わたしの見上げる空に突然白い大きな箒星が流れた。それはとても幻想的な風景だった。

「流れ星だね」あなたが言った。

 ふと横を見るとそこにはいつのまにかあなたがいた。あなたは空を流れる箒星を見ていたのだけど、わたしのあなたを見る視線に気がついてわたしに視線を向けた。

「やっと、会えた」

 いろんなことを話したかった。言いたいことが、あなたに伝えたいことが本当にたくさんあった。でもそれしか言うことができなかった。涙が溢れてきて、もっとちゃんと見たいのにあなたの顔がよく見えなくなった。

 あなたはわたしの手をそっと触った。あなたの指がわたしの指に触れた。これは夢。わたしの見ているひとりよがりの夢なのだ。なのにそこには現実があった。少なくともわたしにはそう思えた。今、ここにいるあなたはわたしの作り出した幻ではなく本当のあなたなのだと思った。

 わたしは神様ではない。

 誰かの命を創造することはできない。

「愛してる」

「うん。わたしも愛してる」

 わたしはあなたに力いっぱい抱きついた。子供のように。泣きながら。甘えるように。震える体で。

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