2
緑色の草原の上にわたしは立っている。空は青。世界には優しい風が吹いている。わたしはそんな場所で周囲をきょろきょろと見ている。あなたを探しているのだ。でも、あなたはどこにもいない。ここで会おうって約束したのに、どこにもあなたの姿は見えなかった。
どこにいるんだろう?
だんだん不安になった。心細い。ひとりは嫌だと思った。こんな気持ちになったのは本当に久しぶりのことだった。わたしは歩き始める。あなたを探すために。
わたしは白いワンピースを着ている。足元は麦で編んだサンダルだった。こんな服をわたしは買った覚えがなかった。なのでわたしはこの世界がわたしの見ている夢であることがわかった。
少し先に小高い丘のようになっているところがあった。とりあえず、そこまで行ってみることにする。
「よいしょっと」
丘の上まで歩いていくと、世界を見渡すことができた。緑色の大地も青色の空以外なにもない世界。辺境と呼ぶような世界。そんな世界の中にわたしはひとりぼっちで立っている。(思わず、少しだけさみしくて泣いてしまった)
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