鈴の音
**********
そう、少し押し問答があった末に先生は先に席を立って帰っていったんだ。
そのあと私は、泣きながら杏仁豆腐を爆食いしてマスターに送ってもらって。
ちょうど、そのあとからだ。ブラックコーヒーが美味しく感じられるようになったのは。
カランカラン、と鈴の音が鳴る。
「おっ、先生いらっしゃい。今日は生徒さんも一緒かい?」
「あ、あの、初めまして……」
初々しい制服姿がまぶしくて、私は少し目を細めた。
今、私はカウンセラーをしている。今日は、先輩の仕事を聞いてみたいと、久しぶりに先生から連絡を受けてここへ呼ばれていた。
「久しぶりだね」
先生の左手の薬指に光る指輪を確認したあと、私は、顔を上げた。
「お久しぶりです、先生。今日もコーヒーですか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます