ます(書籍も何冊か読みましたが、ただでさえ中国の歴史にはたくさんの時代・国・民族が関わってくるので前漢・後漢に関しては数ページしかないこともしばしばあります)。


 やはり役立つのは論文などです。今は”古代中国 ○○ 論文”とかでネット検索すると容易にヒットします。すばらしい時代です。論文には出典が必ず書かれているので、どの時代について書かれたことなのか分かりますし、どのような資料が他にあるのかも分かります。漢代・前漢・後漢についてピンポイントで書かれている論文はなおありがたいです。ありがとう、大学機関リポジトリ。


 その他にも、誰が書いているか分からないネット上の記事は玉石混交ですが、たまにどこかの大学のゼミのサイトなどが見つかったりするので侮れません。


 そして、ありがとう馬王堆漢墓(前漢くらいの墓)のウィキペディア。ウィキペディアも論文を書くには信憑性が薄いのでやめた方が良いですが、書きたいのは論文ではなく小説です。上手く使ってやれば、小説に生かせそうなネタを探せることもあります。


 特に馬王堆漢墓についてのページは参考になります。馬王堆漢墓のT型帛画はくがは、太陽の中の三足烏や月には蟾蜍せんじょ(ヒキガエルのこと)などが描かれていて、鮮やかで古代の思想がうかがえる、とてもロマンがある画です。


 他にも、私は中国語を少し読めるため、中国のYahoo!知恵袋みたいなサイト、知乎(zhihu)などを恐る恐る読んでいたりもします。



 情報があればあるほど物語の中での情景が作りやすくなると思います。それがなければ、想像で補うしかなくなります。服装、家、どんな植物があったか、気候はどうだったか、どんな食べ物を食べていたのか。いったい何を考えて当時の人は生きていたのか。


 モデルとしている時代が古代の中国という点において、完璧な再現は不可能です。


 しかし、調べるという行為は創作の一助となると思います。


 ……その都度単語を調べだすと、小説を書くのにとても時間がかかるので、ほどほどにしたほうが良いと思いますけれどね(自戒)。

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